ある財に対する市場逆需要関数が $p = 40 - X$ であり、2社の企業がクールノー競争を行う。各企業の費用関数は $C(x) = x^2$ である。このとき、クールノー均衡価格を求める。ただし、$X$ は市場全体の供給量、$x$ は各企業の供給量である。

応用数学最適化微分経済学クールノー競争偏微分連立方程式
2025/7/28

1. 問題の内容

ある財に対する市場逆需要関数が p=40Xp = 40 - X であり、2社の企業がクールノー競争を行う。各企業の費用関数は C(x)=x2C(x) = x^2 である。このとき、クールノー均衡価格を求める。ただし、XX は市場全体の供給量、xx は各企業の供給量である。

2. 解き方の手順

まず、各企業の利潤関数を定義する。企業1の生産量を x1x_1、企業2の生産量を x2x_2 とすると、市場全体の供給量は X=x1+x2X = x_1 + x_2 となる。価格は p=40(x1+x2)p = 40 - (x_1 + x_2) である。
企業1の利潤 π1\pi_1 は以下の式で表される。
π1=px1C(x1)=(40x1x2)x1x12\pi_1 = p x_1 - C(x_1) = (40 - x_1 - x_2)x_1 - x_1^2
π1=40x1x12x1x2x12=40x12x12x1x2\pi_1 = 40x_1 - x_1^2 - x_1 x_2 - x_1^2 = 40x_1 - 2x_1^2 - x_1 x_2
同様に、企業2の利潤 π2\pi_2 は以下の式で表される。
π2=px2C(x2)=(40x1x2)x2x22\pi_2 = p x_2 - C(x_2) = (40 - x_1 - x_2)x_2 - x_2^2
π2=40x2x1x22x22\pi_2 = 40x_2 - x_1 x_2 - 2x_2^2
各企業の利潤を最大化するために、それぞれの生産量に関して偏微分し、0とおく。
π1x1=404x1x2=0\frac{\partial \pi_1}{\partial x_1} = 40 - 4x_1 - x_2 = 0
π2x2=40x14x2=0\frac{\partial \pi_2}{\partial x_2} = 40 - x_1 - 4x_2 = 0
上記の2つの式を連立方程式として解く。
4x1+x2=404x_1 + x_2 = 40
x1+4x2=40x_1 + 4x_2 = 40
1つ目の式を4倍すると 16x1+4x2=16016x_1 + 4x_2 = 160 となる。これから2つ目の式を引くと 15x1=12015x_1 = 120 となり、x1=8x_1 = 8 が得られる。
x1=8x_1 = 8 を2つ目の式に代入すると、8+4x2=408 + 4x_2 = 40 より、4x2=324x_2 = 32 となり、x2=8x_2 = 8 が得られる。
したがって、クールノー均衡における各企業の生産量は x1=8x_1 = 8x2=8x_2 = 8 である。
市場全体の供給量は X=x1+x2=8+8=16X = x_1 + x_2 = 8 + 8 = 16 である。
クールノー均衡価格は p=40X=4016=24p = 40 - X = 40 - 16 = 24 である。

3. 最終的な答え

24

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