与えられたデータ $x_1, x_2, ..., x_n$ を、$y_i = ax_i + b$ という変換によって新しいデータ $y_1, y_2, ..., y_n$ を得る。ここで、a と b は定数である。以下の3つの問いに答える。 (1) $y$ の平均値 $\bar{y}$ が $\bar{y} = a\bar{x} + b$ で与えられることを示す。ここで $\bar{x}$ は $x$ の平均値である。 (2) $y$ の分散 $s_y^2$ を、$x$ の分散 $s_x^2$ と、$a, b$ の中から必要なものを用いて表す。 (3) $y$ の標準偏差 $s_y$ を、$a, b, \bar{x}, s_x$ の中から必要なものを用いて表す。

確率論・統計学統計平均分散標準偏差データの変換
2025/7/24

1. 問題の内容

与えられたデータ x1,x2,...,xnx_1, x_2, ..., x_n を、yi=axi+by_i = ax_i + b という変換によって新しいデータ y1,y2,...,yny_1, y_2, ..., y_n を得る。ここで、a と b は定数である。以下の3つの問いに答える。
(1) yy の平均値 yˉ\bar{y}yˉ=axˉ+b\bar{y} = a\bar{x} + b で与えられることを示す。ここで xˉ\bar{x}xx の平均値である。
(2) yy の分散 sy2s_y^2 を、xx の分散 sx2s_x^2 と、a,ba, b の中から必要なものを用いて表す。
(3) yy の標準偏差 sys_y を、a,b,xˉ,sxa, b, \bar{x}, s_x の中から必要なものを用いて表す。

2. 解き方の手順

(1) yy の平均値 yˉ\bar{y} を計算する。
yˉ=1ni=1nyi=1ni=1n(axi+b)=1n(ai=1nxi+i=1nb)=1n(ai=1nxi+nb)=a1ni=1nxi+b=axˉ+b\bar{y} = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} y_i = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (ax_i + b) = \frac{1}{n} (a \sum_{i=1}^{n} x_i + \sum_{i=1}^{n} b) = \frac{1}{n} (a \sum_{i=1}^{n} x_i + nb) = a \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} x_i + b = a\bar{x} + b
したがって、yˉ=axˉ+b\bar{y} = a\bar{x} + b である。
(2) yy の分散 sy2s_y^2 を計算する。
sy2=1ni=1n(yiyˉ)2=1ni=1n(axi+b(axˉ+b))2=1ni=1n(axiaxˉ)2=1ni=1na2(xixˉ)2=a21ni=1n(xixˉ)2=a2sx2s_y^2 = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (y_i - \bar{y})^2 = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (ax_i + b - (a\bar{x} + b))^2 = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (ax_i - a\bar{x})^2 = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} a^2 (x_i - \bar{x})^2 = a^2 \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (x_i - \bar{x})^2 = a^2 s_x^2
したがって、sy2=a2sx2s_y^2 = a^2 s_x^2 である。
(3) yy の標準偏差 sys_y を計算する。
sy=sy2=a2sx2=asxs_y = \sqrt{s_y^2} = \sqrt{a^2 s_x^2} = |a| s_x
したがって、sy=asxs_y = |a| s_x である。

3. 最終的な答え

(1) yˉ=axˉ+b\bar{y} = a\bar{x} + b
(2) sy2=a2sx2s_y^2 = a^2 s_x^2
(3) sy=asxs_y = |a| s_x

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