## 問題の回答

数論一次不定方程式整数の性質互いに素極限
2025/7/23
## 問題の回答
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1. 問題の内容

問題2は、整数 x,yx, y が一次不定方程式 5x+2y=7n5x + 2y = 7^n を満たすときの性質について考察する問題です。具体的には、
(1) 与えられた方程式の整数解をすべて求め、
(2) xxyy が互いに素でないならば、xxyy はともに 77 の倍数であることを示し、
(3) x0x \geq 0 かつ y0y \geq 0 を満たす整数の組 (x,y)(x, y) のうち、xxyy が互いに素であるものの個数を pnp_n とするとき、limnpn7n\lim_{n \to \infty} \frac{p_n}{7^n} を求める、という3つの小問から構成されています。
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2. 解き方の手順

**(1) 与えられた方程式の整数解をすべて求める**
まず、5x+2y=7n5x + 2y = 7^n の特殊解を求めます。x=7n1,y=7n1x = 7^{n-1}, y = 7^{n-1} とすると 57n1+27n1=77n1=7n5 \cdot 7^{n-1} + 2 \cdot 7^{n-1} = 7 \cdot 7^{n-1} = 7^n なので、(x,y)=(7n1,7n1)(x, y) = (7^{n-1}, 7^{n-1}) は解の一つです。
次に、一般解を求めます。5x+2y=7n5x + 2y = 7^n より、
5x+2y=57n1+27n15x + 2y = 5 \cdot 7^{n-1} + 2 \cdot 7^{n-1}
5(x7n1)=2(y7n1)5(x - 7^{n-1}) = -2(y - 7^{n-1})
5522 は互いに素なので、x7n1=2kx - 7^{n-1} = 2k となる整数 kk が存在します。このとき、y7n1=5ky - 7^{n-1} = -5k となります。
したがって、一般解は
x=7n1+2kx = 7^{n-1} + 2k
y=7n15ky = 7^{n-1} - 5k
となります。(kkは任意の整数)
**(2) xとyが互いに素でないならば、xとyはともに7の倍数であることを示す**
x=7n1+2kx = 7^{n-1} + 2k, y=7n15ky = 7^{n-1} - 5k とします。
xxyy が互いに素でないと仮定します。すると、ある素数 pp が存在して、xxyypp で割り切れます。
xxyy の差を考えると、xy=(7n1+2k)(7n15k)=7kx - y = (7^{n-1} + 2k) - (7^{n-1} - 5k) = 7k となります。
xxyypp で割り切れるならば、xyx - ypp で割り切れるので、7k7kpp で割り切れます。
したがって、p=7p = 7 または kkpp で割り切れるかのいずれかです。
(i) p=7p = 7 のとき、x=7n1+2kx = 7^{n-1} + 2k が7の倍数であるためには、2k2kが7の倍数でなければなりません。2277 は互いに素なので、kk は 7 の倍数である必要があります。k=7lk = 7l とおくと、x=7n1+14l=7(7n2+2l)x = 7^{n-1} + 14l = 7(7^{n-2} + 2l) であり、y=7n135l=7(7n25l)y = 7^{n-1} - 35l = 7(7^{n-2} - 5l) となります。よって、xxyy77 の倍数です。
(ii) kkpp で割り切れるとき、pp77 と異なる素数であるとします。k=pmk = pm とおくと、x=7n1+2pmx = 7^{n-1} + 2pmpp で割り切れるので、7n17^{n-1}pp で割り切れる必要があります。これは、pp77 と異なる素数であることに矛盾します。
したがって、xxyy が互いに素でないならば、xxyy はともに 77 の倍数であることが示されました。
**(3) 極限 limnpn7n\lim_{n \to \infty} \frac{p_n}{7^n} を求める**
x0,y0x \geq 0, y \geq 0 を満たす整数の組 (x,y)(x, y) を考えます。
x=7n1+2k0k7n12x = 7^{n-1} + 2k \geq 0 \Leftrightarrow k \geq -\frac{7^{n-1}}{2}
y=7n15k0k7n15y = 7^{n-1} - 5k \geq 0 \Leftrightarrow k \leq \frac{7^{n-1}}{5}
したがって、7n12k7n15-\frac{7^{n-1}}{2} \leq k \leq \frac{7^{n-1}}{5} となります。kk は整数なので、取りうる kk の個数は、
7n157n12+1=7n15+7n12+1\lfloor \frac{7^{n-1}}{5} \rfloor - \lceil -\frac{7^{n-1}}{2} \rceil + 1 = \lfloor \frac{7^{n-1}}{5} \rfloor + \lfloor \frac{7^{n-1}}{2} \rfloor + 1 となります。
xxyy が互いに素であるための条件は、上記のすべての解から、xxyy がともに7の倍数となる解を除外することです。
xxyy がともに7の倍数であるとき、x=7(7n2+2l)0l7n22x = 7(7^{n-2} + 2l) \geq 0 \Leftrightarrow l \geq -\frac{7^{n-2}}{2}
y=7(7n25l)0l7n25y = 7(7^{n-2} - 5l) \geq 0 \Leftrightarrow l \leq \frac{7^{n-2}}{5}
したがって、ll の取りうる個数は、7n25+7n22+1\lfloor \frac{7^{n-2}}{5} \rfloor + \lfloor \frac{7^{n-2}}{2} \rfloor + 1 となります。
x0x \ge 0 かつ y0y \ge 0 となる整数の組の総数をNnN_nとすると、
Nn=7n15+7n12+1N_n = \lfloor \frac{7^{n-1}}{5} \rfloor + \lfloor \frac{7^{n-1}}{2} \rfloor + 1
xxyyが互いに素な整数の組の個数をpnp_nとすると、
pn=7n15+7n12+1(7n25+7n22+1)p_n = \lfloor \frac{7^{n-1}}{5} \rfloor + \lfloor \frac{7^{n-1}}{2} \rfloor + 1 - (\lfloor \frac{7^{n-2}}{5} \rfloor + \lfloor \frac{7^{n-2}}{2} \rfloor + 1)
nn が大きくなるにつれて、整数部分を無視できるので、
Nn7n15+7n12=12107n1=6357nN_n \approx \frac{7^{n-1}}{5} + \frac{7^{n-1}}{2} = \frac{12}{10} 7^{n-1} = \frac{6}{35} 7^n
Nn17n25+7n22=12107n2=62457nN_{n-1} \approx \frac{7^{n-2}}{5} + \frac{7^{n-2}}{2} = \frac{12}{10} 7^{n-2} = \frac{6}{245} 7^n
pn=NnNn1=6357n62457n=4262457n=362457np_n = N_n - N_{n-1} = \frac{6}{35} 7^n - \frac{6}{245} 7^n = \frac{42 - 6}{245} 7^n = \frac{36}{245} 7^n
limnpn7n=limn362457n7n=36245\lim_{n \to \infty} \frac{p_n}{7^n} = \lim_{n \to \infty} \frac{\frac{36}{245} 7^n}{7^n} = \frac{36}{245}
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3. 最終的な答え

(1) (x,y)=(7n1+2k,7n15k)(x, y) = (7^{n-1} + 2k, 7^{n-1} - 5k) (kは任意の整数)
(2) 証明は上記参照
(3) limnpn7n=36245\lim_{n \to \infty} \frac{p_n}{7^n} = \frac{36}{245}

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