(1) Aの分解反応の反応次数を求める。
図1から、半減期 t1/2 と初濃度 A0 の関係がわかる。グラフは直線であり、t1/2 は A0 に比例していると考えられる。 t1/2∝A0 反応速度式は v=k[A]a と表される。 半減期の式は反応次数によって異なる。
0次反応: t1/2=2k[A]0 1次反応: t1/2=kln2 2次反応: t1/2=k[A]01 t1/2 が A0 に比例するのは0次反応の場合である。 したがって、反応次数は0である。
(2) Aの87℃における半減期を求める。
図1より、87℃における半減期 t1/2 と初濃度 A0 の関係を表すグラフがある。 ln(t1/2) vs ln(A0) のグラフから傾きを求める。直線上の2点を読み取る。 例えば、(0, 0.2)と(4, 1.4)を読むと、
傾き = 4−01.4−0.2=41.2=0.3 したがって、ln(t1/2)=ln(t1/2)A0=1+0.3ln(A0)となる。 A0=1 のとき、ln(t1/2)=0.2 なので、t1/2=e0.2≈1.22 時間である。 A0=100 mg/mLのときのt1/2を求める。 図1のグラフはlnA0 に対する lnt1/2 のグラフであるから、 A0 が1から100に変化すると、lnA0 は ln(100)=ln(102)=2ln(10)=2×2.3=4.6だけ変化する。 したがって、lnt1/2 は 0.3×4.6=1.38 だけ変化する。 lnt1/2=0.2+1.38=1.58 t1/2=e1.58≈4.86 時間 残存濃度と時間との関係を表すグラフを書く。
0次反応なので、 [A]=[A]0−kt 半減期 t1/2=2k[A]0 より、 k=2t1/2[A]0 k=2×4.86100≈10.29 mg/mL hr [A]=100−10.29t [A]=0 になるのは、t=10.29100≈9.72 時間 縦軸に残存濃度[A]、横軸に時間tをとる。
[A]はtの一次関数なので、(0, 100)と(9.72, 0)を結ぶ直線を描く。
(3) Aの分解反応の活性化エネルギーを求める。
図2より、 lnk=26−10000×(1/T) アレニウスの式は k=Ae−Ea/RT なので、lnk=lnA−RTEa lnk=26−T10000 REa=10000 Ea=10000×R=10000×8.3=83000 J/mol=83 kJ/mol (4) 7℃で90%残存する時間を求める。
T=7∘C=273+7=280 K lnk=26−28010000=26−35.71=−9.71 k=e−9.71≈6.01×10−5 hr−1 0次反応なので、[A]=[A]0−kt 0.9[A]0=[A]0−kt 0.1[A]0=kt t=k0.1[A]0=6.01×10−50.1[A]0=1663.9[A]0 初濃度[A]0が指定されていないので、時間も決められない。 [A]0=100 mg/mLと仮定すると、t=166390 hr 別の解き方:
Aの分解反応速度はv=k[A]0=kであるから、速度はAの濃度に依存しない。 7℃で90%残存する場合、[A]t=0.9[A]0 [A]t=[A]0−ktより、0.9[A]0=[A]0−kt 0.1[A]0=kt t=k0.1[A]0 ここで、問題にはAの初濃度が与えられていないので、[A]0を特定できない。したがって、時間tを求めることができない。 もしも初濃度[A]0=1と仮定した場合: T=280Kのときのkはk=e26−28010000=e26−35.71=e−9.71≈6.00×10−5 t=6.00×10−50.1=1666.7 hours