## 問題1:1つのサイコロを6回投げる問題

確率論・統計学確率確率分布期待値サイコロくじ引き包除原理
2025/7/28
## 問題1:1つのサイコロを6回投げる問題
1つのサイコロを6回投げるとき、1から6までのすべての目が出る確率を求める問題です。ただし、出る順番は問わず、それぞれの目が出る確率は等しいとします。
## 解き方の手順(問題1)

1. **全事象の数:** 1つのサイコロを6回投げるので、全事象の数は $6^6$ です。

2. **すべての目が出る場合の数:** 1から6のすべての目が出る場合を考えます。これは、6回の試行で6種類の目を並べる順列の問題と考えることができます。まず、6種類の目を並べる並べ方は $6!$ 通りあります。

ただし、例えば「1, 2, 3, 4, 5, 6」と出た場合も、「2, 1, 3, 4, 5, 6」と出た場合も、同じ1から6の目が出ているという点では同じなので、ダブりが発生しています。
6種類の目を並べる順列は 6!6! 通りですが、それぞれの目の出方に重複があるので、これを調整する必要があります。

3. **包除原理の利用:** 1から6の目がすべて出る場合の数を直接数えるのは難しいので、包除原理を利用します。

* 全体から、少なくとも1つの目が出ない場合を引きます。
* 次に、少なくとも2つの目が出ない場合を足します。
* 次に、少なくとも3つの目が出ない場合を引きます。
* これを繰り返します。

4. **計算:**

* 少なくとも1つの目が出ない場合: (61)×56{6 \choose 1} \times 5^6
* 少なくとも2つの目が出ない場合: (62)×46{6 \choose 2} \times 4^6
* 少なくとも3つの目が出ない場合: (63)×36{6 \choose 3} \times 3^6
* 少なくとも4つの目が出ない場合: (64)×26{6 \choose 4} \times 2^6
* 少なくとも5つの目が出ない場合: (65)×16{6 \choose 5} \times 1^6
したがって、1から6のすべての目が出る場合の数は、
66(61)56+(62)46(63)36+(64)26(65)166^6 - {6 \choose 1}5^6 + {6 \choose 2}4^6 - {6 \choose 3}3^6 + {6 \choose 4}2^6 - {6 \choose 5}1^6
=466566×15625+15×409620×729+15×646×1= 46656 - 6 \times 15625 + 15 \times 4096 - 20 \times 729 + 15 \times 64 - 6 \times 1
=4665693750+6144014580+9606= 46656 - 93750 + 61440 - 14580 + 960 - 6
=720= 720
6回の試行で1から6のすべてが出る場合の数です。

5. **確率の計算:** 求める確率は、$\frac{6!S(6,6)}{6^6}$ = $\frac{6! * 1}{6^6} = \frac{720}{46656}= \frac{5}{324}$

## 最終的な答え(問題1)
5324\frac{5}{324}
## 問題2:くじ引きの問題
10本のくじの中に3本当たりくじが入っています。Aさんが先にくじを引き、Bさんが2番目にくじを引くとき、AさんとBさんのどちらが当たりくじを引く確率が大きいか答える問題です。引いたくじは元に戻しません。
## 解き方の手順(問題2)
* **Aさんが当たる確率:** Aさんが当たる確率は、310\frac{3}{10}です。
* **Bさんが当たる確率:** Bさんが当たる確率を計算します。Bさんが当たるのは、以下の2つの場合です。
* Aさんが外れ、Bさんが当たる。
* Aさんが当たり、Bさんも当たる。
それぞれの確率を計算します。
* Aさんが外れ、Bさんが当たる確率: 710×39=2190\frac{7}{10} \times \frac{3}{9} = \frac{21}{90}
* Aさんが当たり、Bさんも当たる確率: 310×29=690\frac{3}{10} \times \frac{2}{9} = \frac{6}{90}
Bさんが当たる確率は、これらの和で計算できます。
2190+690=2790=310\frac{21}{90} + \frac{6}{90} = \frac{27}{90} = \frac{3}{10}
* **比較:** Aさんが当たる確率とBさんが当たる確率は、どちらも310\frac{3}{10}です。
## 最終的な答え(問題2)
AさんとBさんが当たりくじを引く確率は同じ。
## 問題3:確率変数の期待値の問題
確率変数Xとその確率分布P(X)が与えられたとき、Xの期待値E(X)を分数の形で求める問題です。
## 解き方の手順(問題3)

1. **期待値の定義:** 期待値は、各確率変数の値とその確率の積の和で計算されます。

E(X)=ixiP(xi)E(X) = \sum_{i} x_i P(x_i)

2. **計算:**

E(X)=1×18+2×14+3×132+4×132+5×12+6×116E(X) = 1 \times \frac{1}{8} + 2 \times \frac{1}{4} + 3 \times \frac{1}{32} + 4 \times \frac{1}{32} + 5 \times \frac{1}{2} + 6 \times \frac{1}{16}
=18+24+332+432+52+616= \frac{1}{8} + \frac{2}{4} + \frac{3}{32} + \frac{4}{32} + \frac{5}{2} + \frac{6}{16}
=432+1632+332+432+8032+1232= \frac{4}{32} + \frac{16}{32} + \frac{3}{32} + \frac{4}{32} + \frac{80}{32} + \frac{12}{32}
=4+16+3+4+80+1232=11932= \frac{4 + 16 + 3 + 4 + 80 + 12}{32} = \frac{119}{32}
## 最終的な答え(問題3)
11932\frac{119}{32}

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