可逆反応 A ⇌ B が一次反応で進行している。反応開始時に A は 100 mmol/L で存在し、B は存在しない。このとき、以下の問いに答える。ただし、ln2 = 0.70 とする。 (1) この可逆反応における平衡定数はいくつか。 (2) 正反応の速度定数 $k_1$ 及び逆反応の速度定数 $k_2$ はそれぞれ何 min$^{-1}$ か。 (3) 反応開始後 100 分での B の濃度は何 mmol/L か。 (4) この可逆反応の触媒非存在下および正の触媒存在下における反応座標とポテンシャルエネルギーの関係として正しいのは 1 ~ 6 どれか。ただし、この可逆反応の正反応は発熱反応である。触媒が存在する場合の反応経路は実線で、触媒が存在しない場合の反応経路は破線で表してある。

応用数学化学反応平衡定数速度定数一次反応化学反応速度論
2025/7/28

1. 問題の内容

可逆反応 A ⇌ B が一次反応で進行している。反応開始時に A は 100 mmol/L で存在し、B は存在しない。このとき、以下の問いに答える。ただし、ln2 = 0.70 とする。
(1) この可逆反応における平衡定数はいくつか。
(2) 正反応の速度定数 k1k_1 及び逆反応の速度定数 k2k_2 はそれぞれ何 min1^{-1} か。
(3) 反応開始後 100 分での B の濃度は何 mmol/L か。
(4) この可逆反応の触媒非存在下および正の触媒存在下における反応座標とポテンシャルエネルギーの関係として正しいのは 1 ~ 6 どれか。ただし、この可逆反応の正反応は発熱反応である。触媒が存在する場合の反応経路は実線で、触媒が存在しない場合の反応経路は破線で表してある。

2. 解き方の手順

(1) 平衡定数 KK を求める。
グラフより、平衡状態において A の濃度は約 40 mmol/L、B の濃度は約 60 mmol/L である。したがって、平衡定数 KK は次のように計算できる。
K=[B][A]=6040=1.5K = \frac{[B]}{[A]} = \frac{60}{40} = 1.5
(2) 正反応の速度定数 k1k_1 と逆反応の速度定数 k2k_2 を求める。
一次反応なので、A の減少速度は [A]t=[A]0ekt[A]_t = [A]_0 e^{-kt} で表される。
ここで、平衡状態における A の濃度 [A]eq[A]_{eq} と B の濃度 [B]eq[B]_{eq} より、
k1[A]eq=k2[B]eqk_1 [A]_{eq} = k_2 [B]_{eq}
K=k1k2=1.5K = \frac{k_1}{k_2} = 1.5
また、反応開始時からのAの濃度の時間変化から、Aの濃度が半減する時間は約20分なので、半減期t1/2t_{1/2}は20分である。一次反応の半減期はt1/2=ln2kt_{1/2} = \frac{ln2}{k}で表されるから、正反応の速度定数k1k_1 は近似的に、
k10.720=0.035k_1 \approx \frac{0.7}{20}=0.035 min1^{-1}
k2=k11.5=0.0351.50.023k_2 = \frac{k_1}{1.5} = \frac{0.035}{1.5} \approx 0.023 min1^{-1}
(3) 反応開始後 100 分での B の濃度を求める。
グラフより、反応開始後 100 分での B の濃度は約 60 mmol/L である。
(4) 反応座標とポテンシャルエネルギーの関係を考える。
可逆反応の正反応 A → B は発熱反応である。これは、生成物 B のエネルギー準位が反応物 A のエネルギー準位よりも低いことを意味する。また、触媒が存在すると、活性化エネルギーが低下する。触媒が存在する場合は実線、存在しない場合は破線で表されている。したがって、これらの条件を満たすのは、グラフ3である。

3. 最終的な答え

(1) 平衡定数:1.5
(2) 正反応の速度定数 k1k_1: 約 0.035 min1^{-1}, 逆反応の速度定数 k2k_2: 約 0.023 min1^{-1}
(3) 反応開始後 100 分での B の濃度:約 60 mmol/L
(4) 3

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