問題4.2は、$f(x)$を連続関数とするとき、与えられた$x$の関数を微分するという問題です。具体的には、以下の2つの関数を微分します。 (1) $\int_x^{x^2} f(t) dt$ (2) $\int_0^{x+1} x f(t) dt$

解析学微分積分微積分学の基本定理定積分
2025/7/23

1. 問題の内容

問題4.2は、f(x)f(x)を連続関数とするとき、与えられたxxの関数を微分するという問題です。具体的には、以下の2つの関数を微分します。
(1) xx2f(t)dt\int_x^{x^2} f(t) dt
(2) 0x+1xf(t)dt\int_0^{x+1} x f(t) dt

2. 解き方の手順

(1) xx2f(t)dt\int_x^{x^2} f(t) dtの微分
まず、積分区間の両端がxxの関数になっているので、微分の公式
ddxg(x)h(x)f(t)dt=f(h(x))h(x)f(g(x))g(x)\frac{d}{dx} \int_{g(x)}^{h(x)} f(t) dt = f(h(x)) \cdot h'(x) - f(g(x)) \cdot g'(x)
を使います。この場合、g(x)=xg(x) = x, h(x)=x2h(x) = x^2なので、g(x)=1g'(x) = 1, h(x)=2xh'(x) = 2xです。
したがって、
ddxxx2f(t)dt=f(x2)2xf(x)1=2xf(x2)f(x)\frac{d}{dx} \int_x^{x^2} f(t) dt = f(x^2) \cdot 2x - f(x) \cdot 1 = 2x f(x^2) - f(x)
となります。
(2) 0x+1xf(t)dt\int_0^{x+1} x f(t) dtの微分
この場合は、xxが積分記号の外にあるので、まず積分記号の外に出します。
0x+1xf(t)dt=x0x+1f(t)dt\int_0^{x+1} x f(t) dt = x \int_0^{x+1} f(t) dt
次に、積の微分公式ddx(u(x)v(x))=u(x)v(x)+u(x)v(x)\frac{d}{dx} (u(x) v(x)) = u'(x) v(x) + u(x) v'(x)を使います。
ここで、u(x)=xu(x) = x, v(x)=0x+1f(t)dtv(x) = \int_0^{x+1} f(t) dtです。
u(x)=1u'(x) = 1, v(x)=f(x+1)1=f(x+1)v'(x) = f(x+1) \cdot 1 = f(x+1)(微積分学の基本定理より)
したがって、
ddx(x0x+1f(t)dt)=10x+1f(t)dt+xf(x+1)\frac{d}{dx} \left( x \int_0^{x+1} f(t) dt \right) = 1 \cdot \int_0^{x+1} f(t) dt + x \cdot f(x+1)
=0x+1f(t)dt+xf(x+1)=\int_0^{x+1} f(t) dt + xf(x+1)

3. 最終的な答え

(1) 2xf(x2)f(x)2x f(x^2) - f(x)
(2) 0x+1f(t)dt+xf(x+1)\int_0^{x+1} f(t) dt + xf(x+1)

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