平面 $x=0$, $x=1$, $y=0$, $y=1$, $z=0$, $z=1$ で囲まれる立体を $V$ とする。その表面で、$xy$ 平面上にない部分を $A$ とする。ベクトル場 $\mathbf{a} = (2xy, yz^2, zx)$ について、面積分 $\int_A (\nabla \times \mathbf{a}) \cdot \mathbf{n} \, dS$ の値を求めよ。ただし、$\mathbf{n}$ は $A$ の法単位ベクトルで $A$ の外側に向いているものとする。

解析学ベクトル解析面積分ストークスの定理多変数ベクトル場
2025/7/28

1. 問題の内容

平面 x=0x=0, x=1x=1, y=0y=0, y=1y=1, z=0z=0, z=1z=1 で囲まれる立体を VV とする。その表面で、xyxy 平面上にない部分を AA とする。ベクトル場 a=(2xy,yz2,zx)\mathbf{a} = (2xy, yz^2, zx) について、面積分 A(×a)ndS\int_A (\nabla \times \mathbf{a}) \cdot \mathbf{n} \, dS の値を求めよ。ただし、n\mathbf{n}AA の法単位ベクトルで AA の外側に向いているものとする。

2. 解き方の手順

ストークスの定理を用いる。ストークスの定理より、
A(×a)ndS=Cadr\int_A (\nabla \times \mathbf{a}) \cdot \mathbf{n} \, dS = \oint_C \mathbf{a} \cdot d\mathbf{r}
ここで、CCAA の境界であり、積分方向は AA の外側から見て反時計回りである。AAVV の表面のうち、xyxy 平面上にない部分であるから、AA の境界 CCz=0z=0 の平面上にある正方形である。
CCx=0,0y1x=0, 0 \le y \le 1, y=1,0x1y=1, 0 \le x \le 1, x=1,1y0x=1, 1 \ge y \ge 0, y=0,1x0y=0, 1 \ge x \ge 0 で定義される。
(1) x=0,0y1x=0, 0 \le y \le 1のとき、a=(0,0,0)\mathbf{a} = (0, 0, 0), dr=(0,dy,0)d\mathbf{r} = (0, dy, 0)であるから、adr=0\mathbf{a} \cdot d\mathbf{r} = 0。よって、C1adr=0\int_{C_1} \mathbf{a} \cdot d\mathbf{r} = 0
(2) y=1,0x1y=1, 0 \le x \le 1のとき、a=(2x,z2,zx)\mathbf{a} = (2x, z^2, zx), dr=(dx,0,0)d\mathbf{r} = (dx, 0, 0)であるから、adr=2xdx\mathbf{a} \cdot d\mathbf{r} = 2x \, dxz=0z=0であるから、C2adr=012xdx=[x2]01=1\int_{C_2} \mathbf{a} \cdot d\mathbf{r} = \int_0^1 2x \, dx = [x^2]_0^1 = 1
(3) x=1,1y0x=1, 1 \ge y \ge 0のとき、a=(2y,yz2,z)\mathbf{a} = (2y, yz^2, z), dr=(0,dy,0)d\mathbf{r} = (0, dy, 0)であるから、adr=yz2dy\mathbf{a} \cdot d\mathbf{r} = yz^2 \, dyz=0z=0であるから、C3adr=100dy=0\int_{C_3} \mathbf{a} \cdot d\mathbf{r} = \int_1^0 0 \, dy = 0
(4) y=0,1x0y=0, 1 \ge x \ge 0のとき、a=(0,0,zx)\mathbf{a} = (0, 0, zx), dr=(dx,0,0)d\mathbf{r} = (dx, 0, 0)であるから、adr=0\mathbf{a} \cdot d\mathbf{r} = 0。よって、C4adr=0\int_{C_4} \mathbf{a} \cdot d\mathbf{r} = 0
したがって、
Cadr=C1adr+C2adr+C3adr+C4adr=0+1+0+0=1\oint_C \mathbf{a} \cdot d\mathbf{r} = \int_{C_1} \mathbf{a} \cdot d\mathbf{r} + \int_{C_2} \mathbf{a} \cdot d\mathbf{r} + \int_{C_3} \mathbf{a} \cdot d\mathbf{r} + \int_{C_4} \mathbf{a} \cdot d\mathbf{r} = 0 + 1 + 0 + 0 = 1

3. 最終的な答え

1

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