ベイリーという人が、冷たい飲料水が出る井戸を所有しており、その飲料水の需要曲線が $P = 120 - Q$、限界収入曲線が $MR = 120 - 2Q$、限界費用曲線が $MC = Q$ で与えられています。ここで、$P$ は価格、$Q$ は生産量です。水の供給に固定費はかからないとして、ベイリーが利潤を最大化したときの利潤を求めます。さらに、ベイリーが完全に価格差別をすることができ、その際に固定費用2000がかかるとします。価格差別によって総余剰がどれだけ変化するかを求めます。

応用数学経済学微分積分最適化需要曲線限界費用利潤最大化価格差別消費者余剰総余剰
2025/7/27

1. 問題の内容

ベイリーという人が、冷たい飲料水が出る井戸を所有しており、その飲料水の需要曲線が P=120QP = 120 - Q、限界収入曲線が MR=1202QMR = 120 - 2Q、限界費用曲線が MC=QMC = Q で与えられています。ここで、PP は価格、QQ は生産量です。水の供給に固定費はかからないとして、ベイリーが利潤を最大化したときの利潤を求めます。さらに、ベイリーが完全に価格差別をすることができ、その際に固定費用2000がかかるとします。価格差別によって総余剰がどれだけ変化するかを求めます。

2. 解き方の手順

まず、利潤を最大化する生産量 QQ を求めます。利潤を最大化するためには、限界収入 MRMR と限界費用 MCMC が等しくなるように生産量を設定します。
MR=MCMR = MC より、
1202Q=Q120 - 2Q = Q
3Q=1203Q = 120
Q=40Q = 40
このときの価格 PP は、需要曲線から求められます。
P=120Q=12040=80P = 120 - Q = 120 - 40 = 80
利潤は、総収入 TRTR から総費用 TCTC を引いたものとして計算されます。
TR=P×Q=80×40=3200TR = P \times Q = 80 \times 40 = 3200
TC=0QMCdQ=040QdQ=12Q2040=12(402)=12(1600)=800TC = \int_0^Q MC \, dQ = \int_0^{40} Q \, dQ = \frac{1}{2}Q^2 \Big|_0^{40} = \frac{1}{2}(40^2) = \frac{1}{2}(1600) = 800
したがって、利潤は
Profit=TRTC=3200800=2400Profit = TR - TC = 3200 - 800 = 2400
次に、完全に価格差別をする場合を考えます。このとき、生産量は需要曲線と限界費用曲線が交わるところまで生産します。
P=MCP = MC より、
120Q=Q120 - Q = Q
2Q=1202Q = 120
Q=60Q = 60
このときの総収入は、需要曲線の下の面積で表されます。つまり、
TR=060(120Q)dQ=[120Q12Q2]060=120(60)12(602)=720012(3600)=72001800=5400TR = \int_0^{60} (120 - Q) \, dQ = [120Q - \frac{1}{2}Q^2]_0^{60} = 120(60) - \frac{1}{2}(60^2) = 7200 - \frac{1}{2}(3600) = 7200 - 1800 = 5400
総費用は、限界費用の積分なので
TC=060QdQ=12Q2060=12(602)=12(3600)=1800TC = \int_0^{60} Q \, dQ = \frac{1}{2}Q^2 \Big|_0^{60} = \frac{1}{2}(60^2) = \frac{1}{2}(3600) = 1800
したがって、利潤は
Profit=TRTCFixedCost=540018002000=1600Profit = TR - TC - FixedCost = 5400 - 1800 - 2000 = 1600
消費者余剰は、最初のケースではゼロではありません。価格差別がない場合、消費者余剰は、需要曲線と価格 P=80P=80 の間の領域であり、生産量 Q=40Q=40までです。
消費者余剰 =12(12080)×40=12(40)(40)=800= \frac{1}{2}(120-80) \times 40 = \frac{1}{2}(40)(40) = 800
生産者余剰は利潤と同じなので =2400= 2400
総余剰 =800+2400=3200= 800 + 2400 = 3200
価格差別がある場合、消費者余剰はゼロになり、生産者余剰は利潤になります。
総余剰=1600= 1600
したがって、総余剰の変化分は
16003200=16001600-3200 = -1600

3. 最終的な答え

利潤を最大化したときの利潤: 2400
価格差別によって総余剰は1600減少する。

「応用数学」の関連問題

競争市場において、企業の総費用 $TC$、限界費用 $MC$、市場の需要曲線が与えられている。 $TC = 5 + q + \frac{1}{2}q^2$ $MC = 1 + q$ $P = 10 -...

ミクロ経済学競争市場費用関数需要曲線均衡価格利潤
2025/7/27

物質Aの分解反応について、反応速度式 $v = k[A]^a$ が与えられています。 図1は87℃におけるAの初濃度 $A_0$ と半減期 $t_{1/2}$ の関係、図2は分解反応速度定数 $k$ ...

反応速度論アレニウスの式半減期活性化エネルギー微分方程式
2025/7/27

ある物質Aの分解反応について、反応速度式、半減期と初濃度の関係、反応速度定数と絶対温度の関係が与えられている。これらの情報をもとに、反応次数、半減期、活性化エネルギー、および特定の条件下での残存時間を...

反応速度式半減期活性化エネルギーアレニウスの式微分方程式
2025/7/27

競争市場において、各企業の総費用が $TC = 5 + q + \frac{1}{2}q^2$、限界費用が $MC = 1 + q$ で与えられている。ここで、$q$ は個々の企業の生産量である。また...

経済学ミクロ経済学競争市場総費用限界費用需要曲線均衡価格最適化
2025/7/27

与えられた数 $(1/2)^{100}$, $(1/30)^{20}$, $0.06^{35}$ をそれぞれ小数で表したとき、小数第何位に初めて0でない数字が現れるかを求める問題です。ただし、$\lo...

対数常用対数数値計算指数
2025/7/27

競争市場において、各企業の総費用 $TC$ 、限界費用 $MC$ 、そして市場全体の需要曲線が与えられています。総費用は $TC = 5 + q + \frac{1}{2}q^2$ 、限界費用は $M...

ミクロ経済学市場均衡需要と供給費用関数限界費用最適化
2025/7/27

物質Aの分解反応に関する問題です。反応速度式、半減期、アレニウス式などが与えられ、それらを用いて、反応次数、半減期、活性化エネルギー、残存時間などを計算します。

反応速度論アレニウスの式半減期一次反応対数
2025/7/27

ある物質Aの分解反応について、反応速度式 $v = k[A]^a$ (aは定数)で表される。87℃におけるAの初濃度と半減期の関係を示す図1と、異なる温度における反応速度定数kの自然対数と絶対温度Tの...

反応速度論化学反応微分方程式半減期アレニウスの式
2025/7/27

ある物質Aの分解反応について、反応速度式 $v = k[A]^a$ が与えられています。図1は87℃におけるAの初濃度と半減期の関係、図2は分解反応速度定数kの自然対数と絶対温度Tの関係を表しています...

反応速度式化学反応半減期活性化エネルギーアレニウスの式
2025/7/27

ある出版社のマーケティング部門が、ある作家の次回作の需要表をもとに、利益が最大化されるような価格と部数を選び、そのときの利益を求める問題です。作家への支払いは120万ドル、本の出版にかかる限界費用は一...

最適化利益最大化経済数学
2025/7/27