問題Aとして、OECD加盟国35か国のデータを用いて、幸福度(Y)を、1人あたりGDP、国会等の女性議員比率(WR)、日本ダミー変数(DJ)で重回帰分析した結果が与えられています。その結果を用いて、問21から問25の記述が正しいか(①)、誤りか(②)を答えます。
2025/7/24
1. 問題の内容
問題Aとして、OECD加盟国35か国のデータを用いて、幸福度(Y)を、1人あたりGDP、国会等の女性議員比率(WR)、日本ダミー変数(DJ)で重回帰分析した結果が与えられています。その結果を用いて、問21から問25の記述が正しいか(①)、誤りか(②)を答えます。
2. 解き方の手順
問
2
1. 1人あたりGDPが約45455ドル増えると幸福度が約1段階あがるか。
回帰分析の結果より、1人あたりGDPの係数は2.2E-05です。
したがって、幸福度が1段階上がるには、GDPが ドル必要です。これは約45455ドルなので、記述は正しいです。
問
2
2. いずれの係数についても、99%信頼区間の幅は標準誤差のおよそ4倍であるか。
99%信頼区間の幅は(上限 - 下限)で計算できます。これを標準誤差で割って、およそ4になるかどうか確認します。
- 切片:
- 1人あたりGDP:
- 女性議員比率:
- 日本ダミー:
これらの値はすべて5.5程度です。つまり標準偏差で割るとおよそ5.5となり、問題文は4倍と述べているため誤りです。
問
2
3. 1人あたりGDPの係数は、2.2E-05 とあまりに小さいので統計的に有意ではなく、豊かさが幸福度に有意に影響するとは言えないか。
1人あたりGDPの係数のP値は0.001であり、0.05より小さいです。
したがって、統計的に有意であり、豊かさは幸福度に有意に影響すると言えます。よって、記述は誤りです。
問
2
4. 残差と誤差は同義語であるか。
残差は、回帰分析によって予測された値と実際の値との差であり、誤差はモデルに含まれない要因によって生じるずれです。残差は誤差の推定値と考えることができます。厳密には同義語ではありませんが、実用上は同じ意味で使われることもあります。ここでは問題文が正しいとしているか否かで判断するべきです。回帰分析の文脈では、この二つを同じように扱うのは一般的ではないので、誤り(②)とします。
問
2
5. 切片のP値を見れば、コンピューターの計算過程で何らかのエラーが生じたことがわかるか。
P値は、帰無仮説が正しい場合に、観測されたデータよりも極端なデータが得られる確率を示します。P値が大きい場合、帰無仮説を棄却できませんが、計算エラーがあったとは限りません。P値だけでは計算エラーの有無は判断できないので、記述は誤りです。
3. 最終的な答え
問21:①
問22:②
問23:②
問24:②
問25:②