領域 $D$ が $|x| + |y| \leq 1$ で定義されるとき、二重積分 $\iint_D xy \, dxdy$ を計算せよ。

解析学二重積分積分領域対称性奇関数
2025/7/23

1. 問題の内容

領域 DDx+y1|x| + |y| \leq 1 で定義されるとき、二重積分 Dxydxdy\iint_D xy \, dxdy を計算せよ。

2. 解き方の手順

まず、積分領域 DD を考えます。x+y1|x| + |y| \leq 1 は、x-y平面上のひし形を表します。具体的には、以下の4つの直線で囲まれた領域です。
\begin{itemize}
\item x+y=1x + y = 1
\item x+y=1-x + y = 1
\item xy=1x - y = 1
\item xy=1-x - y = 1
\end{itemize}
この領域での二重積分 Dxydxdy\iint_D xy \, dxdy を計算します。領域 DDxx 軸と yy 軸に関して対称であるため、積分は以下のように分割して考えることができます。
領域 DD は4つの象限に分割できます。積分関数 xyxy は、xxyy の両方が奇関数であるため、第1象限の積分と第3象限の積分は符号が同じで絶対値が等しく、第2象限の積分と第4象限の積分は符号が同じで絶対値が等しくなります。さらに、第1象限の積分と第4象限の積分は符号が逆で絶対値が等しく、第2象限の積分と第3象限の積分は符号が逆で絶対値が等しくなります。したがって、領域全体での積分は 0 になります。
厳密に計算する場合は、積分を4つの領域に分割して計算します。
\begin{itemize}
\item 第1象限: 0x10 \leq x \leq 1, 0y1x0 \leq y \leq 1-x
\item 第2象限: 1x0-1 \leq x \leq 0, 0y1+x0 \leq y \leq 1+x
\item 第3象限: 1x0-1 \leq x \leq 0, 1xy0-1-x \leq y \leq 0
\item 第4象限: 0x10 \leq x \leq 1, 1+xy0-1+x \leq y \leq 0
\end{itemize}
したがって、積分は以下のようになります。
Dxydxdy=0101xxydydx+1001+xxydydx+101x0xydydx+011+x0xydydx \iint_D xy \, dxdy = \int_0^1 \int_0^{1-x} xy \, dy dx + \int_{-1}^0 \int_0^{1+x} xy \, dy dx + \int_{-1}^0 \int_{-1-x}^0 xy \, dy dx + \int_0^1 \int_{-1+x}^0 xy \, dy dx
しかし、xyxy は奇関数であり、積分領域は xx 軸、yy 軸に関して対称なので、積分は 0 になります。

3. 最終的な答え

0

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