行列式を求める際に、行列の性質を利用します。行列式は、行列の行または列に関して線形性を持つため、行または列の操作によって簡略化できます。
行列 (ACBO) に対して、A が正則行列であると仮定します。このとき、次のような行基本変形を考えます。下側の行に CA−1 を左から掛け、上側の行から引きます。 (ACBO)R2→R2−CA−1R1(AC−CA−1ABO−CA−1B)=(AOB−CA−1B) この操作によって、行列式は変化しません。したがって、
det(ACBO)=det(AOB−CA−1B) ブロック行列の行列式の性質より、
det(AOB−CA−1B)=det(A)det(−CA−1B)=det(A)(−1)ndet(CA−1B)=(−1)ndet(A)det(C)det(A−1)det(B) det(A)det(A−1)=det(AA−1)=det(I)=1 であるため、 det(ACBO)=(−1)ndet(C)det(B)=(−1)ndet(B)det(C) A が正則でない場合を考えます。その場合、A+λI が正則となるような λ が存在します。そこで、A を A+λI に置き換えて計算を行い、最後に λ→0 とすれば同様の結果が得られます。