## 問題
画像に示された3つの数学の問題を解きます。
1. 単射と単射の合成が単射であることを示す。
2. 集合の濃度 $m, n, p$ に対して、$m \le n, n \le p$ ならば $m \le p$ を示す。
3. $(A, \le)$ が全順序集合のとき、その極大元は最大元であることを示す。
## 解き方の手順
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1. 単射と単射の合成が単射であることの証明
* **定義の確認:**
関数 が単射であるとは、任意の に対して、 ならば が成り立つことを意味します。
* **合成関数の定義:**
と の合成関数を と書き、 で定義します。
* **証明:**
と を単射とします。 が単射であることを示す必要があります。
に対して、 と仮定します。このとき、
は単射であるから、
は単射であるから、
したがって、 は単射です。
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2. $m \le n, n \le p$ ならば $m \le p$ の証明
* **濃度の大小の定義:**
集合 と の濃度をそれぞれ と とします。 であるとは、 から への単射が存在することを意味します。
* **証明:**
をそれぞれ濃度 の集合とします。
より、 から への単射 が存在します。
より、 から への単射 が存在します。
関数 を考えると、1の証明より、これは単射です。
したがって、 から への単射が存在するので、 が成り立ちます。
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3. 全順序集合の極大元は最大元であることの証明
* **全順序集合の定義:**
集合 が全順序集合であるとは、 の任意の2つの要素 に対して、 または が成り立つことを意味します。
* **極大元の定義:**
の要素 が極大元であるとは、任意の に対して、 ならば が成り立つことを意味します。言い換えると、 より大きい要素が存在しないということです。
* **最大元の定義:**
の要素 が最大元であるとは、任意の に対して、 が成り立つことを意味します。言い換えると、 の全ての要素が 以下ということです。
* **証明:**
を全順序集合とし、 を の極大元とします。 が の最大元であることを示す必要があります。
の任意の要素 を取ります。
は全順序集合なので、 または が成り立ちます。
の場合、 は極大元なので、 でなければなりません。
したがって、 または が成り立つので、常に が成り立ちます。
これは、 が の最大元であることを意味します。
## 最終的な答え