$a>0$, $b>0$ とする。点 $A(0,a)$ を中心とする半径 $r$ の円が、双曲線 $x^2 - \frac{y^2}{b^2} = 1$ と 2 点 $B(s,t)$, $C(-s,t)$ で接しているとする。ただし、$s>0$ とする。 (1) $r, s, t$ を、$a$ と $b$ を用いて表せ。 (2) $\triangle ABC$ が正三角形となる $a$ と $r$ が存在するような $b$ の値の範囲を求めよ。

幾何学双曲線接線正三角形数式処理
2025/7/23

1. 問題の内容

a>0a>0, b>0b>0 とする。点 A(0,a)A(0,a) を中心とする半径 rr の円が、双曲線 x2y2b2=1x^2 - \frac{y^2}{b^2} = 1 と 2 点 B(s,t)B(s,t), C(s,t)C(-s,t) で接しているとする。ただし、s>0s>0 とする。
(1) r,s,tr, s, t を、aabb を用いて表せ。
(2) ABC\triangle ABC が正三角形となる aarr が存在するような bb の値の範囲を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
B(s,t)B(s, t) は双曲線上の点であるから、
s2t2b2=1s^2 - \frac{t^2}{b^2} = 1
t2=b2(s21)t^2 = b^2(s^2 - 1)
円の方程式は x2+(ya)2=r2x^2 + (y-a)^2 = r^2 である。
双曲線と円が点 B(s,t)B(s,t) で接するので、点 BB におけるそれぞれの接線が一致する。
双曲線 x2y2b2=1x^2 - \frac{y^2}{b^2} = 1 の点 B(s,t)B(s,t) における接線は sxtyb2=1sx - \frac{ty}{b^2} = 1 である。
x2+(ya)2=r2x^2 + (y-a)^2 = r^2 の点 B(s,t)B(s,t) における接線は sx+(ta)(ya)=r2sx + (t-a)(y-a) = r^2 より、sx+(ta)y=r2+a(ta)=t2(ta)2+a(ta)=t2t2+2ata2+ata2=t2+a2atsx + (t-a)y = r^2 + a(t-a) = t^2 - (t-a)^2 + a(t-a) = t^2 - t^2 + 2at - a^2 + at - a^2=t^2 + a^2 -at となる。
円の接線はsx+(ta)(ya)=0sx + (t-a)(y-a)=0つまりsx+(ta)y=t2at+a2r2sx+(t-a)y=t^2-at+a^2-r^2
したがってsx+(ta)(ya)=0sx + (t-a)(y-a) = 0.
円の接線はsx+(ta)y=r2+a(ta)=r2+ata2sx + (t-a)y = r^2 + a(t-a) = r^2 + at-a^2
つまりsx+(ta)y=s2+(ta)t=s2+t2at=s2b2b2+t2atsx + (t-a)y= s^2+ (t-a)t= s^2+t^2-at=s^2b^2-b^2+t^2-at
接線の方程式は sxtyb2=1sx - \frac{ty}{b^2} = 1 より、b2sxty=b2b^2 sx - ty = b^2
sx+(ta)y=0sx + (t-a)y = 0 より、
傾きを比較すると、st/b2=s(ta)\frac{s}{t/b^2} = \frac{s}{-(t-a)} なので、
tb2=ta-\frac{t}{b^2} = t - a が必要。
したがって、ta=tb2t - a = -\frac{t}{b^2} より、t(1+1b2)=at(1+\frac{1}{b^2}) = a
t=a1+1b2=ab2b2+1t = \frac{a}{1 + \frac{1}{b^2}} = \frac{ab^2}{b^2+1}
s2=t2b2+1=a2b4b2(b2+1)2+1=a2b2+(b2+1)2(b2+1)2=a2b2+b4+2b2+1(b2+1)2s^2 = \frac{t^2}{b^2} + 1 = \frac{a^2 b^4}{b^2 (b^2+1)^2} + 1 = \frac{a^2 b^2 + (b^2+1)^2}{(b^2+1)^2} = \frac{a^2 b^2 + b^4 + 2b^2 + 1}{(b^2+1)^2}
s=a2b2+(b2+1)2(b2+1)2=a2b2+(b2+1)2b2+1s = \sqrt{\frac{a^2b^2 + (b^2+1)^2}{(b^2+1)^2}} = \frac{\sqrt{a^2b^2 + (b^2+1)^2}}{b^2+1}
r2=s2+(ta)2=s2+t2b4=s2+a2(b2+1)2b2r^2 = s^2 + (t-a)^2 = s^2 + \frac{t^2}{b^4} = s^2 + \frac{a^2}{(b^2+1)^2b^2}
r=a2b2+(b2+1)2(b2+1)2+a2(b2+1)2b4=a2b2+b4+2b2+1(b2+1)2+a2(b2+1)2b4=a2b6+b8+2b6+b4+a2(b2+1)2r=\sqrt{\frac{a^2b^2 + (b^2+1)^2}{(b^2+1)^2}+\frac{a^2}{(b^2+1)^2b^4}} = \sqrt{\frac{a^2b^2 + b^4+2b^2+1}{(b^2+1)^2}+\frac{a^2}{(b^2+1)^2b^4}} =\sqrt{\frac{a^2b^6 + b^8+2b^6+b^4+a^2}{(b^2+1)^2}}
r=a2+b2s2b2+1r = \frac{\sqrt{a^2 +b^2*s^2} }{b^2+1}
r2=s2+(ta)2r^2=s^2+(t-a)^2
(2)
三角形 ABCABC が正三角形となるには、AB=BC=CAAB = BC = CA であることが必要十分である。A=(0,a)A = (0,a), B=(s,t)B = (s,t), C=(s,t)C = (-s,t) であるから、BC=2sBC = 2s
AB = \sqrt{s^2 + (t-a)^2} = \sqrt{s^2 + \frac{t^2}{b^4}} = \sqrt{s^2 + (t/b^2)^2/b^2^2} =\frac{s}{t/b^2}
2s=s2+(ta)22s = \sqrt{s^2 + (t-a)^2}
4s2=s2+(ta)24s^2 = s^2 + (t-a)^2
3s2=(ta)23s^2 = (t-a)^2
3s=at\sqrt{3}s = a - t
t+3s=at+\sqrt{3}s = a

3. 最終的な答え

(1) t=ab2b2+1t = \frac{ab^2}{b^2+1}, s=a2b2+(b2+1)2b2+1s = \frac{\sqrt{a^2b^2 + (b^2+1)^2}}{b^2+1}, r=s2+(ta)2=r=a2b6+b8+2b6+b4+a2(b2+1)r = \sqrt{s^2 + (t-a)^2} = r=\frac{\sqrt{a^2b^6 + b^8+2b^6+b^4+a^2}}{(b^2+1)}
(2) a=t+3s=ab2b2+1+3a2b2+(b2+1)2b2+1a = t + \sqrt{3}s = \frac{ab^2}{b^2+1} + \sqrt{3}\frac{\sqrt{a^2b^2 + (b^2+1)^2}}{b^2+1}
a(b2+1)=ab2+3a2b2+(b2+1)2a(b^2+1) = ab^2 + \sqrt{3}\sqrt{a^2b^2 + (b^2+1)^2}
a=3a2b2+(b2+1)2a = \sqrt{3}\sqrt{a^2b^2 + (b^2+1)^2}
a(b2+1b2)=3a2b2+(b2+1)2a(b^2+1-b^2)=\sqrt{3}\sqrt{a^2b^2+(b^2+1)^2}
a2=3(a2b2+(b2+1)2)a^2 = 3(a^2b^2 + (b^2+1)^2)
a2=3a2b2+3(b2+1)2a^2 = 3 a^2b^2 + 3(b^2+1)^2
a2(13b2)=3(b2+1)2a^2(1-3b^2) = 3(b^2+1)^2
13b2>01-3b^2 > 0 よって 3b2<13b^2 < 1, b2<13b^2 < \frac{1}{3}, 0<b<130 < b < \frac{1}{\sqrt{3}}
a2=3(b2+1)213b2a^2 = \frac{3(b^2+1)^2}{1-3b^2}
3(b2+1)213b2>0\frac{3(b^2+1)^2}{1-3b^2}>0
a=3(b2+1)213b2a = \sqrt{\frac{3(b^2+1)^2}{1-3b^2}}
0<b<130< b< \frac{1}{\sqrt{3}}

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