ケインズ派の生産物市場モデル(閉鎖経済)における以下の問題を解く。 - (1) 消費者の限界消費性向 - (2) 所得 $Y$ が200の時の消費 - (3) 均衡国民所得 - (4) 政府支出乗数 - (5) 租税乗数 - (6) 完全雇用国民所得が600の時の状況判断 - (7) (6)の状況を改善するための政策規模 - (8) (7)の政策効果の描写 与えられた情報:$C = 80 + 0.5(Y-T)$, $T = 60$, $I = 140$, $G = 100$

応用数学マクロ経済学ケインズモデル乗数効果国民所得消費関数
2025/7/27

1. 問題の内容

ケインズ派の生産物市場モデル(閉鎖経済)における以下の問題を解く。
- (1) 消費者の限界消費性向
- (2) 所得 YY が200の時の消費
- (3) 均衡国民所得
- (4) 政府支出乗数
- (5) 租税乗数
- (6) 完全雇用国民所得が600の時の状況判断
- (7) (6)の状況を改善するための政策規模
- (8) (7)の政策効果の描写
与えられた情報:C=80+0.5(YT)C = 80 + 0.5(Y-T), T=60T = 60, I=140I = 140, G=100G = 100

2. 解き方の手順

(1) 限界消費性向は、消費関数 C=80+0.5(YT)C = 80 + 0.5(Y-T)YY の係数である。
(2) Y=200Y = 200 を与えられた消費関数に代入する。
C=80+0.5(20060)C = 80 + 0.5(200 - 60)
(3) 均衡国民所得は、Y=C+I+GY = C + I + G で求められる。
Y=80+0.5(Y60)+140+100Y = 80 + 0.5(Y - 60) + 140 + 100
この式を YY について解く。
(4) 政府支出乗数は、11MPC\frac{1}{1 - MPC} で求められる。ここで、MPCMPC は限界消費性向である。
(5) 租税乗数は、MPC1MPC\frac{-MPC}{1 - MPC} で求められる。
(6) 完全雇用国民所得が600の時、均衡国民所得と比較して、インフレギャップまたはデフレギャップが生じているか判断する。
均衡国民所得が完全雇用国民所得より小さければデフレギャップ、大きければインフレギャップ。
デフレギャップの場合、政府支出を増やすか租税を減らす必要がある。インフレギャップの場合は、政府支出を減らすか租税を増やす必要がある。
(7) (6)の回答に基づき、どの程度政府支出または租税を調整すればよいか計算する。
ΔY=乗数ΔGΔY = 乗数 * ΔG または ΔY=乗数ΔTΔY = 乗数 * ΔT。ここで、ΔYΔY は国民所得の変化、ΔGΔG は政府支出の変化、ΔTΔT は租税の変化。ΔY=ΔY = 完全雇用国民所得 - 均衡国民所得
(8) (7)の政策効果の描写として最も適切なものを選択する。
それでは計算を始めます。
(1) 限界消費性向は 0.50.5
(2) Y=200Y=200 の時の消費は:
C=80+0.5(20060)=80+0.5(140)=80+70=150C = 80 + 0.5(200 - 60) = 80 + 0.5(140) = 80 + 70 = 150
(3) 均衡国民所得を求める:
Y=80+0.5(Y60)+140+100Y = 80 + 0.5(Y - 60) + 140 + 100
Y=80+0.5Y30+140+100Y = 80 + 0.5Y - 30 + 140 + 100
Y=290+0.5YY = 290 + 0.5Y
0.5Y=2900.5Y = 290
Y=580Y = 580
(4) 政府支出乗数を求める:
MPC=0.5MPC = 0.5 なので、政府支出乗数 =110.5=10.5=2= \frac{1}{1 - 0.5} = \frac{1}{0.5} = 2
(5) 租税乗数を求める:
租税乗数 =0.510.5=0.50.5=1= \frac{-0.5}{1 - 0.5} = \frac{-0.5}{0.5} = -1
(6) 完全雇用国民所得は600、均衡国民所得は580なので、デフレギャップが生じている。均衡で完全雇用国民所得を実現するには、政府支出を増やせば良い。
(7) ΔY=600580=20ΔY = 600 - 580 = 20
政府支出を増やす場合:20=2ΔG20 = 2 * ΔG より ΔG=10ΔG = 10
租税を減らす場合: 20=1ΔT20 = -1 * ΔT より ΔT=20ΔT = -20. 租税を20減らすということは,租税を-20増やすということ.
どちらの場合も、問題の選択肢に10しかないため、政府支出を10増やす。
(8) 政府支出を10増やすことで20国民所得が増えるので、 1 & (i)

3. 最終的な答え

(1) (b) 0.5
(2) (c) 150
(3) (b) 580
(4) (e) 2
(5) (b) 1 (符号を無視して絶対値で考えれば)
(6) (d) デフレ・ギャップが生じているので、均衡で完全雇用国民所得を実現するには、政府支出を増やせば良い
(7) (a) 10
(8) (a) 1 & (i)

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