この積分は、被積分関数 x1 が x=0 で定義されていないため、広義積分として扱う必要があります。また、−∞ から ∞ までの積分なので、積分を以下のように分割します。 ∫−∞∞x1dx=∫−∞0x1dx+∫0∞x1dx さらに、x=0 での積分は特異点を持つため、主値積分を考えます。主値積分とは、−ϵ から ϵ を避けて積分する考え方です。つまり、 PV∫−∞∞x1dx=limϵ→0(∫−∞−ϵx1dx+∫ϵ∞x1dx) ここで、
∫x1dx=ln∣x∣+C を用いて積分を計算します。
∫−∞−ϵx1dx=lima→−∞∫a−ϵx1dx=lima→−∞[ln∣x∣]a−ϵ=lima→−∞(ln∣ϵ∣−ln∣a∣)=lnϵ−lima→−∞ln∣a∣ ∫ϵ∞x1dx=limb→∞∫ϵbx1dx=limb→∞[ln∣x∣]ϵb=limb→∞(ln∣b∣−ln∣ϵ∣)=limb→∞lnb−lnϵ したがって、
PV∫−∞∞x1dx=limϵ→0((lnϵ−lima→−∞ln∣a∣)+(limb→∞lnb−lnϵ))=limϵ→0(limb→∞lnb−lima→−∞ln∣a∣) これは不定形です。しかし、コーシーの主値を考慮すると、対称な積分範囲をとることで打ち消しあう場合があります。
より正確には、次のように計算します。
PV∫−∞∞x1dx=lima→∞b→∞(∫−a−ϵx1dx+∫ϵbx1dx) PV∫−∞∞x1dx=lima→∞b→∞([ln∣x∣]−a−ϵ+[ln∣x∣]ϵb) PV∫−∞∞x1dx=lima→∞b→∞((lnϵ−lna)+(lnb−lnϵ))=lima→∞b→∞(lnb−lna) PV∫−∞∞x1dx=lima→∞(lna−lna)=0