(1) 放射性物質の質量 $x=x(t)$ が微分方程式 $\frac{dx}{dt} = -kx$ に従い、初期条件 $x(0) > 0$ を満たす。半減期を $T$ とし、$\frac{x(T_1)}{x(0)} = \frac{1}{32}$ を満たす $T_1$ に対して、$\frac{T_1}{T}$ を求めよ。 (2) 微分方程式 $y'(x) = -3y(x) + 18$, $y(0) = 0$ の解を求めよ。 (3) 関数 $y = 5(1 - e^{-3x})$ のグラフを漸近線と共に書け。 （グラフを描くことはここではできません） (4) 関数 $x(t)$ が $x'(t) = at + 14$, $x(0) = -5$, $x(2) = -2$ を満たすとき、$a$ の値を求めよ。 (5) $x > 0$ において $F'(x) = \frac{5}{x} F(e^2) = 0$ を満たす関数 $F(x)$ を求めよ。

1. 問題の内容

(1) 放射性物質の質量 $x=x(t)$ が微分方程式 $\frac{dx}{dt} = -kx$ に従い、初期条件 $x(0) > 0$ を満たす。半減期を $T$ とし、$\frac{x(T_1)}{x(0)} = \frac{1}{32}$ を満たす $T_1$ に対して、$\frac{T_1}{T}$ を求めよ。

(2) 微分方程式 $y'(x) = -3y(x) + 18$, $y(0) = 0$ の解を求めよ。

(3) 関数 $y = 5(1 - e^{-3x})$ のグラフを漸近線と共に書け。 （グラフを描くことはここではできません）

(4) 関数 $x(t)$ が $x'(t) = at + 14$, $x(0) = -5$, $x(2) = -2$ を満たすとき、$a$ の値を求めよ。

(5) $x > 0$ において $F'(x) = \frac{5}{x} F(e^2) = 0$ を満たす関数 $F(x)$ を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) $\frac{dx}{dt} = -kx$ を解くと、$\int \frac{dx}{x} = \int -k dt$ より $\ln|x| = -kt + C$。よって $x(t) = Ae^{-kt}$ ($A$ は任意定数)。

初期条件 $x(0) > 0$ より、 $x(0) = A > 0$。

半減期 $T$ の定義より、$x(T) = \frac{1}{2}x(0)$。よって $Ae^{-kT} = \frac{1}{2}A$。これから $e^{-kT} = \frac{1}{2}$, $-kT = \ln \frac{1}{2} = -\ln 2$, $T = \frac{\ln 2}{k}$。

$\frac{x(T_1)}{x(0)} = \frac{1}{32}$ より $Ae^{-kT_1} = \frac{1}{32}A$。よって $e^{-kT_1} = \frac{1}{32} = (\frac{1}{2})^5$, $-kT_1 = \ln (\frac{1}{2})^5 = -5\ln 2$, $T_1 = \frac{5\ln 2}{k}$。

$\frac{T_1}{T} = \frac{\frac{5\ln 2}{k}}{\frac{\ln 2}{k}} = 5$

(2) $y'(x) = -3y(x) + 18$ を解く。$y'(x) + 3y(x) = 18$。

両辺に $e^{\int 3 dx} = e^{3x}$ をかけると $e^{3x}y'(x) + 3e^{3x}y(x) = 18e^{3x}$。

$\frac{d}{dx}(e^{3x}y(x)) = 18e^{3x}$。

$e^{3x}y(x) = \int 18e^{3x} dx = 6e^{3x} + C$。

$y(x) = 6 + Ce^{-3x}$。

$y(0) = 0$ より $0 = 6 + C$, $C = -6$。

$y(x) = 6 - 6e^{-3x} = 6(1 - e^{-3x})$。

(3) $y = 5(1 - e^{-3x})$。

$x \to \infty$ のとき、$e^{-3x} \to 0$ なので、$y \to 5$。よって漸近線は $y = 5$。

$x = 0$ のとき、$y = 5(1 - 1) = 0$。

$x < 0$ のとき、$e^{-3x}$ が大きくなるため、$y$ の値は小さくなる。

(4) $x'(t) = at + 14$ より、$x(t) = \int (at + 14) dt = \frac{1}{2}at^2 + 14t + C$。

$x(0) = -5$ より、 $-5 = \frac{1}{2}a(0)^2 + 14(0) + C$, $C = -5$。

$x(t) = \frac{1}{2}at^2 + 14t - 5$。

$x(2) = -2$ より、 $-2 = \frac{1}{2}a(2)^2 + 14(2) - 5 = 2a + 28 - 5 = 2a + 23$。

$2a = -25$, $a = -\frac{25}{2}$。

(5) $F'(x) = \frac{5}{x} F(e^2) = 0$。

$F'(x) = 0$ なので、$F(x)$ は定数関数である。

$F(e^2) = 0$ なので、$F(x) = 0$。

3. 最終的な答え

(1) $\frac{T_1}{T} = 5$

(2) $y(x) = 6(1 - e^{-3x})$

(3) 漸近線は $y=5$

(4) $a = -\frac{25}{2}$

(5) $F(x) = 0$