ある運動器具の効果を実感できた人の割合について、男性と女性の間で差があるかどうかを、有意水準1%で検定する問題です。具体的には、男性は100人中60人、女性は100人中40人が効果を実感できたと回答しています。

確率論・統計学仮説検定統計的推測割合の検定z検定有意水準
2025/7/25

1. 問題の内容

ある運動器具の効果を実感できた人の割合について、男性と女性の間で差があるかどうかを、有意水準1%で検定する問題です。具体的には、男性は100人中60人、女性は100人中40人が効果を実感できたと回答しています。

2. 解き方の手順

(1) 検定統計量を求める。
男性の効果を実感した割合を p1p_1、女性の効果を実感した割合を p2p_2 とする。
標本サイズはそれぞれ n1=100n_1 = 100n2=100n_2 = 100
標本における効果を実感した人数はそれぞれ x1=60x_1 = 60x2=40x_2 = 40
標本割合はそれぞれ p^1=x1n1=60100=0.6\hat{p}_1 = \frac{x_1}{n_1} = \frac{60}{100} = 0.6p^2=x2n2=40100=0.4\hat{p}_2 = \frac{x_2}{n_2} = \frac{40}{100} = 0.4
帰無仮説は H0:p1=p2H_0: p_1 = p_2、対立仮説は H1:p1>p2H_1: p_1 > p_2 (右片側検定)。
プールされた標本割合 p^\hat{p} は、
p^=x1+x2n1+n2=60+40100+100=100200=0.5\hat{p} = \frac{x_1 + x_2}{n_1 + n_2} = \frac{60 + 40}{100 + 100} = \frac{100}{200} = 0.5
検定統計量 zz は、
z=p^1p^2p^(1p^)(1n1+1n2)=0.60.40.5(10.5)(1100+1100)=0.20.50.52100=0.20.5100=0.20.005=0.20.07072.828z = \frac{\hat{p}_1 - \hat{p}_2}{\sqrt{\hat{p}(1-\hat{p})(\frac{1}{n_1} + \frac{1}{n_2})}} = \frac{0.6 - 0.4}{\sqrt{0.5(1-0.5)(\frac{1}{100} + \frac{1}{100})}} = \frac{0.2}{\sqrt{0.5 \cdot 0.5 \cdot \frac{2}{100}}} = \frac{0.2}{\sqrt{\frac{0.5}{100}}} = \frac{0.2}{\sqrt{0.005}} = \frac{0.2}{0.0707} \approx 2.828
(2) 有意水準1%で検定 (右片側検定) の結果
有意水準 α=0.01\alpha = 0.01 の右片側検定を行う。
zz値が2.828のとき、p値は0.0023です。
α=0.01\alpha = 0.01 に対する棄却域は z>2.33z > 2.33 (標準正規分布表より)。
計算された検定統計量 z=2.828z = 2.828 は棄却域に入るので、帰無仮説は棄却される。
したがって、対立仮説が採択される。

3. 最終的な答え

(1) 検定統計量: z2.828z \approx 2.828
(2) 有意水準1%で検定 (右片側検定) の結果: 帰無仮説は棄却され、対立仮説が採択される。

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