(1) 実数 $x, y, a, b$ について、命題「$x+y > a$ ならば、$x > a-b$ または $y > b$」を対偶を利用して証明する。 (2) 実数 $a, b$ について、$x$ についての方程式 $ax+b=0$ がただ1つの解をもつならば、$a \neq 0$ を対偶を利用して証明する。
2025/7/26
1. 問題の内容
(1) 実数 について、命題「 ならば、 または 」を対偶を利用して証明する。
(2) 実数 について、 についての方程式 がただ1つの解をもつならば、 を対偶を利用して証明する。
2. 解き方の手順
(1)
対偶を作る:
元の命題が「 ならば 」のとき、対偶は「 でないならば でない」となる。
この問題の場合、 は で、 は「 または 」である。
したがって、 でないは「 かつ 」となり、 でないは である。
対偶の命題は「 かつ ならば 」となる。
対偶を証明する:
かつ を仮定する。このとき、 となる。
したがって、 となる。
よって、対偶が真であるから、元の命題も真である。
(2)
対偶を作る:
元の命題が「 ならば 」のとき、対偶は「 でないならば でない」となる。
この問題の場合、 は「方程式 がただ1つの解をもつ」で、 は である。
したがって、 でないは で、 でないは「方程式 がただ1つの解をもたない」である。
対偶の命題は「 ならば、方程式 がただ1つの解をもたない」となる。
対偶を証明する:
を仮定する。
このとき、方程式 は となる。
(i) のとき、 は解を持たない。
(ii) のとき、 はすべての実数 が解となる。したがって、解は一つではない。
いずれの場合も、方程式 はただ1つの解をもたない。
よって、対偶が真であるから、元の命題も真である。
3. 最終的な答え
(1) (証明) かつ ならば である。
(2) (証明) ならば、方程式 はただ1つの解をもたない。