サイコロの目に関する以下の事象系について、条件付きエントロピー $H(X|Y)$ を求める問題です。 * 事象系 $X$: 目の数が3以下か4以上か * 事象系 $Y$: 偶数が出たか奇数が出たか ただし、$log_2 3 \approx 1.58$とします。

確率論・統計学条件付きエントロピー確率サイコロ情報理論
2025/7/28

1. 問題の内容

サイコロの目に関する以下の事象系について、条件付きエントロピー H(XY)H(X|Y) を求める問題です。
* 事象系 XX: 目の数が3以下か4以上か
* 事象系 YY: 偶数が出たか奇数が出たか
ただし、log231.58log_2 3 \approx 1.58とします。

2. 解き方の手順

まず、条件付きエントロピーの定義を確認します。
H(XY)=yYp(y)H(XY=y)H(X|Y) = \sum_{y \in Y} p(y) H(X|Y=y)
ここで、YY は偶数か奇数かを表す事象系なので、yy は偶数または奇数となります。したがって、
H(XY)=p(偶数)H(X偶数)+p(奇数)H(X奇数)H(X|Y) = p(\text{偶数}) H(X|\text{偶数}) + p(\text{奇数}) H(X|\text{奇数})
サイコロの目は1から6なので、偶数が出る確率は p(偶数)=36=12p(\text{偶数}) = \frac{3}{6} = \frac{1}{2} 、奇数が出る確率は p(奇数)=36=12p(\text{奇数}) = \frac{3}{6} = \frac{1}{2} です。
次に、H(X偶数)H(X|\text{偶数})H(X奇数)H(X|\text{奇数}) を計算します。
H(X偶数)H(X|\text{偶数}) は、偶数が出たという条件のもとでの、XX のエントロピーです。偶数が出る場合、目は2, 4, 6のいずれかです。
* XX: 3以下(2のみ)となる確率は 13\frac{1}{3}
* XX: 4以上(4,6)となる確率は 23\frac{2}{3}
したがって、
H(X偶数)=(13log213+23log223)H(X|\text{偶数}) = - (\frac{1}{3} \log_2 \frac{1}{3} + \frac{2}{3} \log_2 \frac{2}{3})
=(13log213+23(log22log23))= - (\frac{1}{3} \log_2 \frac{1}{3} + \frac{2}{3} (\log_2 2 - \log_2 3))
=(13(log23)+23(1log23))= - (\frac{1}{3} (-\log_2 3) + \frac{2}{3} (1 - \log_2 3))
=13log2323+23log23= \frac{1}{3} \log_2 3 - \frac{2}{3} + \frac{2}{3} \log_2 3
=log23231.58231.580.670.91= \log_2 3 - \frac{2}{3} \approx 1.58 - \frac{2}{3} \approx 1.58 - 0.67 \approx 0.91
H(X奇数)H(X|\text{奇数}) は、奇数が出たという条件のもとでの、XX のエントロピーです。奇数が出る場合、目は1, 3, 5のいずれかです。
* XX: 3以下(1, 3)となる確率は 23\frac{2}{3}
* XX: 4以上(5)となる確率は 13\frac{1}{3}
したがって、H(X奇数)=(23log223+13log213)H(X|\text{奇数}) = - (\frac{2}{3} \log_2 \frac{2}{3} + \frac{1}{3} \log_2 \frac{1}{3})
=(23(log22log23)+13(log23))= - (\frac{2}{3} (\log_2 2 - \log_2 3) + \frac{1}{3} (-\log_2 3))
=(23(1log23)13log23)= - (\frac{2}{3} (1 - \log_2 3) - \frac{1}{3} \log_2 3)
=23+23log23+13log23= -\frac{2}{3} + \frac{2}{3} \log_2 3 + \frac{1}{3} \log_2 3
=log23231.58231.580.670.91= \log_2 3 - \frac{2}{3} \approx 1.58 - \frac{2}{3} \approx 1.58 - 0.67 \approx 0.91
よって、
H(XY)=12H(X偶数)+12H(X奇数)H(X|Y) = \frac{1}{2} H(X|\text{偶数}) + \frac{1}{2} H(X|\text{奇数})
=12(0.91)+12(0.91)= \frac{1}{2} (0.91) + \frac{1}{2} (0.91)
=0.91= 0.91

3. 最終的な答え

H(XY)0.91H(X|Y) \approx 0.91

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