整数 $\mathbb{Z}$ 上に、mod 4 による同値関係 $\sim$ を定義する。すなわち、$a \sim b$ とは、$a - b = 4k$ となる整数 $k$ が存在することである。また、写像 $f: \mathbb{Z} \to \mathbb{Z}$ を $f(a) = 2a$ で定義する。 (1) 関係 $\sim$ が推移律を満たすことを示す。 (2) $f$ による誘導写像 $\bar{f}: \mathbb{Z}/4\mathbb{Z} \to \mathbb{Z}/4\mathbb{Z}$ が well-defined であることを示す。 (3) 同値類 $[0], [1], [2], [3]$ の $\bar{f}$ による像をそれぞれ求める。

代数学合同算術同値関係写像群論
2025/7/23

1. 問題の内容

整数 Z\mathbb{Z} 上に、mod 4 による同値関係 \sim を定義する。すなわち、aba \sim b とは、ab=4ka - b = 4k となる整数 kk が存在することである。また、写像 f:ZZf: \mathbb{Z} \to \mathbb{Z}f(a)=2af(a) = 2a で定義する。
(1) 関係 \sim が推移律を満たすことを示す。
(2) ff による誘導写像 fˉ:Z/4ZZ/4Z\bar{f}: \mathbb{Z}/4\mathbb{Z} \to \mathbb{Z}/4\mathbb{Z} が well-defined であることを示す。
(3) 同値類 [0],[1],[2],[3][0], [1], [2], [3]fˉ\bar{f} による像をそれぞれ求める。

2. 解き方の手順

(1) 推移律を示す。
aba \sim b かつ bcb \sim c を仮定する。このとき、ab=4k1a - b = 4k_1 となる整数 k1k_1 と、bc=4k2b - c = 4k_2 となる整数 k2k_2 が存在する。
したがって、ac=(ab)+(bc)=4k1+4k2=4(k1+k2)a - c = (a - b) + (b - c) = 4k_1 + 4k_2 = 4(k_1 + k_2) となる。k1+k2k_1 + k_2 は整数なので、aca \sim c が成り立つ。よって、\sim は推移律を満たす。
(2) fˉ\bar{f} が well-defined であることを示す。
Z/4Z\mathbb{Z}/4\mathbb{Z} 上の写像 fˉ\bar{f} が well-defined であるとは、aba \sim b ならば f(a)f(b)f(a) \sim f(b) が成り立つことを示すことである。
aba \sim b を仮定すると、ab=4ka - b = 4k となる整数 kk が存在する。
このとき、f(a)f(b)=2a2b=2(ab)=2(4k)=8k=4(2k)f(a) - f(b) = 2a - 2b = 2(a - b) = 2(4k) = 8k = 4(2k) となる。2k2k は整数なので、f(a)f(b)f(a) \sim f(b) が成り立つ。したがって、fˉ\bar{f} は well-defined である。
(3) 同値類 [0],[1],[2],[3][0], [1], [2], [3]fˉ\bar{f} による像を求める。
fˉ([0])=[f(0)]=[20]=[0]\bar{f}([0]) = [f(0)] = [2 \cdot 0] = [0]
fˉ([1])=[f(1)]=[21]=[2]\bar{f}([1]) = [f(1)] = [2 \cdot 1] = [2]
fˉ([2])=[f(2)]=[22]=[4]=[0]\bar{f}([2]) = [f(2)] = [2 \cdot 2] = [4] = [0]
fˉ([3])=[f(3)]=[23]=[6]=[2]\bar{f}([3]) = [f(3)] = [2 \cdot 3] = [6] = [2]

3. 最終的な答え

(1) \sim は推移律を満たす。
(2) fˉ\bar{f} は well-defined である。
(3) fˉ([0])=[0]\bar{f}([0]) = [0], fˉ([1])=[2]\bar{f}([1]) = [2], fˉ([2])=[0]\bar{f}([2]) = [0], fˉ([3])=[2]\bar{f}([3]) = [2]

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