図1より、lnt1/2とlnA0が直線関係にあることがわかります。 一般的に、n次反応の半減期は次の式で表されます。
t1/2∝A01−n 両辺の自然対数をとると、
lnt1/2∝(1−n)lnA0 図1のグラフの傾きは、
0−51.4−0=−0.28 したがって、1−n=−0.28 より、n=1.28 となります。 近似として、反応次数 n は 1.3 と推定できます。 (2) 87℃における半減期の計算と残存濃度グラフの作成
図1から、lnA0=0のとき、lnt1/2=1.4です。 したがって、t1/2=e1.4≈4.06 時間です。 初濃度が100 mg/mLのとき、lnA0=ln100=ln102=2ln10=2×2.3=4.6 したがって、図1のグラフから、lnA0=4.6のとき、lnt1/2≈0.25より、t1/2=e0.25≈1.28 時間です。 反応次数を1.3とすると、残存濃度[A]の時間変化は次のように表されます。
[A]1−1.3=[A]−0.3=(1−1.3)kt+[A0]1−1.3=−0.3kt+[A0]−0.3 この式から、残存濃度と時間の関係を表すグラフを作成できます。ただし、kの値は(3)で求める活性化エネルギーを用いて計算する必要があります。ここではグラフの概形を示すのみとします。
(3) 活性化エネルギー Ea の計算 図2より、アレニウスの式 lnk=26−T10000 が与えられています。 アレニウスの式は、lnk=−RTEa+const. と表されます。 したがって、REa=10000 K です。 Ea=10000×R=10000×8.3 J/mol=83000 J/mol=83 kJ/mol (4) 7℃ (280 K) で90%残存する時間の計算
まず、7℃における反応速度定数 k を計算します。 lnk=26−28010000=26−35.71=−9.71 k=e−9.71≈0.0000604 hr−1 90%残存する時間 t90 を求めます。 [A]=0.9[A0]のとき、 (0.9[A0])−0.3−[A0]−0.3=−0.3kt t=−0.3k(0.9[A0])−0.3−[A0]−0.3=−0.3k[A0]−0.3(0.9−0.3−1) 初期濃度 A0 が不明なので、A0=1と仮定すると、 t=−0.3×0.00006040.9−0.3−1=−0.000018121.035−1≈−1931.5 時間 この値は負であるため、計算に誤りがあります。
近似的に一次反応と仮定して計算します。
一次反応の場合、A=A0e−kt 0.9A0=A0e−kt 0.9=e−kt ln0.9=−kt t=k−ln0.9=0.0000604−ln0.9=0.0000604−(−0.1054)=1745 hr