線形変換 $T: \mathbb{R}^2 \rightarrow \mathbb{R}^2$ が、直線 $y=x$ 方向への2倍の拡大を表すとき、この線形変換を表す2次正方行列を求める問題です。

1. 問題の内容

線形変換 $T: \mathbb{R}^2 \rightarrow \mathbb{R}^2$ が、直線 $y=x$ 方向への2倍の拡大を表すとき、この線形変換を表す2次正方行列を求める問題です。

2. 解き方の手順

線形変換 $T$ を表す行列を $A$ とします。$A$ は2x2の行列で、$A = \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix}$ とおきます。

この問題では、直線 $y=x$ 上の点は2倍に拡大されることと、直線 $y=-x$ 上の点は変わらないことを利用します。

* まず、$y=x$ 上の点 $(1,1)$ を考えます。これは2倍されるので $T(1,1) = (2,2)$ となります。

したがって、

$A \begin{pmatrix} 1 \\ 1 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix} \begin{pmatrix} 1 \\ 1 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} a+b \\ c+d \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 2 \\ 2 \end{pmatrix}$

これにより、以下の式が得られます。

$a + b = 2$

$c + d = 2$

* 次に、$y=-x$ 上の点 $(1, -1)$ を考えます。これは変化しないので $T(1, -1) = (1, -1)$ となります。

したがって、

$A \begin{pmatrix} 1 \\ -1 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix} \begin{pmatrix} 1 \\ -1 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} a-b \\ c-d \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 1 \\ -1 \end{pmatrix}$

これにより、以下の式が得られます。

$a - b = 1$

$c - d = -1$

* これらの連立方程式を解きます。

$a + b = 2$

$a - b = 1$

2つの式を足し合わせると $2a = 3$ となり、$a = \frac{3}{2}$ が得られます。

$a$ の値を $a+b=2$ に代入すると $\frac{3}{2} + b = 2$ となり、$b = 2 - \frac{3}{2} = \frac{1}{2}$ が得られます。

$c + d = 2$

$c - d = -1$

2つの式を足し合わせると $2c = 1$ となり、$c = \frac{1}{2}$ が得られます。

$c$ の値を $c+d=2$ に代入すると $\frac{1}{2} + d = 2$ となり、$d = 2 - \frac{1}{2} = \frac{3}{2}$ が得られます。

* したがって、行列 $A$ は次のようになります。

$A = \begin{pmatrix} \frac{3}{2} & \frac{1}{2} \\ \frac{1}{2} & \frac{3}{2} \end{pmatrix}$

3. 最終的な答え

$\begin{pmatrix} \frac{3}{2} & \frac{1}{2} \\ \frac{1}{2} & \frac{3}{2} \end{pmatrix}$