点 $(a, 0)$ を中心とする半径 $b$ ($a > b > 0$) の円を曲線 $C$ とする。 (1) 曲線 $C$ の $y \ge 0$ の部分を $x$ の関数として記述せよ。 (2) 曲線 $C$ を $y$ 軸のまわりに回転したときの体積 $V$ を積分により求めよ。 (3) パップス・ギュルダンの第二定理を用いて(2)の結果を確かめよ。 (4) 曲線 $C$ を媒介変数 $t$ を用いて $x = a + b \cos t, y = b \sin t$ ($0 \le t \le 2\pi$) と表す。これを用いて回転体の表面積 $S$ を求めよ。 (5) パップス・ギュルダンの第一定理を用いて(4)の結果を確かめよ。

幾何学回転体体積表面積積分媒介変数表示パップス・ギュルダンの定理
2025/7/25
## 回答

1. 問題の内容

(a,0)(a, 0) を中心とする半径 bb (a>b>0a > b > 0) の円を曲線 CC とする。
(1) 曲線 CCy0y \ge 0 の部分を xx の関数として記述せよ。
(2) 曲線 CCyy 軸のまわりに回転したときの体積 VV を積分により求めよ。
(3) パップス・ギュルダンの第二定理を用いて(2)の結果を確かめよ。
(4) 曲線 CC を媒介変数 tt を用いて x=a+bcost,y=bsintx = a + b \cos t, y = b \sin t (0t2π0 \le t \le 2\pi) と表す。これを用いて回転体の表面積 SS を求めよ。
(5) パップス・ギュルダンの第一定理を用いて(4)の結果を確かめよ。

2. 解き方の手順

(1) 曲線 CC の方程式は (xa)2+y2=b2(x - a)^2 + y^2 = b^2 であり、y0y \ge 0 の部分について yyxx の関数として表すと、y=b2(xa)2y = \sqrt{b^2 - (x - a)^2} となる。
(2) 曲線 CCyy 軸のまわりに回転したときの体積 VV は、円環体の体積である。xx の範囲は abxa+ba - b \le x \le a + b であり、回転体積の公式を用いて体積を計算する。
V=aba+b2πxb2(xa)2dxV = \int_{a-b}^{a+b} 2\pi x \sqrt{b^2 - (x-a)^2} dx
ここで、xa=bsinθx-a = b\sin\theta と置換すると、dx=bcosθdθdx = b\cos\theta d\theta となり、x=abx = a-b のとき sinθ=1\sin\theta = -1 より θ=π/2\theta = -\pi/2x=a+bx = a+b のとき sinθ=1\sin\theta = 1 より θ=π/2\theta = \pi/2
V=π/2π/22π(a+bsinθ)b2b2sin2θ(bcosθ)dθV = \int_{-\pi/2}^{\pi/2} 2\pi (a+b\sin\theta) \sqrt{b^2 - b^2\sin^2\theta} (b\cos\theta) d\theta
=2ππ/2π/2(a+bsinθ)bcosθbcosθdθ= 2\pi \int_{-\pi/2}^{\pi/2} (a+b\sin\theta) b\cos\theta b\cos\theta d\theta
=2πb2π/2π/2(acos2θ+bsinθcos2θ)dθ= 2\pi b^2 \int_{-\pi/2}^{\pi/2} (a\cos^2\theta + b\sin\theta\cos^2\theta) d\theta
=2πb2[aπ/2π/2cos2θdθ+bπ/2π/2sinθcos2θdθ]= 2\pi b^2 \left[a\int_{-\pi/2}^{\pi/2} \cos^2\theta d\theta + b\int_{-\pi/2}^{\pi/2} \sin\theta\cos^2\theta d\theta \right]
π/2π/2cos2θdθ=π/2π/21+cos(2θ)2dθ=[θ2+sin(2θ)4]π/2π/2=π2\int_{-\pi/2}^{\pi/2} \cos^2\theta d\theta = \int_{-\pi/2}^{\pi/2} \frac{1 + \cos(2\theta)}{2} d\theta = \left[ \frac{\theta}{2} + \frac{\sin(2\theta)}{4} \right]_{-\pi/2}^{\pi/2} = \frac{\pi}{2}
π/2π/2sinθcos2θdθ=[cos3θ3]π/2π/2=0\int_{-\pi/2}^{\pi/2} \sin\theta\cos^2\theta d\theta = \left[ -\frac{\cos^3\theta}{3} \right]_{-\pi/2}^{\pi/2} = 0
よって、
V=2πb2aπ2=π2ab2V = 2\pi b^2 a \frac{\pi}{2} = \pi^2 ab^2
(3) パップス・ギュルダンの第二定理によると、回転体の体積は回転軸からの重心の軌跡長と回転させる図形の面積の積に等しい。曲線 CCy0y \ge 0 の部分の面積は πb2/2\pi b^2/2 であり、重心の xx 座標は aa であるため、重心の軌跡長は 2πa2\pi a となる。したがって、回転体の体積は (πb2/2)(2πa)=π2ab2(\pi b^2 / 2)(2\pi a) = \pi^2 ab^2 となり、(2)の結果と一致する。
(4) 媒介変数表示 x=a+bcostx = a + b \cos t, y=bsinty = b \sin t を用いて、回転体の表面積 SS を求める。
x=bsintx' = -b \sin t, y=bcosty' = b \cos t
(x)2+(y)2=(bsint)2+(bcost)2=b2(sin2t+cos2t)=b\sqrt{(x')^2 + (y')^2} = \sqrt{(-b \sin t)^2 + (b \cos t)^2} = \sqrt{b^2 (\sin^2 t + \cos^2 t)} = b
S=02π2πx(x)2+(y)2dt=02π2πa+bcostbdt=2πb02π(a+bcost)dtS = \int_0^{2\pi} 2\pi |x| \sqrt{(x')^2 + (y')^2} dt = \int_0^{2\pi} 2\pi |a + b \cos t| b dt = 2\pi b \int_0^{2\pi} (a + b \cos t) dt
=2πb[at+bsint]02π=2πb(2πa)=4π2ab= 2\pi b [at + b \sin t]_0^{2\pi} = 2\pi b (2\pi a) = 4\pi^2 ab
(5) パップス・ギュルダンの第一定理によると、回転体の表面積は回転軸からの重心の軌跡長と回転させる曲線の長さの積に等しい。曲線 CC の長さは 2πb2\pi b であり、重心の xx 座標は aa であるため、重心の軌跡長は 2πa2\pi a となる。したがって、回転体の表面積は (2πb)(2πa)=4π2ab(2\pi b)(2\pi a) = 4\pi^2 ab となり、(4)の結果と一致する。

3. 最終的な答え

(1) y=b2(xa)2y = \sqrt{b^2 - (x - a)^2}
(2) V=π2ab2V = \pi^2 ab^2
(3) パップス・ギュルダンの第二定理を用いて体積を求めると、π2ab2\pi^2 ab^2となり、(2)の結果と一致する。
(4) S=4π2abS = 4\pi^2 ab
(5) パップス・ギュルダンの第一定理を用いて表面積を求めると、4π2ab4\pi^2 abとなり、(4)の結果と一致する。

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