問題は2つのパートに分かれています。 パートIでは、連立不等式 $x^2 + y^2 \le 2(x+y)$, $x \ge 0$, $y \ge 0$ で表される領域 $D$ を考えます。 まず、$y - ax$ の最大値が 2 となるような $a$ の範囲を求めます。 次に、$a < 0$ のとき、$y - ax$ の最大値を $a$ の式で表します。 パートIIでは、 (1) すべての実数 $x, y$ に対して $x^2 + y^2 + 2axy + 2bx + 1 \ge 0$ が成り立つとき、実数 $a, b$ が満たすべき条件を求め、その条件を満たす点 $(a, b)$ のなす領域を座標平面上に図示します。 (2) (1) の領域を点 $(a, b)$ が動くとき、$a^2 + b$ の最大値と最小値を求めます。

代数学連立不等式領域最大値最小値判別式二次関数
2025/7/24

1. 問題の内容

問題は2つのパートに分かれています。
パートIでは、連立不等式 x2+y22(x+y)x^2 + y^2 \le 2(x+y), x0x \ge 0, y0y \ge 0 で表される領域 DD を考えます。
まず、yaxy - ax の最大値が 2 となるような aa の範囲を求めます。
次に、a<0a < 0 のとき、yaxy - ax の最大値を aa の式で表します。
パートIIでは、
(1) すべての実数 x,yx, y に対して x2+y2+2axy+2bx+10x^2 + y^2 + 2axy + 2bx + 1 \ge 0 が成り立つとき、実数 a,ba, b が満たすべき条件を求め、その条件を満たす点 (a,b)(a, b) のなす領域を座標平面上に図示します。
(2) (1) の領域を点 (a,b)(a, b) が動くとき、a2+ba^2 + b の最大値と最小値を求めます。

2. 解き方の手順

パートI
まず、領域 DD を図示します。x2+y22(x+y)x^2 + y^2 \le 2(x+y)(x1)2+(y1)22(x-1)^2 + (y-1)^2 \le 2 と変形できるので、これは中心が (1,1)(1, 1)、半径が 2\sqrt{2} の円の内部(境界を含む)を表します。また、x0x \ge 0, y0y \ge 0 より、領域 DD はこの円の内部で、かつ第1象限にある部分です。
yax=ky - ax = k とおくと、y=ax+ky = ax + k となります。これは傾き aa、切片 kk の直線を表します。yaxy - ax の最大値が 2 となるのは、kk の最大値が 2 となるときです。
(1) yaxy - ax の最大値が 2 となるような aa の範囲を求めます。y=ax+2y=ax+2 が領域Dと接するときにaaは最小になる。中心と直線の距離が半径と等しくなる条件からaaが求まる。
(2) a<0a < 0 のとき、yaxy - ax の最大値を aa の式で表します。これは領域 DD の境界上で、yaxy - ax が最大となる点を調べます。aaが負なので、xxが小さく、yyが大きい点(円弧のyy軸に近い方の端)で最大になる可能性がある。
パートII
(1) すべての実数 x,yx, y に対して x2+y2+2axy+2bx+10x^2 + y^2 + 2axy + 2bx + 1 \ge 0 が成り立つ条件を求めます。これは、x2+2(ay+b)x+(y2+1)0x^2 + 2(ay+b)x + (y^2 + 1) \ge 0 と変形できます。この xx の2次式が常に0以上であるためには、判別式 D0D \le 0 である必要があります。
D/4=(ay+b)2(y2+1)=(a21)y2+2aby+(b21)0D/4 = (ay+b)^2 - (y^2+1) = (a^2-1)y^2 + 2aby + (b^2-1) \le 0
この不等式がすべての実数 yy に対して成り立つためには、a21<0a^2 - 1 < 0 かつ判別式 Δ0\Delta \le 0 である必要があります。
a2<1a^2 < 1 より 1<a<1-1 < a < 1
Δ/4=(ab)2(a21)(b21)=a2b2(a2b2a2b2+1)=a2+b210\Delta/4 = (ab)^2 - (a^2-1)(b^2-1) = a^2b^2 - (a^2b^2 - a^2 - b^2 + 1) = a^2 + b^2 - 1 \le 0
したがって、a2+b21a^2 + b^2 \le 1
よって、求める領域は 1<a<1-1 < a < 1 かつ a2+b21a^2 + b^2 \le 1 を満たす点 (a,b)(a, b) のなす領域であり、これは円 a2+b2=1a^2 + b^2 = 1 の内部(境界を含む)で、かつ 1<a<1-1 < a < 1 の部分です。つまり、a2+b21a^2 + b^2 \le 1からa=±1a=\pm1を除いた領域です。
(2) (1) の領域を点 (a,b)(a, b) が動くとき、a2+ba^2 + b の最大値と最小値を求めます。k=a2+bk = a^2 + b とおくと、b=a2+kb = -a^2 + k となります。これを円 a2+b2=1a^2 + b^2 = 1 に代入して、a2+(a2+k)2=1a^2 + (-a^2 + k)^2 = 1
a2+a42ka2+k2=1a^2 + a^4 - 2ka^2 + k^2 = 1
a4+(12k)a2+(k21)=0a^4 + (1-2k)a^2 + (k^2-1) = 0
a2=ta^2 = t とおくと、t2+(12k)t+(k21)=0t^2 + (1-2k)t + (k^2-1) = 0
この tt に関する2次方程式が 0t10 \le t \le 1 の範囲に解を持つような kk の範囲を求める必要があります。
a2+b21a^2 + b^2 \le 1より、bbの最大値は1、最小値は-1となることは明らか。
a2+b=ka^2 + b = kとおくと、b=ka2b = k - a^2a2+b21a^2 + b^2 \le 1に代入すると、a2+(ka2)21a^2 + (k - a^2)^2 \le 1
a2+k22ka2+a41a^2 + k^2 - 2ka^2 + a^4 \le 1a4+(12k)a2+k210a^4 + (1-2k)a^2 + k^2 - 1 \le 0
ここで、a=0a = 0のとき、b=kb=kなので、bbが最大(1)または最小(-1)となるとき、k=1k=1またはk=1k=-1
a2=1a^2 = 1のとき、b=0b=0なので、k=1k=1

3. 最終的な答え

パートI
aaの範囲:1a3-1 \le a \le 3
a<0a < 0のとき、yaxy - ax の最大値:1+1+2aa21 + \sqrt{1 + 2a - a^2}
パートII
(1) 領域: 1<a<1-1 < a < 1 かつ a2+b21a^2 + b^2 \le 1
(2) 最大値: 11 , 最小値: 1-1

「代数学」の関連問題

数列 $\{a_n\}$ の初項から第 $n$ 項までの和 $S_n$ が $S_n = n^2 + 5n$ で与えられているとき、数列 $\{a_n\}$ の一般項 $a_n$ を求める問題です。

数列一般項
2025/7/24

地上から秒速70mで真上に打ち上げられた球の $t$ 秒後の高さを $h$ mとするとき、$t$ と $h$ の関係は $h = 70t - 5t^2$ と表される。球の高さが200m以上240m以下...

二次関数不等式二次不等式応用問題物理
2025/7/24

与えられた2つの4x4行列の行列式を計算します。(1)は第3行に関する展開、(2)は第4列に関する展開を用いて計算します。

行列式行列余因子展開
2025/7/24

与えられた数式を計算して、その値を求めます。数式は以下の通りです。 $\log_2 12^2 + \frac{2}{3}\log_2 \frac{2}{3} - \frac{4}{3}\log_2 3...

対数対数の性質計算
2025/7/24

行列 $A = \begin{bmatrix} 2 & -1 & -2 & 1 \\ 3 & -2 & 0 & -1 \end{bmatrix}$ が与えられたとき、(i) $^tAA$ と $A ^...

行列転置行列行列の積階数線形代数
2025/7/24

与えられた2つの行列式の値を、それぞれ第1列に関する余因子展開を用いて計算する問題です。 (1) は3x3行列、(2) は4x4行列です。

行列式余因子展開行列
2025/7/24

線形写像 $f: \mathbb{R}^4 \to \mathbb{R}^5$ が $f(\mathbf{v}) = A\mathbf{v}$ で定義されています。ここで、$A$ は以下の行列です。 ...

線形代数線形写像像 (Im f)核 (Ker f)基底行列
2025/7/24

行列 $A = \begin{pmatrix} 6 & -9 \\ 2 & -3 \end{pmatrix}$ で定まる1次変換を $f$ とします。以下の問いに答えます。 (1) 点 $P(1, 1...

線形代数行列一次変換逆像全射単射全単射行列式
2025/7/24

(1) 原点を中心として $\theta$ 回転させる平面上の1次変換を表す行列を求めます。 (2) $2 \times 2$ 対称行列の例を2つ挙げます。 (3) 零行列ではない $2 \times...

線形代数行列回転行列対称行列行列の積
2025/7/24

与えられた6つの式を因数分解する問題です。 (1) $4ab^3 - 20a^2b^2$ (2) $(x-5y)a + (5y-x)b$ (3) $9x^2 + 6x + 1$ (4) $25x^2 ...

因数分解多項式共通因数二次式
2025/7/24