関数 $f(x, y) = e^{|x| + |y|}$ が原点 $(0, 0)$ で連続であるが、偏微分可能でないことを示す。

1. 問題の内容

関数 $f(x, y) = e^{|x| + |y|}$ が原点 $(0, 0)$ で連続であるが、偏微分可能でないことを示す。

2. 解き方の手順

(1) 連続性を示す:

原点 $(0, 0)$ での連続性を示すためには、$\lim_{(x, y) \to (0, 0)} f(x, y) = f(0, 0)$ を示す必要がある。

$f(0, 0) = e^{|0| + |0|} = e^0 = 1$.

$(x, y) \to (0, 0)$ のとき、$|x| + |y| \to 0$ であるから、

$\lim_{(x, y) \to (0, 0)} e^{|x| + |y|} = e^0 = 1$.

したがって、$\lim_{(x, y) \to (0, 0)} f(x, y) = f(0, 0) = 1$ であるため、$f(x, y)$ は原点 $(0, 0)$ で連続である。

(2) 偏微分可能性を調べる:

$f_x(0, 0) = \lim_{h \to 0} \frac{f(h, 0) - f(0, 0)}{h} = \lim_{h \to 0} \frac{e^{|h|} - 1}{h}$.

$h \to +0$ のとき、$\lim_{h \to +0} \frac{e^h - 1}{h} = 1$.

$h \to -0$ のとき、$\lim_{h \to -0} \frac{e^{-h} - 1}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{e^{-h} - 1}{-(-h)} = -1$.

右極限と左極限が一致しないため、$f_x(0, 0)$ は存在しない。

$f_y(0, 0) = \lim_{k \to 0} \frac{f(0, k) - f(0, 0)}{k} = \lim_{k \to 0} \frac{e^{|k|} - 1}{k}$.

$k \to +0$ のとき、$\lim_{k \to +0} \frac{e^k - 1}{k} = 1$.

$k \to -0$ のとき、$\lim_{k \to -0} \frac{e^{-k} - 1}{k} = \lim_{k \to -0} \frac{e^{-k} - 1}{-(-k)} = -1$.

右極限と左極限が一致しないため、$f_y(0, 0)$ は存在しない。

したがって、関数 $f(x, y)$ は原点 $(0, 0)$ で偏微分可能ではない。

3. 最終的な答え

関数 $f(x, y) = e^{|x| + |y|}$ は原点 $(0, 0)$ で連続であるが、偏微分可能ではない。