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ある物質Aの分解反応について、反応速度式 $v = k[A]^a$ が与えられています。図1は87℃におけるAの初濃度と半減期の関係、図2は分解反応速度定数kの自然対数と絶対温度Tの関係を表しています。これらの図と与えられた情報から、Aの分解反応の反応次数、87℃における半減期と初濃度100mg/mLでの残存濃度と時間の関係、活性化エネルギー、7℃で90%残存する時間を求める問題です。

応用数学反応速度式化学反応半減期活性化エネルギーアレニウスの式
2025/7/27

1. 問題の内容

ある物質Aの分解反応について、反応速度式 v=k[A]av = k[A]^a が与えられています。図1は87℃におけるAの初濃度と半減期の関係、図2は分解反応速度定数kの自然対数と絶対温度Tの関係を表しています。これらの図と与えられた情報から、Aの分解反応の反応次数、87℃における半減期と初濃度100mg/mLでの残存濃度と時間の関係、活性化エネルギー、7℃で90%残存する時間を求める問題です。

2. 解き方の手順

(1) Aの分解反応の反応次数を求める。
図1より、ln⁡t1/2\ln t_{1/2} と ln⁡A0\ln A_0 の間に線形関係が見られます。一次反応の場合、半減期は初濃度に依存しません。二次反応の場合、半減期は初濃度に反比例します。図1より、初濃度が大きくなるにつれて半減期が長くなっているため、反応次数は1次ではありません。もし半減期が初濃度に反比例するのであれば、2次反応となります。
t1/2∝A0n−1t_{1/2} \propto A_0^{n-1}
ln⁡t1/2=(n−1)ln⁡A0+定数\ln t_{1/2} = (n-1)\ln A_0 + 定数
図1の直線の傾きは、n−1n-1 に相当します。
グラフから、ln⁡A0=0\ln A_0 = 0 のとき ln⁡t1/2=1.4\ln t_{1/2} = 1.4、ln⁡A0=4\ln A_0 = 4 のとき ln⁡t1/2=0.2\ln t_{1/2} = 0.2 と読み取れます。
傾き =0.2−1.44−0=−1.24=−0.3= \frac{0.2 - 1.4}{4-0} = \frac{-1.2}{4} = -0.3
したがって、n−1=−0.3n-1 = -0.3 より、n=0.7n = 0.7
より正確に傾きを読み取るために、もう少し離れた点を使用します。
ln⁡A0=0\ln A_0 = 0 のとき ln⁡t1/2=1.4\ln t_{1/2} = 1.4
ln⁡A0=5\ln A_0 = 5 のとき ln⁡t1/2=−0.1\ln t_{1/2} = -0.1
傾き=−0.1−1.45−0=−1.55=−0.3= \frac{-0.1-1.4}{5-0} = \frac{-1.5}{5} = -0.3
n−1=−0.3n-1=-0.3
n=0.7n=0.7
(2) Aの87℃における半減期を求める。
87℃における半減期は、図1から ln⁡A0\ln A_0 が与えられたときに読み取れます。初濃度を100mg/mLとしたときの残存濃度と時間の関係を表すグラフを書く。
ln⁡100=ln⁡102=2ln⁡10=2×2.3=4.6\ln 100 = \ln 10^2 = 2 \ln 10 = 2 \times 2.3 = 4.6
図1より、ln⁡A0=4.6\ln A_0 = 4.6 のとき、ln⁡t1/2≈−0.04\ln t_{1/2} \approx -0.04
t1/2=e−0.04≈0.96t_{1/2} = e^{-0.04} \approx 0.96時間
一次反応の場合、[A]=[A]0e−kt [A] = [A]_0 e^{-kt}
ln⁡k=26−10000T\ln k = 26 - \frac{10000}{T}
87℃ = 87 + 273.15 = 360.15 K
ln⁡k=26−10000360.15≈26−27.77=−1.77\ln k = 26 - \frac{10000}{360.15} \approx 26 - 27.77 = -1.77
k=e−1.77≈0.17k = e^{-1.77} \approx 0.17
[A]=100e−0.17t[A] = 100e^{-0.17t}
(3) Aの分解反応の活性化エネルギーを求める。
アレニウスの式より、ln⁡k=−EaRT+定数\ln k = - \frac{E_a}{RT} + 定数
図2の直線の傾きは、−EaR- \frac{E_a}{R} に相当します。
与えられた直線の式は、ln⁡k=26−10000×1T\ln k = 26 - 10000 \times \frac{1}{T}
したがって、−EaR=−10000- \frac{E_a}{R} = -10000
Ea=10000R=10000×8.3=83000 J/mol=83 kJ/molE_a = 10000R = 10000 \times 8.3 = 83000 \ J/mol = 83 \ kJ/mol
(4) 7℃で90%残存する時間を求める。
7℃ = 7 + 273.15 = 280.15 K
ln⁡k=26−10000280.15≈26−35.7=−9.7\ln k = 26 - \frac{10000}{280.15} \approx 26 - 35.7 = -9.7
k=e−9.7≈6.06×10−5k = e^{-9.7} \approx 6.06 \times 10^{-5}
[A]=[A]0e−kt[A] = [A]_0 e^{-kt}
0.9[A]0=[A]0e−kt0.9 [A]_0 = [A]_0 e^{-kt}
0.9=e−kt0.9 = e^{-kt}
ln⁡0.9=−kt\ln 0.9 = -kt
t=−ln⁡0.9k=−ln⁡(9/10)k=−(ln⁡9−ln⁡10)k=ln⁡10−ln⁡9k=ln⁡10−2ln⁡3k=2.3−2×1.16.06×10−5≈0.16.06×10−5≈1650 時間t = \frac{-\ln 0.9}{k} = \frac{-\ln (9/10)}{k} = \frac{-(\ln 9 - \ln 10)}{k} = \frac{\ln 10 - \ln 9}{k} = \frac{\ln 10 - 2 \ln 3}{k} = \frac{2.3 - 2 \times 1.1}{6.06 \times 10^{-5}} \approx \frac{0.1}{6.06 \times 10^{-5}} \approx 1650 \ 時間

3. 最終的な答え

(1) Aの分解反応の反応次数: 0.7
(2) Aの87℃における半減期: 0.96時間。残存濃度と時間の関係: [A]=100e−0.17t[A] = 100e^{-0.17t}
(3) Aの分解反応の活性化エネルギー: 83 kJ/mol
(4) 7℃で90%残存する時間: 1650時間

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