実数 $a, b$ に対して、行列 $A = \begin{bmatrix} 1 & 1 & 1 \\ -1 & a & -a \\ -1 & 1 & 1 \end{bmatrix}$、ベクトル $\mathbf{b} = \begin{bmatrix} b \\ 1 \\ 0 \end{bmatrix}$、ベクトル $\mathbf{x} = \begin{bmatrix} x_1 \\ x_2 \\ x_3 \end{bmatrix}$ が与えられている。 (1) 行列 $A$ の階数 rank $A$ を求める。 (2) $A$ が正則であるとき、逆行列 $A^{-1}$ を求める。 (3) 連立1次方程式 $A\mathbf{x} = \mathbf{b}$ が唯一つでない解を持つとき、$b$ の値を求め、そのときの $A\mathbf{x} = \mathbf{b}$ の解を求める。
2025/7/27
はい、承知いたしました。それでは、問題を解いていきます。
1. 問題の内容
実数 に対して、行列 、ベクトル 、ベクトル が与えられている。
(1) 行列 の階数 rank を求める。
(2) が正則であるとき、逆行列 を求める。
(3) 連立1次方程式 が唯一つでない解を持つとき、 の値を求め、そのときの の解を求める。
2. 解き方の手順
(1) 行列 の階数 rank を求める。
を簡約化する。
2行目に1行目を足し、3行目に1行目を足すと
3行目を2で割ると
2行目と3行目を入れ替えると
3行目から2行目の 倍を引くと
のとき、rank 。
のとき、rank 。
(2) が正則であるとき、逆行列 を求める。
が正則であるための必要十分条件は である。
したがって、 のとき、 は正則である。
を求める。
2行目に1行目を足し、3行目に1行目を足すと
3行目を2で割ると
2行目と3行目を入れ替えると
3行目から2行目の 倍を引くと
3行目を で割ると
2行目から3行目を引くと
1行目から2行目と3行目を引くと
(3) 連立1次方程式 が唯一つでない解を持つとき、 の値を求め、そのときの の解を求める。
が唯一でない解を持つとき、 である。
このとき、、 である。
拡大行列を考えると
1行目に2行目を足し、3行目に2行目を足すと
1行目から3行目を引くと
この連立方程式が解を持つためには でなければならない。
よって、 である。
は
, を満たす。
,
3. 最終的な答え
(1) のとき、rank 。 のとき、rank 。
(2) のとき、
(3) のとき、 ( は任意の実数)