与えられた2つの命題を、対偶を利用して証明する問題です。 (1) 実数 $x, y, a, b$ について、$x+y > a$ ならば、$x > a - b$ または $y > b$ であることを証明します。 (2) 実数 $a, b$ について、$x$ の方程式 $ax + b = 0$ がただ1つの解を持つならば、$a \neq 0$ であることを証明します。

1. 問題の内容

与えられた2つの命題を、対偶を利用して証明する問題です。

(1) 実数 $x, y, a, b$ について、$x+y > a$ ならば、$x > a - b$ または $y > b$ であることを証明します。

(2) 実数 $a, b$ について、$x$ の方程式 $ax + b = 0$ がただ1つの解を持つならば、$a \neq 0$ であることを証明します。

2. 解き方の手順

(1) の証明

元の命題の対偶は、「$x \leq a - b$ かつ $y \leq b$ ならば $x + y \leq a$」です。

この対偶を証明します。

$x \leq a - b$ と $y \leq b$ を仮定します。

このとき、$x + y \leq (a - b) + b$ となります。

したがって、$x + y \leq a$ が成り立ちます。

よって、対偶が真であるため、元の命題も真です。

(2) の証明

元の命題の対偶は、「$a = 0$ ならば、$x$ の方程式 $ax + b = 0$ はただ1つの解を持たない」です。

この対偶を証明します。

$a = 0$ のとき、$ax + b = 0$ は $0 \cdot x + b = 0$ となります。

これは $b = 0$ ということになります。

$b \neq 0$ ならば、$0 \cdot x + b = 0$ は解を持ちません。

$b = 0$ ならば、$0 \cdot x + 0 = 0$ となり、これはすべての $x$ で成り立ちます。つまり、解が無数に存在します。

いずれの場合も、$ax + b = 0$ はただ1つの解を持ちません。

よって、対偶が真であるため、元の命題も真です。

3. 最終的な答え

(1) $x+y>a$ ならば、$x>a-b$ または $y>b$ である

(2) $x$についての方程式 $ax+b=0$ がただ1つの解をもつならば、$a \neq 0$ である