行列 $A = \begin{pmatrix} \frac{2}{\sqrt{5}} & \frac{1}{\sqrt{5}} \\ \frac{1}{\sqrt{5}} & \frac{-2}{\sqrt{5}} \end{pmatrix}$ が与えられています。$R^2$ 上の原点Oと点 $(1,0)$, $(1,1)$, $(0,1)$ を頂点とする正方形が、行列 $A$ によってどのような図形に移るかを答えます。選択肢は長方形、正方形、平行四辺形、四角形です。

代数学線形代数行列直交行列線形変換ベクトルの内積
2025/7/27
## Q6 (1) の解答

1. 問題の内容

行列 A=(25151525)A = \begin{pmatrix} \frac{2}{\sqrt{5}} & \frac{1}{\sqrt{5}} \\ \frac{1}{\sqrt{5}} & \frac{-2}{\sqrt{5}} \end{pmatrix} が与えられています。R2R^2 上の原点Oと点 (1,0)(1,0), (1,1)(1,1), (0,1)(0,1) を頂点とする正方形が、行列 AA によってどのような図形に移るかを答えます。選択肢は長方形、正方形、平行四辺形、四角形です。

2. 解き方の手順

正方形の頂点O、(1,0)、(1,1)、(0,1)をそれぞれ行列Aで変換します。
* O(0,0)はAによって(0,0)に移ります。
* (1,0)はAによって (25,15)(\frac{2}{\sqrt{5}}, \frac{1}{\sqrt{5}})に移ります。
* (1,1)はAによって (35,15)(\frac{3}{\sqrt{5}}, \frac{-1}{\sqrt{5}})に移ります。
* (0,1)はAによって (15,25)(\frac{1}{\sqrt{5}}, \frac{-2}{\sqrt{5}})に移ります。
変換後の点をP(25,15\frac{2}{\sqrt{5}}, \frac{1}{\sqrt{5}}), Q(35,15\frac{3}{\sqrt{5}}, \frac{-1}{\sqrt{5}}), R(15,25\frac{1}{\sqrt{5}}, \frac{-2}{\sqrt{5}})とおきます。
OP=(25,15)\vec{OP} = (\frac{2}{\sqrt{5}}, \frac{1}{\sqrt{5}})
OR=(15,25)\vec{OR} = (\frac{1}{\sqrt{5}}, \frac{-2}{\sqrt{5}})
OPOR=2525=0\vec{OP} \cdot \vec{OR} = \frac{2}{5} - \frac{2}{5} = 0 なので、OP\vec{OP}OR\vec{OR} は直交します。
OP2=45+15=1|\vec{OP}|^2 = \frac{4}{5} + \frac{1}{5} = 1
OR2=15+45=1|\vec{OR}|^2 = \frac{1}{5} + \frac{4}{5} = 1
よって、OP=OR=1|\vec{OP}| = |\vec{OR}| = 1 です。
したがって、変換後の図形は正方形です。

3. 最終的な答え

正方形
## Q6 (2) の解答

1. 問題の内容

ノルムが等しく、直交する R2R^2 のベクトル x1,x2x_1, x_2 を2辺とする正方形は、行列 AA により R2R^2 のどのような図形に移るかを答えます。選択肢は長方形、正方形、平行四辺形、四角形です。

2. 解き方の手順

行列 AA
A=(25151525)A = \begin{pmatrix} \frac{2}{\sqrt{5}} & \frac{1}{\sqrt{5}} \\ \frac{1}{\sqrt{5}} & \frac{-2}{\sqrt{5}} \end{pmatrix}
であり、ATA=(25151525)(25151525)=(1001)=IA^T A = \begin{pmatrix} \frac{2}{\sqrt{5}} & \frac{1}{\sqrt{5}} \\ \frac{1}{\sqrt{5}} & \frac{-2}{\sqrt{5}} \end{pmatrix} \begin{pmatrix} \frac{2}{\sqrt{5}} & \frac{1}{\sqrt{5}} \\ \frac{1}{\sqrt{5}} & \frac{-2}{\sqrt{5}} \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & 1 \end{pmatrix} = I を満たすので、直交行列です。
直交行列は長さを変えず、角度を保つ性質があるので、ノルムが等しく直交するベクトルは、変換後もノルムが等しく直交します。
したがって、正方形は変換後も正方形になります。

3. 最終的な答え

正方形
## Q7 の解答

1. 問題の内容

n×nn \times n サイズの直交行列 AA について、"ATA=IA^T A = I より AA は必ず逆行列を持ち、A1A^{-1}AA の転置行列となる。"という文章の正誤を判断します。

2. 解き方の手順

直交行列の定義は、ATA=IA^T A = I を満たす行列です。ここで、ATA^TAA の転置行列、II は単位行列です。ATA=IA^T A = I であるとき、定義より ATA^TAA の逆行列 A1A^{-1} となります。したがって、A1=ATA^{-1} = A^T が成り立ちます。

3. 最終的な答え

正しい