(1) $z=0$ 平面における $\mathbf{A}$ の様子を図示する。 (2) 原点を中心とする $xy$ 平面上の半径 $a$ の円周 $C_1$ (時計回り) に沿った線積分 $\int_{C_1} \mathbf{A} \cdot d\mathbf{s}$ を求める。 (3) 原点を中心とする $zx$ 平面上の半径 $a$ の円周 $C_2$ (反時計回り) に沿った線積分 $\int_{C_2} \mathbf{A} \cdot d\mathbf{s}$ を求める。
2025/7/23
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1. 問題の内容
与えられた3つの問題について、それぞれ以下を求めます。
1. ベクトル場 $\mathbf{A} = (y+z, -x-z, z)$ に対して、
(1) 平面における の様子を図示する。
(2) 原点を中心とする 平面上の半径 の円周 (時計回り) に沿った線積分 を求める。
(3) 原点を中心とする 平面上の半径 の円周 (反時計回り) に沿った線積分 を求める。
2. ベクトル場 $\mathbf{A} = ((y+1)(z^2 - 1), (x+1)(z^2+1), (x+1)(y+1))$ に対して、半球 $S = \{x^2 + y^2 + z^2 \leq 1, z \geq 0\}$ 上の面積分 $\int_S \nabla \times \mathbf{A} \cdot d\mathbf{S}$ を求める。ただし、曲面 $S$ の法線ベクトルは原点から見える側を裏とする(つまり下向きを正とする)。
3. ベクトル場 $\mathbf{A} = (-2xy-y, 2z-x^2, 2y)$ と曲面 $S = \{x^2 + y^2 + z^2 = a^2, z \geq 0\}$ および閉曲線 $C = \{x^2 + y^2 = a^2, z = 0\}$ に対して、ストークスの定理 $\oint_C \mathbf{A} \cdot d\mathbf{s} = \iint_S (\nabla \times \mathbf{A}) \cdot d\mathbf{S}$ が成り立つことを示す。
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2. 解き方の手順
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1. (2) 線積分 $\int_{C_1} \mathbf{A} \cdot d\mathbf{s}$ を求める**
まず なので、ベクトル場は となります。
曲線 は 平面上の半径 の円周で、時計回りに回るので、パラメータ表示は () となります。
このとき、 となります。
線積分は次のようになります。
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1. (3) 線積分 $\int_{C_2} \mathbf{A} \cdot d\mathbf{s}$ を求める**
曲線 は 平面上の半径 の円周で、反時計回りに回るので、パラメータ表示は () となります。
このとき、 となります。
ベクトル場は となります。
線積分は次のようになります。
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2. 面積分 $\int_S \nabla \times \mathbf{A} \cdot d\mathbf{S}$ を求める**
に対して、回転を計算します。
曲面 は であり、法線ベクトルは原点から見える側を裏とするので下向きです。
の境界は です。ストークスの定理を使うことを考えます。
ここで は です。 なので、 .
とパラメータ表示できます。
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3. ストークスの定理を示す**
と曲面 および閉曲線 に対して、ストークスの定理 が成り立つことを示す。
パラメータ表示:
極座標:
なので第一項は
0. 第二項 = $\int_0^{2\pi} [\frac{r^2}{2}]_0^a d\theta = \int_0^{2\pi} \frac{a^2}{2} d\theta = \pi a^2$
よって等式は成り立つ。
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3. 最終的な答え
1. (2) $\int_{C_1} \mathbf{A} \cdot d\mathbf{s} = 2\pi a^2$
(3)