問題3:実数 $x, y, z$ が $x+y+z=1$、$x^2+y^2+z^2=1$、$x \le y \le z$ を満たしているとき、$x, y, z$ のとりうる値の範囲をそれぞれ求めよ。 問題4:$a, b, c$ がすべて1より小さい正の数のとき、3つの不等式 $a(1-b) > \frac{1}{4}$, $b(1-c) > \frac{1}{4}$, $c(1-a) > \frac{1}{4}$ が同時には成り立たないことを示せ。

代数学不等式実数相加相乗平均背理法
2025/7/27
はい、承知いたしました。問題3と4を解いていきます。

1. 問題の内容

問題3:実数 x,y,zx, y, zx+y+z=1x+y+z=1x2+y2+z2=1x^2+y^2+z^2=1xyzx \le y \le z を満たしているとき、x,y,zx, y, z のとりうる値の範囲をそれぞれ求めよ。
問題4:a,b,ca, b, c がすべて1より小さい正の数のとき、3つの不等式 a(1b)>14a(1-b) > \frac{1}{4}, b(1c)>14b(1-c) > \frac{1}{4}, c(1a)>14c(1-a) > \frac{1}{4} が同時には成り立たないことを示せ。

2. 解き方の手順

問題3:
まず、x+y+z=1x+y+z = 1 より、(x+y+z)2=1(x+y+z)^2 = 1 であるから、
x2+y2+z2+2(xy+yz+zx)=1x^2 + y^2 + z^2 + 2(xy+yz+zx) = 1
x2+y2+z2=1x^2+y^2+z^2=1 を代入すると、
1+2(xy+yz+zx)=11 + 2(xy+yz+zx) = 1
よって、xy+yz+zx=0xy+yz+zx = 0
ここで、y+z=1xy+z = 1-xyz=x(y+z)=x(1x)yz = -x(y+z) = -x(1-x) であるから、y,zy, zt2(1x)tx(1x)=0t^2 - (1-x)t - x(1-x) = 0 の解である。
判別式 D=(1x)2+4x(1x)=(1x)(1x+4x)=(1x)(1+3x)0D = (1-x)^2 + 4x(1-x) = (1-x)(1-x+4x) = (1-x)(1+3x) \ge 0 である必要があるので、1/3x1-1/3 \le x \le 1
また、y,z=1x±1+2x3x22y, z = \frac{1-x \pm \sqrt{1+2x-3x^2}}{2} となり、xyzx \le y \le z を満たすためには x1x1+2x3x22x \le \frac{1-x-\sqrt{1+2x-3x^2}}{2} である必要がある。
2x1x1+2x3x22x \le 1-x - \sqrt{1+2x-3x^2}
3x11+2x3x23x-1 \le -\sqrt{1+2x-3x^2}
両辺二乗して
9x26x+11+2x3x29x^2-6x+1 \le 1+2x-3x^2
12x28x012x^2-8x \le 0
4x(3x2)04x(3x-2) \le 0
0x2/30 \le x \le 2/3
3x13x-1 の正負を考慮すると、3x103x-1 \le 0, つまりx1/3x \le 1/3である必要があるので、0x1/30 \le x \le 1/3
x=1/3x=1/3のとき、y=z=1/3y=z=1/3となる。
x=0x=0のとき、y=0,z=1y=0, z=1 or y=1,z=0y=1, z=0なので、y=0,z=1y=0, z=1
x=1/3x=-1/3 のとき、y=z=2/3y=z=2/3となり、yzy \le z を満たす。
xyzx \le y \le zを満たす必要があるので、xyzx \le y \le z
y=1x1+2x3x22y=\frac{1-x - \sqrt{1+2x-3x^2}}{2}, z=1x+1+2x3x22z = \frac{1-x + \sqrt{1+2x-3x^2}}{2}
xx の範囲は 1/3x1/3-1/3 \le x \le 1/3
この範囲において、yy は増加関数、zz は減少関数となる。
x=1/3x=-1/3のとき、y=2/3y=2/3, z=2/3z=2/3
x=1/3x=1/3のとき、y=1/3y=1/3, z=1/3z=1/3
0y2/30 \le y \le 2/3
1/3z11/3 \le z \le 1
問題4:
背理法で示す。
a(1b)>1/4a(1-b) > 1/4
b(1c)>1/4b(1-c) > 1/4
c(1a)>1/4c(1-a) > 1/4
が同時に成立すると仮定する。
これらを掛け合わせると、
a(1b)b(1c)c(1a)>1/64a(1-b) b(1-c) c(1-a) > 1/64
abc(1a)(1b)(1c)>1/64abc(1-a)(1-b)(1-c) > 1/64
相加相乗平均の関係より、
1a>01-a > 0 より、 a+(1a)2a(1a)a + (1-a) \ge 2\sqrt{a(1-a)}
12a(1a)1 \ge 2\sqrt{a(1-a)}
1/4a(1a)1/4 \ge a(1-a)
同様に、b(1b)1/4b(1-b) \le 1/4c(1c)1/4c(1-c) \le 1/4
よって、abc(1a)(1b)(1c)(1/4)3=1/64abc(1-a)(1-b)(1-c) \le (1/4)^3 = 1/64
これは、abc(1a)(1b)(1c)>1/64abc(1-a)(1-b)(1-c) > 1/64 に矛盾する。
したがって、3つの不等式が同時に成り立つことはない。

3. 最終的な答え

問題3:
xx の範囲:13x13-\frac{1}{3} \le x \le \frac{1}{3}
yy の範囲:0y230 \le y \le \frac{2}{3}
zz の範囲:13z1\frac{1}{3} \le z \le 1
問題4:
3つの不等式は同時には成り立たない。

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