関数 $f(x) = \frac{\sin(x^{10})}{1-x}$ について、以下の問いに答えます。 (1) $\frac{1}{1+x}$ と $\sin x$ のマクローリン展開を利用して、$f(x)$ を最初の3項 + ... の形で表します（昇べきの順）。$f(x)$を整級数で表します。 (2) (1)の結果を利用して、微分係数 $f^{(10)}(0)$ , $f^{(11)}(0)$ の値を求めます。階乗「!」を使って表します。

1. 問題の内容

関数 $f(x) = \frac{\sin(x^{10})}{1-x}$ について、以下の問いに答えます。

(1) $\frac{1}{1+x}$ と $\sin x$ のマクローリン展開を利用して、$f(x)$ を最初の3項 + ... の形で表します（昇べきの順）。$f(x)$を整級数で表します。

(2) (1)の結果を利用して、微分係数 $f^{(10)}(0)$ , $f^{(11)}(0)$ の値を求めます。階乗「!」を使って表します。

2. 解き方の手順

(1)

まず、$\frac{1}{1-x}$ のマクローリン展開を考えます。これは等比数列の和の公式より、

$\frac{1}{1-x} = 1 + x + x^2 + x^3 + ... = \sum_{n=0}^{\infty} x^n$

したがって、$\frac{1}{1-x}$ のマクローリン展開は

$\frac{1}{1-x} = 1+x+x^2+...$

次に、$\sin x$ のマクローリン展開は、

$\sin x = x - \frac{x^3}{3!} + \frac{x^5}{5!} - ...$

よって、$\sin (x^{10})$のマクローリン展開は、

$\sin (x^{10}) = x^{10} - \frac{x^{30}}{3!} + \frac{x^{50}}{5!} - ...$

$f(x) = \frac{\sin(x^{10})}{1-x} = (x^{10} - \frac{x^{30}}{3!} + \frac{x^{50}}{5!} - ...)(1+x+x^2+...)$

最初の3項を求めるので、$x^{10}, x^{11}, x^{12}$ の項を計算します。

$x^{10}$の項は $x^{10} \cdot 1 = x^{10}$

$x^{11}$の項は $x^{10} \cdot x = x^{11}$

$x^{12}$の項は $x^{10} \cdot x^2 = x^{12}$

したがって、

$f(x) = x^{10} + x^{11} + x^{12} + ...$

(2)

マクローリン展開の一般式は、

$f(x) = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{f^{(n)}(0)}{n!}x^n$

したがって、

$f^{(n)}(0) = n! \cdot x^n$ の係数

(1)の結果より、

$f(x) = x^{10} + x^{11} + x^{12} + ...$

$x^{10}$の係数は 1 なので、$\frac{f^{(10)}(0)}{10!} = 1$

したがって、$f^{(10)}(0) = 10!$

$x^{11}$の係数は 1 なので、$\frac{f^{(11)}(0)}{11!} = 1$

したがって、$f^{(11)}(0) = 11!$

3. 最終的な答え

(1) $f(x) = x^{10} + x^{11} + x^{12} + ...$

(2) $f^{(10)}(0) = 10!$, $f^{(11)}(0) = 11!$