与えられた関数 $y = \frac{\log x}{x}$ について、以下の問いに答えます。 (1) グラフを描き、凹凸を調べる。 (2) 関数の最大値を求める。 (3) $e^{\pi}$ と $\pi^e$ のどちらが大きいかを判定する。

解析学関数のグラフ微分最大値対数関数凹凸不等式
2025/7/25

1. 問題の内容

与えられた関数 y=logxxy = \frac{\log x}{x} について、以下の問いに答えます。
(1) グラフを描き、凹凸を調べる。
(2) 関数の最大値を求める。
(3) eπe^{\pi}πe\pi^e のどちらが大きいかを判定する。

2. 解き方の手順

(1) グラフの概形を調べる。
まず、定義域は x>0x > 0 である。
次に、導関数を求める。
y=1xxlogx1x2=1logxx2y' = \frac{\frac{1}{x} \cdot x - \log x \cdot 1}{x^2} = \frac{1 - \log x}{x^2}
y=0y' = 0 となるのは 1logx=01 - \log x = 0 のとき、つまり logx=1\log x = 1 のとき。したがって x=ex = e
x<ex < e のとき y>0y' > 0 であり、x>ex > e のとき y<0y' < 0 であるから、x=ex = e で極大値をとる。極大値は y(e)=logee=1ey(e) = \frac{\log e}{e} = \frac{1}{e}
次に、二階導関数を求める。
y=(1x)x2(1logx)(2x)x4=x2x+2xlogxx4=3+2logxx3y'' = \frac{(-\frac{1}{x})x^2 - (1 - \log x)(2x)}{x^4} = \frac{-x - 2x + 2x \log x}{x^4} = \frac{-3 + 2 \log x}{x^3}
y=0y'' = 0 となるのは 3+2logx=0-3 + 2 \log x = 0 のとき、つまり logx=32\log x = \frac{3}{2} のとき。したがって x=e3/2x = e^{3/2}
x<e3/2x < e^{3/2} のとき y<0y'' < 0 であり、x>e3/2x > e^{3/2} のとき y>0y'' > 0 であるから、x=e3/2x = e^{3/2} で変曲点を持つ。
x0x \to 0 のとき yy \to -\infty であり、xx \to \infty のとき y0y \to 0 である。
以上の情報からグラフを描くことができる。
(2) 最大値を求める。
(1) で求めたように、x=ex = e で極大値 y=1ey = \frac{1}{e} をとる。また、xx \to \inftyy0y \to 0 であり、x0x \to 0yy \to -\infty であるから、x=ex=eで最大値をとる。
したがって、最大値は 1e\frac{1}{e}
(3) eπe^{\pi}πe\pi^e の大小を比較する。
f(x)=logxxf(x) = \frac{\log x}{x} とおくと、f(x)=1logxx2f'(x) = \frac{1 - \log x}{x^2} である。(1)を参照)
eπe^{\pi}πe\pi^e の大小を比較するために、両辺の対数をとると、
log(eπ)=π\log(e^{\pi}) = \pi および log(πe)=elogπ\log(\pi^e) = e \log \pi
eπ>πee^{\pi} > \pi^e となるのは、π>elogπ\pi > e \log \pi のとき、つまり logee<logππ\frac{\log e}{e} < \frac{\log \pi}{\pi} のときである。
これは f(e)<f(π)f(e) < f(\pi) を意味する。
(1)で求めたように、ee で極大値をとるので、e<πe < \pi より、f(e)>f(π)f(e) > f(\pi)
したがって、f(e)=1ef(e) = \frac{1}{e}f(π)=logππf(\pi) = \frac{\log \pi}{\pi}.
1e>logππ\frac{1}{e} > \frac{\log \pi}{\pi}、すなわち π>elogπ\pi > e \log \pi.
これは π>logπe\pi > \log \pi^e を意味する。
π<e\pi < e であれば、eπ<πee^{\pi} < \pi^ef(x)f(x)x=ex=eで最大となる。e<πe < \piより、f(e)>f(π)f(e) > f(\pi)となる。
logee>logππ\frac{\log e}{e} > \frac{\log \pi}{\pi}1e>logππ\frac{1}{e} > \frac{\log \pi}{\pi}、よってπ>elogπ\pi > e \log \pi、よってeπ>πee^\pi > \pi^e

3. 最終的な答え

(1) グラフは省略。(上記の手順を参考に描画してください)
(2) 最大値: 1e\frac{1}{e}
(3) eπ>πee^{\pi} > \pi^e

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