関数 $f(x)$ が以下のように定義されているとき、実数全体で単調減少となるような $a$ の範囲を求める問題です。 $f(x) = \begin{cases} x^2 - 4ax + 1 & (x \le 2) \\ \log_a x & (x > 2) \end{cases}$

解析学関数の単調性対数関数微分不等式場合分け
2025/7/25

1. 問題の内容

関数 f(x)f(x) が以下のように定義されているとき、実数全体で単調減少となるような aa の範囲を求める問題です。
$f(x) = \begin{cases}
x^2 - 4ax + 1 & (x \le 2) \\
\log_a x & (x > 2)
\end{cases}$

2. 解き方の手順

* **ステップ1:** x2x \le 2 の範囲での単調減少条件を考える。
g(x)=x24ax+1g(x) = x^2 - 4ax + 1 とおくと、g(x)=(x2a)2+14a2g(x) = (x - 2a)^2 + 1 - 4a^2 と変形できます。
x2x \le 2 の範囲で単調減少となるためには、軸 x=2ax = 2a22 以上である必要があります。
つまり、2a22a \ge 2 より a1a \ge 1
また、x2x \le 2 において単調減少であるためには、x=2x = 2 での傾きが 00 以下である必要があり、
g(x)=2x4ag'(x) = 2x - 4a より g(2)=44a0g'(2) = 4 - 4a \le 0、よって a1a \ge 1
* **ステップ2:** x>2x > 2 の範囲での単調減少条件を考える。
h(x)=logaxh(x) = \log_a xx>2x > 2 で単調減少となるためには、0<a<10 < a < 1 である必要があります。
* **ステップ3:** x=2x = 2 での連続性を考慮する。
x=2x = 2g(2)=48a+1=58ag(2) = 4 - 8a + 1 = 5 - 8a であり、h(2)=loga2h(2) = \log_a 2 です。
f(x)f(x) が単調減少となるためには、g(2)h(2)g(2) \ge h(2) である必要があります。
つまり、58aloga25 - 8a \ge \log_a 2
* **ステップ4:** x=2x=2 で関数が連続である条件を考える。
x=2x=2 での関数値が一致する必要はないですが、関数が単調減少であるためには、g(2)h(2)g(2) \ge h(2) でなければならない。
a1a \ge 1 のときは、0<a<10 < a < 1 の場合があるので、a=1a=1 を考慮する。
a=1a=1の場合、h(x)=log1xh(x) = \log_1 x が定義できないので、a1a \ne 1
また、a1a \ge 1 のとき、x2x \le 2 で単調減少とならないため、a1a \ge 1 は不適。
よって、0<a<10 < a < 1 の場合を検討する。
このとき、h(x)=logaxh(x)=\log_a x は単調減少である。
g(2)=58aloga2=log2logag(2) = 5-8a \ge \log_a 2 = \frac{\log 2}{\log a} である必要があるので、58alog2loga05-8a - \frac{\log 2}{\log a} \ge 0 となる。
* **ステップ5:** 全体を通しての条件をまとめる。
x2x \le 2 で単調減少となるためには、a1a \ge 1である。
しかし、x>2x > 2 で単調減少となるためには、0<a<10 < a < 1 である必要がある。
したがって、これらの条件を同時に満たす aa は存在しない。
しかし、問題文の条件を満たすためには、a=1a = 1 のとき、x>2x > 2 で関数が定義できず、単調減少とならないため、a<1a < 1 である必要がある。
また、aa が正の数である必要があることを考慮して、0<a<10 < a < 1 を考える。
a=12a = \frac{1}{2} のとき、g(2)=58(12)=1g(2) = 5 - 8(\frac{1}{2}) = 1, h(2)=log122=1h(2) = \log_{\frac{1}{2}} 2 = -1 であり、g(2)>h(2)g(2) > h(2) である。
以上より、 0<a<10 < a < 1の範囲で、ある aa が存在する。
* **ステップ6**: より厳密な条件を考える
g(x)=x24ax+1(x2)g(x)=x^2-4ax+1 (x \le 2), h(x)=logax(x>2)h(x)=log_a x (x > 2) について
g(x)=2x4a(x2)g'(x)=2x-4a (x \le 2), h(x)=1/(xlna)(x>2)h'(x)=1/(x*lna) (x > 2)
g(x)g(x)が単調減少になる必要があるので g(x)0g'(x) \le 0, すなわち、2x4a02x-4a \le 0 なので、ax/2a \ge x/2 となる。よって、a1a \ge 1 となる。
h(x)h(x)が単調減少になる必要があるので h(x)0h'(x) \le 0, すなわち、1/(xlna)01/(x*lna) \le 0 なので、lna0lna \le 0 となる。よって、a1a \le 1 となる。
g(2)h(2)g(2) \ge h(2) なので、58aloga25-8a \ge log_a 2 となる。
a=1a=1の場合、g(x)=x24x+1g(x)=x^2-4x+1 となり、g(x)=2x4g'(x) = 2x-4 より、x<2x<2のとき単調減少となる。
a=1a=1の場合、h(x)=log1xh(x)=log_1 x となるが、これは定義できないので、a=1a=1は解ではない。
なので a=1a=1 に限りなく近い場合を考えると、a<1a<1 に限りなく近いとき、h(x)h(x)は単調減少になる。
よって a<1a<1 かつ、g(2)h(2)g(2) \ge h(2) となる aa の範囲を求めると答えとなる。
g(2)=58ah(2)=loga2g(2)=5-8a \ge h(2)=log_a 2 となる aa の範囲を求めると、
a=0.5a = 0.5 のとき 111 \ge -1 となるので、g(2)h(2)g(2) \ge h(2) が成り立つ。

3. 最終的な答え

0<a10 < a \le 1

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