20個の品物の中に3個の不良品がある。この中から4個を取り出すとき、その中に含まれる不良品の個数の期待値を求める。

確率論・統計学期待値確率変数組み合わせ
2025/7/24

1. 問題の内容

20個の品物の中に3個の不良品がある。この中から4個を取り出すとき、その中に含まれる不良品の個数の期待値を求める。

2. 解き方の手順

不良品の個数を表す確率変数を XX とします。
XX が取りうる値は0, 1, 2, 3です。
期待値 E(X)E(X) は、それぞれの取りうる値にその値を取る確率を掛けて足し合わせたものです。
E(X)=0P(X=0)+1P(X=1)+2P(X=2)+3P(X=3)E(X) = 0 \cdot P(X=0) + 1 \cdot P(X=1) + 2 \cdot P(X=2) + 3 \cdot P(X=3)
各確率を計算します。
全事象は20個から4個を取り出す組み合わせなので、20C4=20×19×18×174×3×2×1=4845{}_{20}C_4 = \frac{20 \times 19 \times 18 \times 17}{4 \times 3 \times 2 \times 1} = 4845 通りです。
P(X=0)P(X=0): 4個とも良品である確率。良品は17個なので、17C4=17×16×15×144×3×2×1=2380{}_{17}C_4 = \frac{17 \times 16 \times 15 \times 14}{4 \times 3 \times 2 \times 1} = 2380 通り。
P(X=0)=17C420C4=23804845P(X=0) = \frac{{}_{17}C_4}{{}_{20}C_4} = \frac{2380}{4845}
P(X=1)P(X=1): 不良品が1個、良品が3個である確率。3C1×17C3=3×17×16×153×2×1=3×680=2040{}_3C_1 \times {}_{17}C_3 = 3 \times \frac{17 \times 16 \times 15}{3 \times 2 \times 1} = 3 \times 680 = 2040 通り。
P(X=1)=3C1×17C320C4=20404845P(X=1) = \frac{{}_3C_1 \times {}_{17}C_3}{{}_{20}C_4} = \frac{2040}{4845}
P(X=2)P(X=2): 不良品が2個、良品が2個である確率。3C2×17C2=3×17×162×1=3×136=408{}_3C_2 \times {}_{17}C_2 = 3 \times \frac{17 \times 16}{2 \times 1} = 3 \times 136 = 408 通り。
P(X=2)=3C2×17C220C4=4084845P(X=2) = \frac{{}_3C_2 \times {}_{17}C_2}{{}_{20}C_4} = \frac{408}{4845}
P(X=3)P(X=3): 不良品が3個、良品が1個である確率。3C3×17C1=1×17=17{}_3C_3 \times {}_{17}C_1 = 1 \times 17 = 17 通り。
P(X=3)=3C3×17C120C4=174845P(X=3) = \frac{{}_3C_3 \times {}_{17}C_1}{{}_{20}C_4} = \frac{17}{4845}
期待値を計算します。
E(X)=023804845+120404845+24084845+3174845=2040+816+514845=29074845=9691615=3532332311=0.6E(X) = 0 \cdot \frac{2380}{4845} + 1 \cdot \frac{2040}{4845} + 2 \cdot \frac{408}{4845} + 3 \cdot \frac{17}{4845} = \frac{2040 + 816 + 51}{4845} = \frac{2907}{4845} = \frac{969}{1615} = \frac{3}{5} \cdot \frac{323}{323} \cdot \frac{1}{1}= 0.6
別解として、期待値の線形性を用いる方法があります。
4個取り出すそれぞれについて、それが不良品である確率を考えます。
ある1個が不良品である確率は 320\frac{3}{20} です。
4個取り出すので、期待値は 4×320=1220=35=0.64 \times \frac{3}{20} = \frac{12}{20} = \frac{3}{5} = 0.6

3. 最終的な答え

0.6 個

「確率論・統計学」の関連問題

1 から 6 までの番号がついた 6 個の箱があり、赤、黄、青の玉がそれぞれ 2 個ずつ、合計 6 個あります。 各箱に玉を 1 つずつ入れるとき、隣り合う番号の箱には異なる色の玉が入るようにします。...

場合の数組み合わせ条件付き確率全探索
2025/7/25

問題は2つの部分から構成されています。 I. サイコロを$n$回($n \geq 2$)投げたとき、出た目の最小公倍数を$m$とする。 (1) $m=2$となる確率を求めよ。 (2) $m=4$となる...

確率期待値最小公倍数じゃんけん組み合わせ
2025/7/25

ヒストグラムと度数分布表が与えられており、それらをもとに、データの範囲、中央値、最頻値の相対度数、30点以上の生徒の割合、累積度数と累積相対度数を求める問題です。

ヒストグラム度数分布表範囲中央値最頻値相対度数累積度数累積相対度数
2025/7/25

数直線上に異なる2点A, Bがあり、点MはAからスタートする。以下の規則に従って試行を行う。 * MがAにいるとき、サイコロを振って出た目が偶数ならAにとどまり、そうでなければBに移る。 * ...

確率漸化式確率過程
2025/7/25

数直線上に異なる2点A, Bがある。点MはAからスタートし、以下の規則に従って試行を繰り返す。 - MがAにいるとき、サイコロを振って出た目が偶数ならAにとどまり、そうでなければBに移る。 - MがB...

確率漸化式確率過程等比数列
2025/7/25

AとBの2人がサイコロを投げ合うゲームについて、以下のルールが与えられています。 - Aがサイコロを振るとき、出た目が偶数ならば次の回もAが振る。そうでなければBが振る。 - Bがサイコロを振るとき、...

確率漸化式等比数列確率分布
2025/7/25

AとBがサイコロを投げ合うゲームをする。1回目はAが投げる。Aがサイコロを振ったとき、偶数が出れば次の回もAが投げる。奇数が出れば次はBが投げる。Bがサイコロを振ったとき、1または2が出れば次の回もB...

確率漸化式等比数列
2025/7/25

1個のサイコロを2回投げ、1回目の出目を点P、2回目の出目を点Qとします。偶数の場合は正の符号、奇数の場合は負の符号をつけます。 問1:1回目に6、2回目に1が出た場合のPとQの距離を求めます。 問2...

確率サイコロ確率分布
2025/7/25

1つのサイコロを2回振ります。1回目の出た目を点P、2回目の出た目を点Qとし、それぞれの出た目に対して、偶数なら正の符号、奇数なら負の符号をつけた数を数直線上の点P、Qの座標とします。このとき、点Pと...

確率サイコロ絶対値距離
2025/7/25

1個のサイコロを2回投げます。1回目の出目を点P、2回目の出目を点Qとします。出た目が偶数の場合はその数に正の符号、奇数の場合は負の符号をつけて数直線上に点をとります。点Pと点Qの距離を求めます。

確率サイコロ絶対値距離期待値
2025/7/25