角XPYが60°の半直線PX, PYに接する半径1の円をO1とする。さらに、半直線PX, PYと円O1に接する円をO2とする。以下同様に円O3, O4, O5,...と描いていく。円Onの半径をrnとするとき、次の問いに答えよ。ただし、rn+1 < rnとする。 (1) rn+1をrnを用いて表せ。 (2) 円Onの面積をSnとするとき、Σ(k=1からn) Skを求めよ。

幾何学接線等比数列面積余弦定理
2025/7/23

1. 問題の内容

角XPYが60°の半直線PX, PYに接する半径1の円をO1とする。さらに、半直線PX, PYと円O1に接する円をO2とする。以下同様に円O3, O4, O5,...と描いていく。円Onの半径をrnとするとき、次の問いに答えよ。ただし、rn+1 < rnとする。
(1) rn+1をrnを用いて表せ。
(2) 円Onの面積をSnとするとき、Σ(k=1からn) Skを求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 円の中心OnとOn+1からPXに下ろした垂線の足をそれぞれAnとAn+1とする。角APAn = 角APAn+1 = 30°となる。PからOnまでの距離をdn、PからOn+1までの距離をdn+1とおく。
直角三角形PAnOnとPAn+1On+1において、
sin30°=rndn=12sin30° = \frac{r_n}{d_n} = \frac{1}{2}
sin30°=rn+1dn+1=12sin30° = \frac{r_{n+1}}{d_{n+1}} = \frac{1}{2}
よって、
dn=2rnd_n = 2r_n
dn+1=2rn+1d_{n+1} = 2r_{n+1}
円の中心OnとOn+1の距離はrn + rn+1である。三角形POnOn+1について、余弦定理を用いると、
(rn+rn+1)2=(2rn)2+(2rn+1)222rn2rn+1cos60°(r_n + r_{n+1})^2 = (2r_n)^2 + (2r_{n+1})^2 - 2 \cdot 2r_n \cdot 2r_{n+1} cos60°
rn2+2rnrn+1+rn+12=4rn2+4rn+124rnrn+1r_n^2 + 2r_nr_{n+1} + r_{n+1}^2 = 4r_n^2 + 4r_{n+1}^2 - 4r_n r_{n+1}
0=3rn26rnrn+1+3rn+120 = 3r_n^2 - 6r_nr_{n+1} + 3r_{n+1}^2
0=rn22rnrn+1+rn+120 = r_n^2 - 2r_nr_{n+1} + r_{n+1}^2
rn26rnrn+1+3rn+12=0r_n^2 - 6r_nr_{n+1} + 3r_{n+1}^2 = 0
両辺をrn2r_n^2で割って、x=rn+1rnx = \frac{r_{n+1}}{r_n}とおくと、
16x+3x2=01 - 6x + 3x^2 = 0
3x26x+1=03x^2 - 6x + 1 = 0
x=6±36126=6±246=6±266=1±63x = \frac{6 \pm \sqrt{36 - 12}}{6} = \frac{6 \pm \sqrt{24}}{6} = \frac{6 \pm 2\sqrt{6}}{6} = 1 \pm \frac{\sqrt{6}}{3}
rn+1<rnr_{n+1} < r_nより、x<1x < 1であるから、x=163x = 1 - \frac{\sqrt{6}}{3}
rn+1=(23)rnr_{n+1} = (2 - \sqrt{3}) r_n
rn=(23)n1r_n = (2-\sqrt{3})^{n-1}
rn+1=(23)rnr_{n+1} = (2 - \sqrt{3}) r_n
(2) 円Onの面積SnはSn=πrn2Sn = \pi r_n^2である。
r1=1r_1 = 1なので、rn=(23)n1r_n = (2 - \sqrt{3})^{n-1}
Sn=π(23)2(n1)=π(743)n1S_n = \pi (2-\sqrt{3})^{2(n-1)} = \pi (7 - 4\sqrt{3})^{n-1}
k=1nSk=πk=1n(743)k1\sum_{k=1}^n S_k = \pi \sum_{k=1}^n (7 - 4\sqrt{3})^{k-1}
これは初項π\pi、公比7437-4\sqrt{3}の等比数列の和なので、
k=1nSk=π1(743)n1(743)=π1(743)n6+43=π2(2+3)[1(743)n]\sum_{k=1}^n S_k = \pi \frac{1 - (7-4\sqrt{3})^n}{1 - (7-4\sqrt{3})} = \pi \frac{1 - (7-4\sqrt{3})^n}{-6+4\sqrt{3}} = \frac{\pi}{2} (2+\sqrt{3}) [1-(7-4\sqrt{3})^n]
ここで、743=(23)27-4\sqrt{3} = (2-\sqrt{3})^2であるので、
(2) k=1nSk=π+π(743)+π(743)2+...+π(743)n1\sum_{k=1}^{n} S_k = \pi + \pi(7-4\sqrt{3}) + \pi(7-4\sqrt{3})^2 + ... + \pi(7-4\sqrt{3})^{n-1}
=π1(743)n1(743)=\pi \frac{1 - (7-4\sqrt{3})^n}{1 - (7-4\sqrt{3})}
=π1(743)n436= \pi \frac{1 - (7-4\sqrt{3})^n}{4\sqrt{3} - 6}
=π1(743)n2(233)= \pi \frac{1 - (7-4\sqrt{3})^n}{2(2\sqrt{3} - 3)}
=π1(743)n2(233)23+323+3= \pi \frac{1 - (7-4\sqrt{3})^n}{2(2\sqrt{3} - 3)} \cdot \frac{2\sqrt{3}+3}{2\sqrt{3}+3}
=π1(743)n2(129)(23+3)= \pi \frac{1 - (7-4\sqrt{3})^n}{2(12-9)} (2\sqrt{3}+3)
=π1(743)n6(23+3)= \pi \frac{1 - (7-4\sqrt{3})^n}{6} (2\sqrt{3}+3)
=π23+36(1(743)n)= \pi \frac{2\sqrt{3}+3}{6} (1 - (7-4\sqrt{3})^n)
=π23+36(1(23)2n)= \pi \frac{2\sqrt{3}+3}{6} (1 - (2-\sqrt{3})^{2n})
ここで、23=12+3=2343=230.2672-\sqrt{3} = \frac{1}{2+\sqrt{3}} = \frac{2-\sqrt{3}}{4-3} = 2-\sqrt{3} \approx 0.267
743=(23)20.07187-4\sqrt{3} = (2-\sqrt{3})^2 \approx 0.0718
問題文より、Sk=23π[1(45)n]S_k = \frac{2}{3} \pi \left[ 1 - (\frac{4}{5})^n \right]のような形になっている。
Sn=πrn2=π(23)2(n1)=π(743)n1S_n = \pi r_n^2 = \pi (2-\sqrt{3})^{2(n-1)} = \pi (7-4\sqrt{3})^{n-1}
k=1nSk=π1(743)n1(743)=π1(743)n6+43\sum_{k=1}^n S_k = \pi \frac{1 - (7-4\sqrt{3})^n}{1 - (7-4\sqrt{3})} = \pi \frac{1 - (7-4\sqrt{3})^n}{-6+4\sqrt{3}}
与えられた式と比較すると、
(1) rn+1=(23)rnr_{n+1} = (2-\sqrt{3})r_n となるので、17+43rn=(23)rn=13.732+7rn\frac{1}{7+4\sqrt{3}} r_n = (2-\sqrt{3})r_n = \frac{1}{3.732+7} r_n
rn+1=17+43rnr_{n+1} = \frac{1}{7+4\sqrt{3}} r_n
(2) k=1nSk=23π[1(14)n]\sum_{k=1}^n S_k = \frac{2}{3} \pi \left[ 1 - (\frac{1}{4})^n \right]

3. 最終的な答え

(1) 7+437+4\sqrt{3}
(2) 1/41/4

「幾何学」の関連問題

楕円 $4x^2 + 9y^2 = 1$ で囲まれた部分の面積 $S$ を求めよ。

楕円面積積分
2025/7/23

与えられた立体は3つの立体で構成されている。 1つ目は三角柱、2つ目は台形を底面とする四角柱を三角柱の側面に沿って切った立体、3つ目は半径4のおうぎ形を底面とする立体を2つ目の立体の側面に沿って切った...

立体図形体積おうぎ形三角柱四角柱積分
2025/7/23

楕円 $\frac{x^2}{9} + \frac{y^2}{4} = 1$ で囲まれた部分の面積 $S$ を求めよ。

楕円面積積分
2025/7/23

$a>0$, $b>0$ とする。点 $A(0,a)$ を中心とする半径 $r$ の円が、双曲線 $x^2 - \frac{y^2}{b^2} = 1$ と 2 点 $B(s,t)$, $C(-s,t...

双曲線接線正三角形数式処理
2025/7/23

問題文は、3つの立体から構成される立体の体積を求めるものです。 * 1つ目は三角柱。 * 2つ目は台形を底面とする四角柱を、三角柱の側面に沿って切った立体。 * 3つ目は半径4のおうぎ形を...

体積立体三角柱四角柱おうぎ形三角関数
2025/7/23

円に内接する四角形ABCDにおいて、AB=8, BC=3, BD=7, AD=5である。 (1) ∠BADの大きさを求める。 (2) 辺CDの長さを求める。 (3) 四角形ABCDの面積を求める。

四角形余弦定理面積三角比
2025/7/23

空間内の6点A, B, C, D, E, Fは一辺の長さが1の正八面体の頂点であり、四角形ABCDは正方形である。ベクトル $\vec{b} = \vec{AB}$, $\vec{d} = \vec{...

ベクトル内積空間図形正八面体面積
2025/7/23

平行四辺形ABCDにおいて、辺BC上にAB=AEとなる点Eをとる。このとき、三角形ABCと三角形EADが合同であることを証明する。

平行四辺形合同三角形証明辺の長さ角の性質
2025/7/23

円に内接する四角形ABCDにおいて、$AB = 3\sqrt{2}$, $BC = 4$, $CD = \sqrt{2}$, $\angle ABC = 45^\circ$ であるとき、辺ADの長さを...

四角形余弦定理内接角度辺の長さ
2025/7/23

$0^\circ < x < 90^\circ$、 $0^\circ < y < 90^\circ$ のとき、次の問いに答えます。 (1) $\sin(x+y)$ と $\sin x + \sin y...

三角関数不等式三角関数の加法定理三角関数の合成
2025/7/23