$t = x + \frac{1}{x}$ とおくとき、すべての自然数 $n$ について、$x^n + \frac{1}{x^n}$ が $t$ の $n$ 次式になることを数学的帰納法によって証明する。

代数学数学的帰納法式の変形代数式
2025/7/26

1. 問題の内容

t=x+1xt = x + \frac{1}{x} とおくとき、すべての自然数 nn について、xn+1xnx^n + \frac{1}{x^n}ttnn 次式になることを数学的帰納法によって証明する。

2. 解き方の手順

(1) n=1n = 1 のとき:
x1+1x1=x+1x=tx^1 + \frac{1}{x^1} = x + \frac{1}{x} = t であるから、tt の 1 次式である。
(2) n=2n = 2 のとき:
(x+1x)2=x2+2+1x2(x + \frac{1}{x})^2 = x^2 + 2 + \frac{1}{x^2}
より、
x2+1x2=(x+1x)22=t22x^2 + \frac{1}{x^2} = (x + \frac{1}{x})^2 - 2 = t^2 - 2
であるから、tt の 2 次式である。
(3) n=kn = k および n=k1n = k-1 のとき、xk+1xkx^k + \frac{1}{x^k} および xk1+1xk1x^{k-1} + \frac{1}{x^{k-1}} がそれぞれ ttkk 次式、k1k-1 次式であると仮定する。すなわち、
xk+1xk=fk(t)x^k + \frac{1}{x^k} = f_k(t) (次数kk)
xk1+1xk1=fk1(t)x^{k-1} + \frac{1}{x^{k-1}} = f_{k-1}(t) (次数k1k-1)
とおける。
(4) n=k+1n = k+1 のとき:
t(xk+1xk)=(x+1x)(xk+1xk)=xk+1+1xk1+xk1+1xk+1t(x^k + \frac{1}{x^k}) = (x + \frac{1}{x})(x^k + \frac{1}{x^k}) = x^{k+1} + \frac{1}{x^{k-1}} + x^{k-1} + \frac{1}{x^{k+1}}
より、
xk+1+1xk+1=t(xk+1xk)(xk1+1xk1)x^{k+1} + \frac{1}{x^{k+1}} = t(x^k + \frac{1}{x^k}) - (x^{k-1} + \frac{1}{x^{k-1}})
=tfk(t)fk1(t)= t f_k(t) - f_{k-1}(t)
tfk(t)t f_k(t)ttk+1k+1 次式であり、fk1(t)f_{k-1}(t)ttk1k-1 次式であるから、tfk(t)fk1(t)t f_k(t) - f_{k-1}(t)ttk+1k+1 次式である。
したがって、xk+1+1xk+1x^{k+1} + \frac{1}{x^{k+1}}ttk+1k+1 次式である。
(1)~(4) より、数学的帰納法によって、すべての自然数 nn について、xn+1xnx^n + \frac{1}{x^n}ttnn 次式であることが示された。

3. 最終的な答え

すべての自然数 nn について、xn+1xnx^n + \frac{1}{x^n}ttnn 次式である。

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