マクスウェル・ボルツマン分布に基づいた300 Kにおける3種類の気体分子(アルゴンAr、窒素N2、水蒸気H2O)の速度分布に関する問題です。以下の問いに答えます。 (1) 図中の気体分子A, B, Cはそれぞれ何かを答えます。 (2) アルゴンArの300 Kにおける根平均二乗速度を計算し、根平均二乗速度、最確速度、平均速度の大小関係を答えます。 (3) 気体分子Bの75 Kおよび600 Kにおける速度分布として適切なグラフを選択します。 (4) アルゴンAr、窒素N2、水蒸気H2Oの300 Kにおける1モルあたりの回転運動エネルギーを計算します。
2025/7/26
1. 問題の内容
マクスウェル・ボルツマン分布に基づいた300 Kにおける3種類の気体分子(アルゴンAr、窒素N2、水蒸気H2O)の速度分布に関する問題です。以下の問いに答えます。
(1) 図中の気体分子A, B, Cはそれぞれ何かを答えます。
(2) アルゴンArの300 Kにおける根平均二乗速度を計算し、根平均二乗速度、最確速度、平均速度の大小関係を答えます。
(3) 気体分子Bの75 Kおよび600 Kにおける速度分布として適切なグラフを選択します。
(4) アルゴンAr、窒素N2、水蒸気H2Oの300 Kにおける1モルあたりの回転運動エネルギーを計算します。
2. 解き方の手順
(1) 気体分子の特定
マクスウェル・ボルツマン分布において、分子量が大きいほど分布のピークは低い速度側にシフトします。グラフから、分子量の大小関係を判断し、分子量を考慮して気体分子を特定します。
分子量はAr = 40, N2 = 28, H2O = 18 です。
(2) 根平均二乗速度の計算と大小関係
根平均二乗速度 は、以下の式で与えられます。
ここで、は気体定数、は温度、はモル質量です。
Arの300 Kにおける根平均二乗速度を計算します。
平均速度 と最確速度 は以下の式で与えられます。
したがって、の関係が成り立ちます。
(3) 温度変化による速度分布の変化
温度が低いほど分布のピークは低い速度側に、温度が高いほどピークは高い速度側にシフトします。気体BはN2なので、300KのN2のグラフと比べて75Kと600Kのグラフを選択します。
(4) 回転運動エネルギーの計算
1分子あたりの回転の自由度は、直線分子では2、非直線分子では3です。
1モルあたりの回転運動エネルギーは、以下の式で与えられます。
ここで、は回転の自由度、は気体定数、は温度です。
アルゴンは単原子分子なので回転運動をしません。N2は直線分子、H2Oは非直線分子として計算します。
3. 最終的な答え
(1)
A: Ar (アルゴン)
B: N2 (窒素)
C: H2O (水蒸気)
(2)
として計算します。
根平均二乗速度:432 m/s
大小関係:根平均二乗速度 > 平均速度 > 最確速度
(3)
75 K: (ア)
600 K: (キ)
(4)
Ar: 0 kJ/mol
N2:
H2O:
Ar: 0 kJ/mol
N2: 2.5 kJ/mol
H2O: 3.7 kJ/mol