関数 $f(x, y) = \sqrt{|xy|}$ が与えられたとき、その $x$ に関する偏微分 $f_x(x, y)$ が原点 $(0, 0)$ で連続でないことを示す。

解析学偏微分連続性多変数関数
2025/7/27

1. 問題の内容

関数 f(x,y)=xyf(x, y) = \sqrt{|xy|} が与えられたとき、その xx に関する偏微分 fx(x,y)f_x(x, y) が原点 (0,0)(0, 0) で連続でないことを示す。

2. 解き方の手順

まず、xx に関する偏微分 fx(x,y)f_x(x, y) を計算する。
原点 (0,0)(0, 0) における偏微分を定義に従って計算する。
fx(0,0)f_x(0, 0) を計算する。
次に、原点以外の点 (x,y)(x, y) における fx(x,y)f_x(x, y) を計算する。
最後に、fx(x,y)f_x(x, y) が原点において連続でないことを示す。
x0x \neq 0 かつ y0y \neq 0 のとき、
f(x,y) = \sqrt{|xy|} = \begin{cases}
\sqrt{xy} & xy \geq 0 \\
\sqrt{-xy} & xy < 0
\end{cases}
x=0x=0 または y=0y=0 のとき、 f(x,y)=0f(x,y) = 0
原点における偏微分は定義に従い計算する:
f_x(0,0) = \lim_{h \to 0} \frac{f(h,0) - f(0,0)}{h} = \lim_{h \to 0} \frac{\sqrt{|h \cdot 0|} - 0}{h} = \lim_{h \to 0} \frac{0}{h} = 0
次に、x0x \neq 0 かつ y0y \neq 0 のときの fx(x,y)f_x(x, y) を計算する。
xy>0xy>0 のとき、f(x,y)=xyf(x, y) = \sqrt{xy} なので、
f_x(x, y) = \frac{1}{2\sqrt{xy}} \cdot y = \frac{y}{2\sqrt{xy}}
xy<0xy<0 のとき、f(x,y)=xyf(x, y) = \sqrt{-xy} なので、
f_x(x, y) = \frac{1}{2\sqrt{-xy}} \cdot (-y) = -\frac{y}{2\sqrt{-xy}}
したがって、
f_x(x, y) = \begin{cases}
\frac{y}{2\sqrt{xy}} & xy > 0 \\
-\frac{y}{2\sqrt{-xy}} & xy < 0 \\
0 & x=0 \text{ または } y=0
\end{cases}
ここで、fx(x,y)f_x(x, y) が原点 (0,0)(0, 0) で連続でないことを示す。
xx 軸に沿って原点に近づくと、y=0y = 0 なので、fx(x,0)=0f_x(x, 0) = 0
y=x>0y = x > 0 に沿って原点に近づくと、fx(x,x)=x2x2=x2x=12f_x(x, x) = \frac{x}{2\sqrt{x^2}} = \frac{x}{2|x|} = \frac{1}{2}
y=xy = -x (ただし、x<0x < 0)に沿って原点に近づくと、fx(x,x)=x2x(x)=x2x2=x2x=12f_x(x, -x) = -\frac{-x}{2\sqrt{-x(-x)}} = \frac{x}{2\sqrt{x^2}} = \frac{x}{2|x|} = -\frac{1}{2}
このように、原点への近づき方によって fx(x,y)f_x(x, y) の値が異なるため、fx(x,y)f_x(x, y) は原点で連続でない。

3. 最終的な答え

fx(x,y)f_x(x, y) は原点 (0,0)(0, 0) で連続でない。

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