この問題は、円に内接する四角形の性質を利用して解きます。円に内接する四角形では、対角の和が 180∘ になります。また、トレミーの定理というものがあり、円に内接する四角形ABCDにおいて、AB⋅CD+AD⋅BC=AC⋅BDが成り立ちます。今回はトレミーの定理を用いて問題を解いていきます。 四角形の頂点を左上から順にA, B, C, Dとします。与えられた辺の長さを AB=2, BC=x, CD=2, DA=3 とします。対角線ACとBDの長さをそれぞれ p, qとします。トレミーの定理より、 AB⋅CD+AD⋅BC=AC⋅BD 2⋅2+3⋅x=p⋅q 4+3x=pq また、向かい合う角の和は 180∘ であるという性質を利用します。しかし、今回は直接角度を求めることができないので、他の方法を考えます。 トレミーの定理を使うことにします。上記の式より、pq=4+3xとなります。 この図において、四角形ABCDは円に内接しているため、トレミーの定理が適用できます。
AB⋅CD+BC⋅AD=AC⋅BD 2⋅2+x⋅3=AC⋅BD 4+3x=AC⋅BD もし、対角線ACとBDの長さが同じであれば、 AC=BD=dとすると 4+3x=d2 d=4+3x しかし、今回はxを求めたいのでdがわからなければこの式は使えません。 別の方法を考えます。円に内接する四角形の対角の和は180度なので、∠A + ∠C = 180度、∠B + ∠D = 180度です。余弦定理を使用してみます。
AC2=AB2+BC2−2(AB)(BC)cos(∠B) AC2=AD2+DC2−2(AD)(DC)cos(∠D) ∠B+∠D=180度なので、cos(∠B)=−cos(∠D)です。 AB2+BC2−2(AB)(BC)cos(∠B)=AD2+DC2−2(AD)(DC)cos(∠D) 22+x2−2(2)(x)cos(∠B)=32+22−2(3)(2)cos(∠D) 4+x2−4xcos(∠B)=9+4+12cos(∠B) x2−4xcos(∠B)−9−12cos(∠B)=0 同様にBDについて計算します。
BD2=BA2+AD2−2(BA)(AD)cos(∠A) BD2=BC2+CD2−2(BC)(CD)cos(∠C) ∠A+∠C=180度なので、cos(∠A)=−cos(∠C)です。 BA2+AD2−2(BA)(AD)cos(∠A)=BC2+CD2−2(BC)(CD)cos(∠C) 22+32−2(2)(3)cos(∠A)=x2+22−2(x)(2)cos(∠C) 4+9−12cos(∠A)=x2+4+4xcos(∠A) 9−12cos(∠A)=x2+4xcos(∠A) x2+4xcos(∠A)+12cos(∠A)−9=0