相関係数の有意性検定を行うには、t値を計算し、t分布表を用いてp値を求め、有意水準と比較します。
t値は次の式で計算されます。
t=r1−r2n−2 ここで、
自由度は df=n−2 です。 求めたt値を用いてt分布表からp値を求めます。両側検定なので、t分布表の値は2倍にする必要があります。
p値が有意水準よりも小さい場合、帰無仮説(母集団に相関がない)を棄却し、有意な相関があると結論付けます。p値が有意水準よりも大きい場合、帰無仮説を棄却できず、有意な相関がないと結論付けます。
各ケースについて計算します。
(1) r=−0.1, n=502, 有意水準 α=0.10 t=−0.11−(−0.1)2502−2≈−0.10.99500≈−0.1505.05≈−0.1×22.47≈−2.247 df=502−2=500 ∣t∣=2.247 自由度500のt分布表を見ると、有意水準10%(両側検定)の臨界値は近似的に1.645(自由度が大きいのでz分布表で近似)。
2.247>1.645 なので、有意水準10%で有意な相関がある。 (2) r=0.4, n=18, 有意水準 α=0.05 t=0.41−0.4218−2=0.41−0.1616=0.40.8416≈0.419.0476≈0.4×4.364≈1.746 df=18−2=16 自由度16のt分布表を見ると、有意水準5%(両側検定)の臨界値は2.120。
1.746<2.120 なので、有意水準5%で有意な相関がない。 (3) r=0.8, n=9, 有意水準 α=0.01 t=0.81−0.829−2=0.81−0.647=0.80.367≈0.819.44≈0.8×4.409≈3.527 df=9−2=7 自由度7のt分布表を見ると、有意水準1%(両側検定)の臨界値は3.499。
3.527>3.499 なので、有意水準1%で有意な相関がある。 (4) スピアマンの順位相関係数 rs=0.55, n=15, 有意水準 α=0.05 スピアマンの順位相関係数の場合、標本数nが小さいときには特殊な表を使用します。 n=15, α=0.05 (両側検定)の場合、スピアマンの順位相関係数の有意性検定表を見ると、臨界値はおよそ0.521です。 0.55>0.521 なので、有意水準5%で有意な相関がある。