曲線 $K: y = \cos 2x (-\frac{\pi}{4} \le x \le \frac{\pi}{4})$ と $y$軸との交点を$P$とし、曲線$K$上に点$P$と異なる点$Q(t, \cos 2t)$をとる。線分$PQ$の垂直二等分線$l$が$y$軸と交わる点を$R$とする。 (1) 点$R$の$y$座標を$t$を用いて表せ。 (2) 2点$P$, $Q$を通り、点$P$で曲線$K$と共通な接線をもつ円を$C$とする。点$Q$が点$P$に限りなく近づくとき、円$C$の半径$r$はどのような値に近づくか。

解析学三角関数微分接線極限
2025/7/25

1. 問題の内容

曲線 K:y=cos2x(π4xπ4)K: y = \cos 2x (-\frac{\pi}{4} \le x \le \frac{\pi}{4})yy軸との交点をPPとし、曲線KK上に点PPと異なる点Q(t,cos2t)Q(t, \cos 2t)をとる。線分PQPQの垂直二等分線llyy軸と交わる点をRRとする。
(1) 点RRyy座標をttを用いて表せ。
(2) 2点PP, QQを通り、点PPで曲線KKと共通な接線をもつ円をCCとする。点QQが点PPに限りなく近づくとき、円CCの半径rrはどのような値に近づくか。

2. 解き方の手順

(1)
PPyy軸との交点なので、x=0x=0である。よって、P(0,cos(20))=P(0,1)P(0, \cos(2 \cdot 0)) = P(0, 1)である。
Q(t,cos2t)Q(t, \cos 2t)と点P(0,1)P(0, 1)の中点MMは、
M(t+02,cos2t+12)=M(t2,cos2t+12)M(\frac{t+0}{2}, \frac{\cos 2t + 1}{2}) = M(\frac{t}{2}, \frac{\cos 2t + 1}{2})
線分PQPQの傾きは、
cos2t1t0=cos2t1t\frac{\cos 2t - 1}{t - 0} = \frac{\cos 2t - 1}{t}
よって、線分PQPQの垂直二等分線llの傾きは、tcos2t1-\frac{t}{\cos 2t - 1}
垂直二等分線llの方程式は、
ycos2t+12=tcos2t1(xt2)y - \frac{\cos 2t + 1}{2} = -\frac{t}{\cos 2t - 1}(x - \frac{t}{2})
llyy軸と交わる点RRは、x=0x=0である。
ycos2t+12=tcos2t1(0t2)y - \frac{\cos 2t + 1}{2} = -\frac{t}{\cos 2t - 1}(0 - \frac{t}{2})
y=cos2t+12+t22(cos2t1)y = \frac{\cos 2t + 1}{2} + \frac{t^2}{2(\cos 2t - 1)}
y=(cos2t+1)(cos2t1)+t22(cos2t1)y = \frac{(\cos 2t + 1)(\cos 2t - 1) + t^2}{2(\cos 2t - 1)}
y=cos22t1+t22(cos2t1)y = \frac{\cos^2 2t - 1 + t^2}{2(\cos 2t - 1)}
y=sin22t+t22(cos2t1)y = \frac{-\sin^2 2t + t^2}{2(\cos 2t - 1)}
(2)
P(0,1)P(0, 1)における曲線K:y=cos2xK: y = \cos 2xの接線を求める。
y=2sin2xy' = -2\sin 2x
x=0x = 0のとき、y=2sin(20)=0y' = -2\sin(2 \cdot 0) = 0
よって、点P(0,1)P(0, 1)における接線はy=1y = 1である。
P(0,1)P(0, 1)で直線y=1y=1に接し、点Q(t,cos2t)Q(t, \cos 2t)を通る円CCを考える。
CCの中心を(a,b)(a, b)、半径をrrとする。
円の方程式は(xa)2+(yb)2=r2(x-a)^2 + (y-b)^2 = r^2
円は点P(0,1)P(0, 1)を通るので、(0a)2+(1b)2=r2(0-a)^2 + (1-b)^2 = r^2
円は点Q(t,cos2t)Q(t, \cos 2t)を通るので、(ta)2+(cos2tb)2=r2(t-a)^2 + (\cos 2t - b)^2 = r^2
a2+(1b)2=(ta)2+(cos2tb)2a^2 + (1-b)^2 = (t-a)^2 + (\cos 2t - b)^2
a2+12b+b2=t22ta+a2+cos22t2bcos2t+b2a^2 + 1 - 2b + b^2 = t^2 - 2ta + a^2 + \cos^2 2t - 2b\cos 2t + b^2
12b=t22ta+cos22t2bcos2t1 - 2b = t^2 - 2ta + \cos^2 2t - 2b\cos 2t
2b(cos2t1)=t2+cos22t12b(\cos 2t - 1) = t^2 + \cos^2 2t - 1
2b(cos2t1)=t2sin22t2b(\cos 2t - 1) = t^2 - \sin^2 2t
b=t2sin22t2(cos2t1)b = \frac{t^2 - \sin^2 2t}{2(\cos 2t - 1)}
P(0,1)P(0, 1)で円と接線y=1y=1が接するので、a=0a=0
r2=(1b)2r^2 = (1 - b)^2
r=1br = |1 - b|
r=1t2sin22t2(cos2t1)r = |1 - \frac{t^2 - \sin^2 2t}{2(\cos 2t - 1)}|
r=2(cos2t1)(t2sin22t)2(cos2t1)r = |\frac{2(\cos 2t - 1) - (t^2 - \sin^2 2t)}{2(\cos 2t - 1)}|
r=2cos2t2t2+sin22t2(cos2t1)r = |\frac{2\cos 2t - 2 - t^2 + \sin^2 2t}{2(\cos 2t - 1)}|
ここで、t0t \to 0のとき、rrがどのような値に近づくか考える。
cos2t=1(2t)22!+(2t)44!=12t2+23t4\cos 2t = 1 - \frac{(2t)^2}{2!} + \frac{(2t)^4}{4!} - \cdots = 1 - 2t^2 + \frac{2}{3}t^4 - \cdots
sin2t=2t(2t)33!+(2t)55!=2t43t3+415t5\sin 2t = 2t - \frac{(2t)^3}{3!} + \frac{(2t)^5}{5!} - \cdots = 2t - \frac{4}{3}t^3 + \frac{4}{15}t^5 - \cdots
sin22t=(2t43t3+415t5)2=4t2163t4+\sin^2 2t = (2t - \frac{4}{3}t^3 + \frac{4}{15}t^5 - \cdots)^2 = 4t^2 - \frac{16}{3}t^4 + \cdots
r=2(12t2+23t4)2t2+(4t2163t4+)2(12t2+23t41)r = |\frac{2(1 - 2t^2 + \frac{2}{3}t^4 - \cdots) - 2 - t^2 + (4t^2 - \frac{16}{3}t^4 + \cdots)}{2(1 - 2t^2 + \frac{2}{3}t^4 - \cdots - 1)}|
r=24t22t2+4t2+O(t4)2(2t2+23t4)r = |\frac{2 - 4t^2 - 2 - t^2 + 4t^2 + O(t^4)}{2(-2t^2 + \frac{2}{3}t^4 - \cdots)}|
r=t2+O(t4)4t2+O(t4)r = |\frac{-t^2 + O(t^4)}{-4t^2 + O(t^4)}|
r=1+O(t2)4+O(t2)r = |\frac{-1 + O(t^2)}{-4 + O(t^2)}|
t0t \to 0のとき、r14=14r \to |\frac{-1}{-4}| = \frac{1}{4}

3. 最終的な答え

(1) RRyy座標: t2sin22t2(cos2t1)\frac{t^2 - \sin^2 2t}{2(\cos 2t - 1)}
(2) 円CCの半径rrが近づく値: 14\frac{1}{4}

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