半径 $a$ の半球の重心を求める問題です。

応用数学重心積分体積球座標物理
2025/7/24

1. 問題の内容

半径 aa の半球の重心を求める問題です。

2. 解き方の手順

半球の重心を求めるには、積分を用いる必要があります。半球の中心を原点とし、z軸を対称軸とする座標系を考えます。半球の密度が均一であると仮定します。
半球の体積を VV とすると、V=23πa3V = \frac{2}{3}\pi a^3 です。
重心のz座標 zcz_c は、次の式で求められます。
zc=1VzdVz_c = \frac{1}{V} \int z dV
ここで、dVdV は微小体積要素を表します。球座標系 (r,θ,ϕ)(r, \theta, \phi) を用いると、dV=r2sinθdrdθdϕdV = r^2 \sin\theta dr d\theta d\phi となります。半球なので、積分範囲は 0ra0 \le r \le a, 0θπ20 \le \theta \le \frac{\pi}{2}, 0ϕ2π0 \le \phi \le 2\pi となります。また、z=rcosθz = r \cos\theta なので、
zc=1V0a0π/202π(rcosθ)r2sinθdrdθdϕz_c = \frac{1}{V} \int_0^a \int_0^{\pi/2} \int_0^{2\pi} (r \cos\theta) r^2 \sin\theta dr d\theta d\phi
zc=1V0ar3dr0π/2cosθsinθdθ02πdϕz_c = \frac{1}{V} \int_0^a r^3 dr \int_0^{\pi/2} \cos\theta \sin\theta d\theta \int_0^{2\pi} d\phi
それぞれの積分を計算します。
0ar3dr=a44\int_0^a r^3 dr = \frac{a^4}{4}
0π/2cosθsinθdθ=120π/2sin(2θ)dθ=12[12cos(2θ)]0π/2=12[12(1)+12(1)]=12\int_0^{\pi/2} \cos\theta \sin\theta d\theta = \frac{1}{2} \int_0^{\pi/2} \sin(2\theta) d\theta = \frac{1}{2} \left[-\frac{1}{2} \cos(2\theta)\right]_0^{\pi/2} = \frac{1}{2} \left[-\frac{1}{2}(-1) + \frac{1}{2}(1)\right] = \frac{1}{2}
02πdϕ=2π\int_0^{2\pi} d\phi = 2\pi
したがって、
zc=1V(a44)(12)(2π)=123πa3πa44=32πa3πa44=3a8z_c = \frac{1}{V} \left( \frac{a^4}{4} \right) \left( \frac{1}{2} \right) (2\pi) = \frac{1}{\frac{2}{3}\pi a^3} \frac{\pi a^4}{4} = \frac{3}{2\pi a^3} \frac{\pi a^4}{4} = \frac{3a}{8}
重心の x座標と y座標は、対称性から 0 となります。

3. 最終的な答え

半径 aa の半球の重心は、半球の中心から対称軸に沿って 3a8\frac{3a}{8} の位置にあります。

「応用数学」の関連問題

ベクトル場 $\mathbf{r} = x\mathbf{i} + y\mathbf{j} + z\mathbf{k}$ の回転 $\nabla \times \mathbf{r}$ を求める問題です...

ベクトル解析回転勾配偏微分
2025/7/25

ベクトル場 $\frac{\mathbf{r}}{r^3}$ (ただし $\mathbf{r} \neq \mathbf{0}$) の発散 $\nabla \cdot \frac{\mathbf{r}...

ベクトル解析発散勾配偏微分ベクトル場
2025/7/25

Aさんは駅から右方向に進み、20日で同じ駅に戻る。Bさんは駅から左方向に進み、10日で同じ駅に戻る。運行本数と運行間隔が同じであるとき、AさんとBさんはいつ出会うか?

速さ距離旅人算
2025/7/25

ニュートンの冷却法則に関する問題です。ある物体の温度変化が $\frac{dT}{dt} = -k(T - T_0)$ で与えられています。ここで、$T$ は物体の温度、$T_0$ は周囲の温度、$k...

微分方程式ニュートンの冷却法則放射性炭素年代測定指数関数半減期
2025/7/25

全長500mの列車が、ある観測者に対して $0.8c$ の速度で走ってくる。観測者がこの列車の長さを何mとして測定するかを求める問題。ここで $c$ は真空中の光速とする。ローレンツ収縮を考慮する必要...

相対性理論ローレンツ収縮物理学計算
2025/7/25

長さの収縮の公式が与えられており、$v = 0.8c$ のときの $L'$ を求める問題です。

相対性理論長さの収縮平方根物理
2025/7/25

磁束密度 $B$ の空間中を速度 $v$ で移動する荷電粒子の運動方程式が $m\frac{dv}{dt} = qv \times B$ で与えられている。ここで、$m$ は粒子の質量、$q$ は電荷...

運動方程式ベクトル微分方程式電磁気学ローレンツ力
2025/7/25

磁束密度 $B$ の空間中を速度 $v$ で移動する荷電粒子の運動方程式 $m\frac{dv}{dt} = qv \times B$ が与えられている。ここで、$m$ は荷電粒子の質量、$q$ は電...

運動方程式ベクトル解析微分方程式電磁気学
2025/7/25

問題は、特殊相対性理論における時間の遅れに関するものです。ある座標系で測定された時間 $t$ を用いて、別の相対的に運動する座標系で測定される時間 $t'$ を計算します。与えられた式は、 $t' =...

特殊相対性理論時間の遅れ物理学数値計算相対論
2025/7/25

問題は、ベクトル場、位置ベクトル、電荷密度に関する3つの問題から構成されています。 * 問題1は、与えられたベクトル場 $\mathbf{A} = k\frac{\mathbf{r}}{r^3}$...

ベクトル解析ガウスの発散定理電磁気学積分ベクトル場電荷密度
2025/7/25