以下の行列式の値が0となるような $a$ をすべて求める問題です。 $\begin{vmatrix} a & 2 & 2 & 2 \\ 2 & a & 2 & 2 \\ 2 & 2 & a & 2 \\ 2 & 2 & 2 & a \end{vmatrix} = 0$

## 問題4

1. 問題の内容

以下の行列式の値が0となるような $a$ をすべて求める問題です。

$\begin{vmatrix} a & 2 & 2 & 2 \\ 2 & a & 2 & 2 \\ 2 & 2 & a & 2 \\ 2 & 2 & 2 & a \end{vmatrix} = 0$

2. 解き方の手順

行列式を計算するために、まず行または列に関する基本変形を行います。

1行目から2行目, 3行目, 4行目を引くと、以下のようになります。

$\begin{vmatrix} a & 2 & 2 & 2 \\ 2-a & a-2 & 0 & 0 \\ 2-a & 0 & a-2 & 0 \\ 2-a & 0 & 0 & a-2 \end{vmatrix} = 0$

1列目に2列目、3列目、4列目を加えると、以下のようになります。

$\begin{vmatrix} a+6 & 2 & 2 & 2 \\ 2-a & a-2 & 0 & 0 \\ 2-a & 0 & a-2 & 0 \\ 2-a & 0 & 0 & a-2 \end{vmatrix} = 0$

1列目で展開すると、

$(a+6)\begin{vmatrix} a-2 & 0 & 0 \\ 0 & a-2 & 0 \\ 0 & 0 & a-2 \end{vmatrix} - (2-a)\begin{vmatrix} 2 & 2 & 2 \\ 0 & a-2 & 0 \\ 0 & 0 & a-2 \end{vmatrix} + (2-a)\begin{vmatrix} 2 & 2 & 2 \\ a-2 & 0 & 0 \\ 0 & 0 & a-2 \end{vmatrix} - (2-a)\begin{vmatrix} 2 & 2 & 2 \\ a-2 & 0 & 0 \\ 0 & a-2 & 0 \end{vmatrix}=0$

$(a+6)(a-2)^3 -(2-a)2(a-2)^2+(2-a)2(a-2)^2 -(2-a)2(a-2)^2=0$

$(a+6)(a-2)^3 -(2-a)2(a-2)^2+(2-a)2(a-2)^2 -(2-a)2(a-2)^2 = (a-2)^2[(a+6)(a-2) - 2(2-a)] = (a-2)^2[a^2+4a-12-4+2a] = (a-2)^2[a^2+6a-16]= (a-2)^2(a-2)(a+8)=(a-2)^3(a+8)=0$

よって $a = 2$ または $a = -8$

3. 最終的な答え

$a = 2, -8$

## 問題5

1. 問題の内容

行列 $A = \begin{bmatrix} a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ a_{21} & a_{22} & a_{23} \\ a_{31} & a_{32} & a_{33} \end{bmatrix}$ と、その余因子行列の転置 $B = \begin{bmatrix} A_{11} & A_{21} & A_{31} \\ A_{12} & A_{22} & A_{32} \\ A_{13} & A_{23} & A_{33} \end{bmatrix}$ が与えられているとき、行列の積 $AB$ の (2,2) 成分を2行2列の行列式で表し、(1,3)成分の値を求める問題です。ただし、$A_{ij}$は行列$A$の$(i, j)$余因子を表します。

2. 解き方の手順

(1) 行列$AB$の(2,2)成分は、Aの2行目とBの2列目の内積で求められます。

$(AB)_{22} = a_{21}A_{21} + a_{22}A_{22} + a_{23}A_{23}$

これは、$A$の2行目に関する余因子展開に他なりません。

$AB = A\tilde{A}$とすると、$\tilde{A}$は余因子行列の転置(随伴行列)であるから、$A\tilde{A}=|A|E$。

$AB$は対角成分が$|A|$となる対角行列。したがって、$(AB)_{22} = |A|$.

$|A| = a_{11}A_{11} + a_{12}A_{12} + a_{13}A_{13} = a_{21}A_{21} + a_{22}A_{22} + a_{23}A_{23} = a_{31}A_{31} + a_{32}A_{32} + a_{33}A_{33}$

$a_{21}A_{21} + a_{22}A_{22} + a_{23}A_{23} = |A|$なので、

$AB$の2行2列成分は$|A|$.

(2) 行列$AB$の(1,3)成分は、Aの1行目とBの3列目の内積で求められます。

$(AB)_{13} = a_{11}A_{31} + a_{12}A_{32} + a_{13}A_{33}$

これは、$A$の1行目と3行目の余因子を用いた展開であり、異なる行に関する余因子展開なので、0となります。

$(AB)_{13} = 0$

3. 最終的な答え

(1) $AB$の2行2列成分は $|A|$

(2) $AB$の1行3列成分は 0

## 問題6

1. 問題の内容

以下の連立一次方程式をクラメルの公式を用いて解く問題です。

$\begin{cases} 2x - y + z = 2 \\ -x + 2z = -3 \\ x - y + z = -2 \end{cases}$

2. 解き方の手順

クラメルの公式を用いるために、まず係数行列とその行列式を計算します。

係数行列は $A = \begin{bmatrix} 2 & -1 & 1 \\ -1 & 0 & 2 \\ 1 & -1 & 1 \end{bmatrix}$

行列式は $|A| = 2(0 - (-2)) - (-1)(-1 - 2) + 1(1 - 0) = 4 - 3 + 1 = 2$

次に、$x, y, z$ を求めるために、それぞれの変数に対応する列を定数ベクトルで置き換えた行列の行列式を計算します。

$|A_x| = \begin{vmatrix} 2 & -1 & 1 \\ -3 & 0 & 2 \\ -2 & -1 & 1 \end{vmatrix} = 2(0 - (-2)) - (-1)(-3 - (-4)) + 1(3 - 0) = 4 - 1 + 3 = 6$

$|A_y| = \begin{vmatrix} 2 & 2 & 1 \\ -1 & -3 & 2 \\ 1 & -2 & 1 \end{vmatrix} = 2(-3 - (-4)) - 2(-1 - 2) + 1(2 - (-3)) = 2 + 6 + 5 = 13$

$|A_z| = \begin{vmatrix} 2 & -1 & 2 \\ -1 & 0 & -3 \\ 1 & -1 & -2 \end{vmatrix} = 2(0 - 3) - (-1)(2 - (-3)) + 2(1 - 0) = -6 + 5 + 2 = 1$

クラメルの公式より、

$x = \frac{|A_x|}{|A|} = \frac{6}{2} = 3$

$y = \frac{|A_y|}{|A|} = \frac{13}{2}$

$z = \frac{|A_z|}{|A|} = \frac{1}{2}$

3. 最終的な答え

$x = 3, y = \frac{13}{2}, z = \frac{1}{2}$