関数 $f(x) = (2-x)|x+1|$ が与えられています。区間 $t \le x \le t+1$ における $f(x)$ の最大値を $g(t)$ とします。 (1) $y=f(x)$ のグラフの概形を描きます。 (2) 最大値 $g(t)$ を与える $x$ の値が2つあるときの $t$ の値を求めます。 (3) $g(t) = f(t)$ を満たす $t$ の範囲を求めます。

解析学関数の最大値絶対値グラフの概形放物線
2025/7/24

1. 問題の内容

関数 f(x)=(2x)x+1f(x) = (2-x)|x+1| が与えられています。区間 txt+1t \le x \le t+1 における f(x)f(x) の最大値を g(t)g(t) とします。
(1) y=f(x)y=f(x) のグラフの概形を描きます。
(2) 最大値 g(t)g(t) を与える xx の値が2つあるときの tt の値を求めます。
(3) g(t)=f(t)g(t) = f(t) を満たす tt の範囲を求めます。

2. 解き方の手順

(1) y=f(x)y=f(x) のグラフの概形を描きます。
まず、x+1|x+1| の絶対値を外します。
x1x \ge -1 のとき、f(x)=(2x)(x+1)=x2+x+2=(x12)2+94f(x) = (2-x)(x+1) = -x^2 + x + 2 = -(x - \frac{1}{2})^2 + \frac{9}{4}
x<1x < -1 のとき、f(x)=(2x)(x1)=x2x2=(x12)294f(x) = (2-x)(-x-1) = x^2 - x - 2 = (x - \frac{1}{2})^2 - \frac{9}{4}
x1x \ge -1 のとき、上に凸な放物線で、頂点は (12,94)(\frac{1}{2}, \frac{9}{4}) です。
x<1x < -1 のとき、下に凸な放物線で、頂点は (12,94)(\frac{1}{2}, -\frac{9}{4}) です。
x=1x = -1f(x)=0f(x) = 0 となります。また、f(2)=0f(2) = 0 でもあります。
(2) 最大値 g(t)g(t) を与える xx の値が2つあるときの tt の値を求めます。
f(x)f(x) のグラフの概形から、x1x \ge -1 の部分で上に凸な放物線であり、頂点は (12,94)(\frac{1}{2}, \frac{9}{4}) です。区間 txt+1t \le x \le t+1 での最大値 g(t)g(t) を考えます。最大値を与える xx の値が2つあるのは、区間 txt+1t \le x \le t+1x=12x=\frac{1}{2} を含むときです。
区間の両端で同じ値を取る場合が考えられます。
t12t+1t \le \frac{1}{2} \le t+1 より、1/2t1/2-1/2 \le t \le 1/2
軸が区間の中央にくる場合を考える.
t+(t+1)=2t+1t + (t+1) = 2t + 1, (2t+1)/2=1/2(2t+1)/2 = 1/2 となる場合がある.
f(t)=f(t+1)f(t) = f(t+1) となる場合、t<1t < -1 の場合、
(2t)(t1)=(2(t+1))(t+1+1)=(1t)(t+2)(2-t)(-t-1) = (2-(t+1))(t+1+1) = (1-t)(t+2)
2t2+t2+t=t+2t22t-2t - 2 + t^2 + t = t + 2 - t^2 - 2t
2t2=42t^2 = 4, t2=2t^2 = 2
t=2t = -\sqrt{2} (t<1t < -1 の条件を満たす。)
このとき、g(t)=f(t)=f(t+1)g(t) = f(t) = f(t+1) であり、x=t,t+1x=t, t+1 で最大値を取ります。
したがって、t=2t = -\sqrt{2}
(3) g(t)=f(t)g(t) = f(t) を満たす tt の範囲を求めます。
ttx=1x=-1 以上であれば、txt+1t \le x \le t+1 の区間の左端で最大値をとることは、f(x)f(x) のグラフの概形からあり得ます。
g(t)=f(t)g(t) = f(t) となるのは、t+11t+1 \le -1 つまり、t2t \le -2 のときです.
また、t+12t+1 \ge 2 つまり t1t \ge 1 のとき、g(t)=f(t)g(t) = f(t) です。
t2t \le -\sqrt{2} でもg(t)=f(t)g(t)=f(t)なので、t=2t = -\sqrt{2}も範囲に入る。
また、x1x \ge -1 で考える.軸1/21/2を含まない範囲を考えると、t+1<1/2t+1 < 1/2つまりt<1/2t< -1/2のとき,txt+1t \le x \le t+1で減少するので,g(t)=f(t)g(t) = f(t)となり得る.
t>1/2t > 1/2であれば、txt+1t \le x \le t+1 で増加するので,g(t)=f(t+1)g(t) = f(t+1)となり、g(t)f(t)g(t) \neq f(t)

3. 最終的な答え

(1) グラフの概形は、x < -1 で下に凸、x >= -1 で上に凸の放物線です。
(2) t=2t = -\sqrt{2}
(3) t2t \le -\sqrt{2} , t1t \ge 1

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