問題は、与えられた標本相関係数、標本の個数、有意水準に基づいて、母集団に有意な相関があるかどうかを判定する問題です。それぞれのケースについて、有意な相関があるかどうか答えます(両側検定)。

確率論・統計学統計的推測相関相関係数t検定有意性検定スピアマンの順位相関係数
2025/7/25

1. 問題の内容

問題は、与えられた標本相関係数、標本の個数、有意水準に基づいて、母集団に有意な相関があるかどうかを判定する問題です。それぞれのケースについて、有意な相関があるかどうか答えます(両側検定)。

2. 解き方の手順

相関係数の有意性検定を行うには、t値を計算し、t分布表を用いてp値を求め、有意水準と比較します。
t値は次の式で計算されます。
t=rn21r2t = r \sqrt{\frac{n-2}{1-r^2}}
ここで、
- rr は標本相関係数
- nn は標本の個数
自由度は df=n2df = n - 2 です。
求めたt値を用いてt分布表からp値を求めます。両側検定なので、t分布表の値は2倍にする必要があります。
p値が有意水準よりも小さい場合、帰無仮説(母集団に相関がない)を棄却し、有意な相関があると結論付けます。p値が有意水準よりも大きい場合、帰無仮説を棄却できず、有意な相関がないと結論付けます。
各ケースについて計算します。
(1) r=0.1r = -0.1, n=502n = 502, 有意水準 α=0.10\alpha = 0.10
t=0.150221(0.1)20.15000.990.1505.050.1×22.472.247t = -0.1 \sqrt{\frac{502-2}{1-(-0.1)^2}} \approx -0.1 \sqrt{\frac{500}{0.99}} \approx -0.1 \sqrt{505.05} \approx -0.1 \times 22.47 \approx -2.247
df=5022=500df = 502 - 2 = 500
t=2.247|t| = 2.247
自由度500のt分布表を見ると、有意水準10%(両側検定)の臨界値は近似的に1.645(自由度が大きいのでz分布表で近似)。
2.247>1.6452.247 > 1.645 なので、有意水準10%で有意な相関がある。
(2) r=0.4r = 0.4, n=18n = 18, 有意水準 α=0.05\alpha = 0.05
t=0.418210.42=0.41610.16=0.4160.840.419.04760.4×4.3641.746t = 0.4 \sqrt{\frac{18-2}{1-0.4^2}} = 0.4 \sqrt{\frac{16}{1-0.16}} = 0.4 \sqrt{\frac{16}{0.84}} \approx 0.4 \sqrt{19.0476} \approx 0.4 \times 4.364 \approx 1.746
df=182=16df = 18 - 2 = 16
自由度16のt分布表を見ると、有意水準5%(両側検定)の臨界値は2.120。
1.746<2.1201.746 < 2.120 なので、有意水準5%で有意な相関がない。
(3) r=0.8r = 0.8, n=9n = 9, 有意水準 α=0.01\alpha = 0.01
t=0.89210.82=0.8710.64=0.870.360.819.440.8×4.4093.527t = 0.8 \sqrt{\frac{9-2}{1-0.8^2}} = 0.8 \sqrt{\frac{7}{1-0.64}} = 0.8 \sqrt{\frac{7}{0.36}} \approx 0.8 \sqrt{19.44} \approx 0.8 \times 4.409 \approx 3.527
df=92=7df = 9 - 2 = 7
自由度7のt分布表を見ると、有意水準1%(両側検定)の臨界値は3.499。
3.527>3.4993.527 > 3.499 なので、有意水準1%で有意な相関がある。
(4) スピアマンの順位相関係数 rs=0.55r_s = 0.55, n=15n = 15, 有意水準 α=0.05\alpha = 0.05
スピアマンの順位相関係数の場合、標本数nが小さいときには特殊な表を使用します。 n=15, α=0.05\alpha = 0.05 (両側検定)の場合、スピアマンの順位相関係数の有意性検定表を見ると、臨界値はおよそ0.521です。
0.55>0.5210.55 > 0.521 なので、有意水準5%で有意な相関がある。

3. 最終的な答え

(1) 有意な相関あり。
(2) 有意な相関なし。
(3) 有意な相関あり。
(4) 有意な相関あり。

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