ある野生動物の総数を推定するために、まず50頭を捕獲してマークを付け、自然に戻しました。その後、100頭を捕獲したところ、10頭にマークが付いていました。 (1) 森にいるマークの付いた野生動物の比率の90%信頼区間の下限を求めます。 (2) 森にいるマークの付いた野生動物の比率の90%信頼区間の上限を求めます。 (3) 森にいる野生動物の総数の90%信頼区間の下限を求めます。 (4) 森にいる野生動物の総数の90%信頼区間の上限を求めます。

確率論・統計学統計的推定信頼区間標本比率母集団サイズ推定
2025/7/25

1. 問題の内容

ある野生動物の総数を推定するために、まず50頭を捕獲してマークを付け、自然に戻しました。その後、100頭を捕獲したところ、10頭にマークが付いていました。
(1) 森にいるマークの付いた野生動物の比率の90%信頼区間の下限を求めます。
(2) 森にいるマークの付いた野生動物の比率の90%信頼区間の上限を求めます。
(3) 森にいる野生動物の総数の90%信頼区間の下限を求めます。
(4) 森にいる野生動物の総数の90%信頼区間の上限を求めます。

2. 解き方の手順

まず、マークの付いた動物の比率の推定値を求めます。
100頭中10頭にマークが付いていたので、比率の推定値は 10100=0.1\frac{10}{100} = 0.1 です。
次に、信頼区間を計算するために、標準誤差を計算します。
比率の標準誤差は、
SE=p(1p)nSE = \sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}
ここで、ppは比率の推定値、nnはサンプルサイズです。
この場合、p=0.1p = 0.1n=100n = 100なので、
SE=0.1(10.1)100=0.1×0.9100=0.0009=0.03SE = \sqrt{\frac{0.1(1-0.1)}{100}} = \sqrt{\frac{0.1 \times 0.9}{100}} = \sqrt{0.0009} = 0.03
90%信頼区間を求めるために、zz値を使用します。90%信頼区間のzz値は1.645です。
信頼区間の下限は、
pz×SE=0.11.645×0.03=0.10.04935=0.05065p - z \times SE = 0.1 - 1.645 \times 0.03 = 0.1 - 0.04935 = 0.05065
信頼区間の上限は、
p+z×SE=0.1+1.645×0.03=0.1+0.04935=0.14935p + z \times SE = 0.1 + 1.645 \times 0.03 = 0.1 + 0.04935 = 0.14935
(1) マークの付いた野生動物の比率の90%信頼区間の下限は0.05065です。
(2) マークの付いた野生動物の比率の90%信頼区間の上限は0.14935です。
次に、野生動物の総数を推定します。
NNを野生動物の総数、MMを最初にマークを付けた動物の数、nnを二度目に捕獲した動物の数、mmを二度目に捕獲した動物のうちマークが付いていた数とします。
すると、
MNmn\frac{M}{N} \approx \frac{m}{n}
したがって、NM×nmN \approx \frac{M \times n}{m}
この場合、M=50M = 50n=100n = 100m=10m = 10なので、
N50×10010=500N \approx \frac{50 \times 100}{10} = 500
総数の信頼区間を推定するには、比率の信頼区間を使用します。
比率の信頼区間の下限は0.05065、上限は0.14935でした。
総数の下限は、500.14935334.86\frac{50}{0.14935} \approx 334.86
総数の上限は、500.05065987.17\frac{50}{0.05065} \approx 987.17
(3) 森にいる野生動物の総数の90%信頼区間の下限は335 (整数で答える)です。
(4) 森にいる野生動物の総数の90%信頼区間の上限は987 (整数で答える)です。

3. 最終的な答え

(1) 0.05065
(2) 0.14935
(3) 335
(4) 987

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