与えられた極限を計算します。 $$\lim_{x \to 0} \left( \frac{1}{1-e^x} + \frac{1}{x} \right)$$

解析学極限ロピタルの定理微分指数関数
2025/7/27

1. 問題の内容

与えられた極限を計算します。
limx0(11ex+1x)\lim_{x \to 0} \left( \frac{1}{1-e^x} + \frac{1}{x} \right)

2. 解き方の手順

まず、与えられた式を通分します。
limx0x+1exx(1ex)\lim_{x \to 0} \frac{x + 1 - e^x}{x(1-e^x)}
x0x \to 0のとき、分子は0+1e0=00+1-e^0 = 0に近づき、分母も0(1e0)=00(1-e^0)=0に近づくため、不定形00\frac{0}{0}となります。
したがって、ロピタルの定理を適用することができます。
分子と分母をそれぞれ微分します。
分子の微分: ddx(x+1ex)=1ex\frac{d}{dx} (x + 1 - e^x) = 1 - e^x
分母の微分: ddx(x(1ex))=(1ex)+x(ex)=1exxex\frac{d}{dx} (x(1-e^x)) = (1-e^x) + x(-e^x) = 1 - e^x - xe^x
再びロピタルの定理を適用すると、
limx01ex1exxex\lim_{x \to 0} \frac{1 - e^x}{1 - e^x - xe^x}
x0x \to 0のとき、分子は1e0=01 - e^0 = 0に近づき、分母も1e00e0=01 - e^0 - 0 \cdot e^0 = 0に近づくため、再び不定形00\frac{0}{0}となります。
もう一度ロピタルの定理を適用します。
分子の微分: ddx(1ex)=ex\frac{d}{dx} (1 - e^x) = -e^x
分母の微分: ddx(1exxex)=ex(ex+xex)=2exxex\frac{d}{dx} (1 - e^x - xe^x) = -e^x - (e^x + xe^x) = -2e^x - xe^x
したがって、
limx0ex2exxex=limx0ex2ex+xex=limx012+x\lim_{x \to 0} \frac{-e^x}{-2e^x - xe^x} = \lim_{x \to 0} \frac{e^x}{2e^x + xe^x} = \lim_{x \to 0} \frac{1}{2+x}
x0x \to 0を代入すると、
12+0=12\frac{1}{2+0} = \frac{1}{2}

3. 最終的な答え

12\frac{1}{2}

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