行列 $E-X$ が正則であるとき、以下の式が成り立つことを示す問題です。ただし、$k$ は正の整数です。 $E + X + X^2 + \dots + X^k = (E-X)^{-1}(E - X^{k+1}) = (X^{k+1}-E)(X-E)^{-1}$

1. 問題の内容

行列 $E-X$ が正則であるとき、以下の式が成り立つことを示す問題です。ただし、$k$ は正の整数です。

$E + X + X^2 + \dots + X^k = (E-X)^{-1}(E - X^{k+1}) = (X^{k+1}-E)(X-E)^{-1}$

2. 解き方の手順

まず、$E + X + X^2 + \dots + X^k = S$ とおきます。

$S$ に $(E-X)$ を左から掛けてみます。

$(E-X)S = (E-X)(E + X + X^2 + \dots + X^k)$

$= E(E + X + X^2 + \dots + X^k) - X(E + X + X^2 + \dots + X^k)$

$= (E + X + X^2 + \dots + X^k) - (X + X^2 + X^3 + \dots + X^{k+1})$

$= E - X^{k+1}$

したがって、

$(E-X)S = E - X^{k+1}$

$E-X$ が正則なので、両辺に $(E-X)^{-1}$ を左から掛けると、

$(E-X)^{-1}(E-X)S = (E-X)^{-1}(E - X^{k+1})$

$S = (E-X)^{-1}(E - X^{k+1})$

同様に、Sに$(X-E)$を右から掛けてみます。

$S(X-E) = (E + X + X^2 + \dots + X^k)(X-E)$

$= (E + X + X^2 + \dots + X^k)X - (E + X + X^2 + \dots + X^k)E$

$= (X + X^2 + X^3 + \dots + X^{k+1}) - (E + X + X^2 + \dots + X^k)$

$= X^{k+1} - E$

したがって、

$S(X-E) = X^{k+1} - E$

$E-X$ が正則なので、$X-E$ も正則であり、両辺に $(X-E)^{-1}$ を右から掛けると、

$S(X-E)(X-E)^{-1} = (X^{k+1} - E)(X-E)^{-1}$

$S = (X^{k+1} - E)(X-E)^{-1}$

以上より、$E + X + X^2 + \dots + X^k = (E-X)^{-1}(E - X^{k+1}) = (X^{k+1}-E)(X-E)^{-1}$ が示されました。

3. 最終的な答え

$E + X + X^2 + \dots + X^k = (E-X)^{-1}(E - X^{k+1}) = (X^{k+1}-E)(X-E)^{-1}$