複素数 $z$ に関する2つの次の方程式を考える。 方程式1: $z\overline{z} = 4$ 方程式2: $|z| = |z-\sqrt{3}+i|$ (1) 方程式1, 2それぞれの解 $z$ 全体が表す図形を複素数平面上に図示する。 (2) 方程式1, 2の共通解となる複素数 $z$ をすべて求める。 (3) (2)で求めたすべての複素数の積を $w$ とおく。このとき、$w^n$ が負の実数となるための整数 $n$ の必要十分条件を求める。

代数学複素数複素数平面方程式極形式ド・モアブルの定理
2025/7/25

1. 問題の内容

複素数 zz に関する2つの次の方程式を考える。
方程式1: zz=4z\overline{z} = 4
方程式2: z=z3+i|z| = |z-\sqrt{3}+i|
(1) 方程式1, 2それぞれの解 zz 全体が表す図形を複素数平面上に図示する。
(2) 方程式1, 2の共通解となる複素数 zz をすべて求める。
(3) (2)で求めたすべての複素数の積を ww とおく。このとき、wnw^n が負の実数となるための整数 nn の必要十分条件を求める。

2. 解き方の手順

(1)
方程式1について、z=x+yiz = x+yi とすると、z=xyi\overline{z} = x-yi より、
zz=(x+yi)(xyi)=x2+y2=4z\overline{z} = (x+yi)(x-yi) = x^2+y^2 = 4
これは中心が原点、半径が2の円を表す。
方程式2について、z=x+yiz = x+yi とすると、
z=z3+i|z| = |z-\sqrt{3}+i|
x+yi=x+yi3+i|x+yi| = |x+yi-\sqrt{3}+i|
x+yi=(x3)+(y+1)i|x+yi| = |(x-\sqrt{3}) + (y+1)i|
x2+y2=(x3)2+(y+1)2\sqrt{x^2+y^2} = \sqrt{(x-\sqrt{3})^2 + (y+1)^2}
x2+y2=(x3)2+(y+1)2x^2+y^2 = (x-\sqrt{3})^2 + (y+1)^2
x2+y2=x223x+3+y2+2y+1x^2+y^2 = x^2-2\sqrt{3}x+3 + y^2+2y+1
0=23x+2y+40 = -2\sqrt{3}x + 2y + 4
23x2y=42\sqrt{3}x - 2y = 4
3xy=2\sqrt{3}x - y = 2
y=3x2y = \sqrt{3}x - 2
これは傾きが 3\sqrt{3}、切片が -2 の直線を表す。
(2)
共通解を求める。
x2+y2=4x^2+y^2 = 4y=3x2y = \sqrt{3}x - 2 を代入する。
x2+(3x2)2=4x^2 + (\sqrt{3}x-2)^2 = 4
x2+3x243x+4=4x^2 + 3x^2 - 4\sqrt{3}x + 4 = 4
4x243x=04x^2 - 4\sqrt{3}x = 0
4x(x3)=04x(x-\sqrt{3}) = 0
x=0,3x = 0, \sqrt{3}
x=0x=0 のとき、y=3(0)2=2y = \sqrt{3}(0) - 2 = -2
x=3x=\sqrt{3} のとき、y=3(3)2=32=1y = \sqrt{3}(\sqrt{3}) - 2 = 3 - 2 = 1
よって、共通解は z=2i,3+iz = -2i, \sqrt{3} + i
(3)
(2)で求めた複素数の積 w=(2i)(3+i)=23i2i2=223iw = (-2i)(\sqrt{3}+i) = -2\sqrt{3}i - 2i^2 = 2 - 2\sqrt{3}i
w=223iw = 2 - 2\sqrt{3}i を極形式で表すと
w=22+(23)2=4+12=16=4|w| = \sqrt{2^2 + (-2\sqrt{3})^2} = \sqrt{4 + 12} = \sqrt{16} = 4
arg(w)=θ\arg(w) = \theta とすると、
cosθ=24=12\cos\theta = \frac{2}{4} = \frac{1}{2}
sinθ=234=32\sin\theta = \frac{-2\sqrt{3}}{4} = -\frac{\sqrt{3}}{2}
θ=π3\theta = -\frac{\pi}{3}
w=4(cos(π3)+isin(π3))w = 4(\cos(-\frac{\pi}{3}) + i\sin(-\frac{\pi}{3}))
wn=4n(cos(nπ3)+isin(nπ3))w^n = 4^n (\cos(-\frac{n\pi}{3}) + i\sin(-\frac{n\pi}{3}))
wnw^n が負の実数になるためには、
sin(nπ3)=0\sin(-\frac{n\pi}{3}) = 0 かつ cos(nπ3)=1\cos(-\frac{n\pi}{3}) = -1 が必要である。
sin(nπ3)=0\sin(-\frac{n\pi}{3}) = 0 より nπ3=kπ-\frac{n\pi}{3} = k\pi (kは整数)
n=3kn = -3k (kは整数)
nn は3の倍数である。
cos(nπ3)=cos(kπ)=(1)k=1\cos(-\frac{n\pi}{3}) = \cos(k\pi) = (-1)^k = -1
よって、kk は奇数である必要がある。
k=2m+1k = 2m+1 (mは整数)
n=3(2m+1)=6m3n = -3(2m+1) = -6m-3 (mは整数)
つまり、n=6l+3n = 6l+3 (lは整数)

3. 最終的な答え

(1)
方程式1: 中心が原点、半径が2の円
方程式2: y=3x2y = \sqrt{3}x - 2 の直線
(2)
z=2i,3+iz = -2i, \sqrt{3} + i
(3)
n=6l+3n = 6l+3 (lは整数)
言い換えると、n3(mod6)n \equiv 3 \pmod{6}

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